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人の手/石楠花摘み

『人の手』




人の手は

あまり脆すぎるものを

持つのには

向いてないんだろう


時に 熱すぎて

あるいは 冷たすぎて

思えば、柔すぎたときもあるし

硬すぎたときもあった……


そして 台座としても

乗り物としても

どうにも安定を欠いていて


ぼろぼろと 零さずに

崩さずには いられない

そういう手だった



脆いものを持つ手は

いつだって

放れる予感が纏わり付く


それでも持ちたいと

心から願うのは

いったいおかしなことなのか











『石楠花摘み』




嘘つき、

嘘つき、

嘘つきが石楠花を摘む

風は圧し固められて

水は映さなくなった


陽のあたる往来には

雛鳥の足あと

月のない闇夜を

過ぎる人影


野を奔りまわるあの灰色の馬


回避

混淆、

そして枯死、

嘘つきが石楠花を摘む

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