2 ちょっとイチャイチャ
「ふう。」
ベッドの上で目を開けた私は同じベッドで目を開けたミユキの方を見た。
「会議に他の人たちを呼ばなくてよかったのですか?」
心配するようなことでもないのだけど、と考えながら
「大丈夫だよ。その仕事ごとに必要な人員を派遣することが私たちのやり方だから。それにほかの人はいつもみたいに仕事の最中だと思うんだ。」
「それって山賊退治や危険な魔物討伐のことですか?いつも戦っていないと気が済まないのですかねあの人たちは」
「でも全員が戦うことが好きな人ではないし。自分の研究の実験のために戦っていることの方が多いぐらいだと思うよ。」
「実験や研究、それに戦いが好きな人が半分ぐらいいますからね。私はカナデさんと一緒にいられるなら何でもいいですけど。」
少し顔を赤くしながら最後の言葉を言ってきた。
かわいいことを言ってくれると考えながらミユキの頬を指でつついたりしてみた。
「ちょっとカナデさん何をするんですか、くすぐったいですよ。」
この反応が面白くて何度もしてしまった。
さっきまでの落ち着いた冷静さはどこかえ消えてしまったように今は好きな人とじゃれあっている少女が二人いました。
「もう、いい加減にしてください。」
さきに降参したのはミユキの方だった。
「あはは、ごめんね。つい反応がかわいくて。」
「もう知りません。」
ぷい、という効果音が似合うようなしぐさでそっぽを向いたミユキに対して
「これで機嫌直して。」
と言って私はミユキの頭をやさしくなでた。
「いつもいつもこれで機嫌が直ると思ったら大間違いですよ。」
言葉は強気だが顔が真っ赤で溶けるような笑顔で言われても説得力ないな、と考えながらカナデは頭をなで続けた。
「そろそろあれを消してもいいんじゃないミユキ?」
私は部屋の中を見渡してドアの近くにいる骸骨を指さしながら言った。
その骸骨は右手によく切れそうな剣を持ち、左手に丸い盾を持っている。洞窟や墓地で現れる魔物の一種のスケルトンである。先ほどから少しも動かずに部屋の中で立っている。
「あ、忘れてました。だれかさんがふざけてくるので。」
そういいながらミユキは右手を骸骨に向けた。
効果はすぐに表れた。骸骨の足下に魔法陣が表れて骸骨が魔法陣の中に消えていく。全身が魔法陣の中に消えてしまったらそこには何かがいた形跡すらなくなっていた。
「じゃあ私たちも仕事を始めましょうか。」
「はい。」
ふたりは一緒にドアを開けて外へ出て行った。
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