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俺の小説の書き方 プロットを作る 2 設定編

では、俺のプロットの作成過程を、参考になるかどうかはわからないが見てほしい。


現在、長編のSFを用意しているのだが、実は一度頓挫している。

これは最初にプロットを組まないまま書き始めたからだ。今までというのはそういう書き方で何とかなっていたのだが、SF作品はとかく設定と説明が付きまとう。故にそれらをどこにどうやって配置するかというのが一番難しい要素になる。


端的に言えば、何をひとつとっても説明しなければいけないから、読者の興味をいちいち惹かなければいけない。読者はそれに付き合う努力をしなければいけないから、惜しませない面白さを用意しなければいけない。

だが、用意した設定が膨大すぎたため、自身で架空の理論構築までしなければいけなくなった。


1、まず今回書く話はヒーローものである。では舞台はというとやはり地球の日本となる。ここはひとつ告白しておくが、モチーフにしたのは変身ヒーローである。


2、まず一番に考えたのが、敵勢力である。地球と日本が舞台なら、それを守るヒーローとなる。では敵はなんなのか、異星人が手っ取り早い。


3、では、異星人の目的、なぜ地球を侵略に来るのかという動機だ。よくよく考えると、地球くんだりまで渡航できる技術や文明を持った異星人が何故、猿の惑星を侵略しようとするのかとなる。

ここが勘所で、作品を綴るにあたり最も思考にエネルギーを使うのが敵対勢力の特性や動機になる。


4、つまり、ヒーローを働かせるためには敵を造る必要があるということ。それが全体の世界観にもなる。そうすれば、地球側の組織形態も構築しなければいけない。その異星人勢力に対抗できる技術や方便を上乗せできる土壌を設定しなければならない。


5、現代の科学技術では対抗できそうにない(仮に現性戦力で対抗出来る話だと、ヒーローの出る幕はなくなる)逆に言うと、拮抗できる可能性を模索する場合『アバター』などに見られるように、外部の異分子が混入することで打開することもある。


6、ここにきてやっとこヒーローの外形やシステムに言及できる。それから登場人物のキャラクター作りである。

俺の場合このキャラクター作りをほとんど事前にしない。というのも人物がテンプレ化するのが嫌で、本文でなん通りかの行動やセリフのやりとりを経てから人物像を描いてゆく。


7、第一話を草案的に書いてみる。その中で思いついた設定を再び盛り込む。

物語が何年かに渡るようであれば年表も用意する。つまり時間の要素を導入するということね。

同じく、日本の土地の何箇所かを股にかける場合も、地理的考察を始める。


8、主人公の家庭環境や、社会環境を整える。主人公が男か女かというのはあまり重要ではなく、草案の時点でセリフのやりとりをシミュレートして決定することが多い。


9、主人公の性格的なものが顕れだしたら、やっとこ外見的特徴を考察してゆく。それに合わせて両親や友人など周辺の人間を描いてゆく。


10、草稿を起こしてみる。足りないところが見えてくる。再び1まで戻って練り直す。場合によっては敵勢力の設定からやり直すので、ヒーロー側の設定も変えざるを得なくなる。



このような無限ループで物語は煮詰まってゆき、矛盾を潰してゆく。

これをやらないと、物語が途中で止まってどうにもこうにもならずエタる。

まあ、SF作品に限らずなんだが、SFは特に設定をきっちりしておかなければだめ。設定破綻一つで作品の質はガタ落ちすると俺は思う。


そんなわけで、今回はかなり頑張った方で、古代史から物理学、ト学まで斜め読みして情報を咀嚼して妄想を練り上げた。(だから、ここ「小説家になろう」では読まれないカテゴリーの作品になると思う。)


このように物語の各々のキャラクターや背景にはそれなりの事情を、書かないとしても勘案しておかなければいけない。

なんとなーくとある王国があって、そこに勇者がいました。という書き出しの物語でも構わないのだが、作者の中ではそれ以上の情報のバックグラウンドがなければならない。でなければ描写ができないからだ。

以前にも似たようなことを言ったが、二次創作はこういった部分の設定説明が一切不要であるという点で、小説を書く労力としては半分以下ではないかと思われる。

仮にVRMMOモノだとしても、どういうギミックでヴァーチャルリアリティゲームが出来るのか?というのは想像したほうがいい。そうすることで、その問題点や危険性、社会の風景が見えてくるから物語に深みが出る。

無論、VRMMOを説明するとなると、神経学や脳科学やら精神医学やら脳量子理論をナナメ読みする必要がある上に、自分でも読めないような漢字の単語を連発しなければならない可能性はある。


ただ、これをやるとやはり設定説明が冗長になるので、工夫が要るだろう。

それに、小難しいことは読みたくない考えたくない、そもそも読めない、理解できないし想像もできない、複数の情報が交錯すると処理できない、などという読者層は確実に離れる。


他人に自分の頭の中のものを説明するのは骨が折れる作業なのである。

まずわかってくれないと考えておいて間違いはない。

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