あいしています
「あ、今晩はとても珍しい月ですね」
隣に腰かけたソイツに目を向けると、薄くぼんやりとした雲に覆われたーしかし、ひどく丸く明るいー それを見上げていた。
「私のいた所では、これをスーパームーンと呼んで、珍しがったんです」
まぁここでも、珍しいのかもしれませんが、と続けつつ苦笑をして。
「とある文豪は、ある言葉をこんな月で例えたそうです」
そう言うと、立ち上がり。
月を背にし、なんとも言いがたい顔をしてこう言った。
『月が、綺麗ですね』
先日のスーパームーン、仕事終わりに見上げながら歩いてる間に思い付いたネタ。
彼女の思いが男性に伝わらないようにって思って書きましたが…頑張れたかな…?