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俺の小説の書き方 プロットを作る 1

さて、プロットの書き方である。以前俺はプロットが書けないということをここで述べたかと思う。

だからあえて、プロットのつくり方を考えてみる。


まあ、小説を書くにあたって大事なのはその順序で、これを怠ると後で面倒なことになる。


何でもそうなのだが、「ものづくり」という行為の順序はだいたい相場が決まっている。解りやすい例えを言うと。


1 漠然と絵を描きたいと思う

2 どんな絵 写実? 抽象?

3 絵具は使う? 水彩、油彩?

4 あらかたこの時点でキャンバスは決まっているから、描く容量も決める

5 鉛筆で下書き。消せるので何度も納得いくまで書く。

6 下書きがよく描けていればあとは塗り絵みたいなものだからどんどんなぞってゆく。

7 彩色。ここでやっと技法的なものを使う

8 最後に色的なバランスを取っておわり。


ちなみにプロはこういう描き方をしない。というかこういう型にはまっていない。


漫画の描き方はさらに小説に似ているが、漫画のほうが百倍難しいと俺は思う。


さて、皆さんが携わっているのは小説という分野のものづくりなんだが、上記に述べたように絵の描き方とさほど変わらないステップを踏むことが望ましい。


なぞらえると


1 「絵を描きたい」 は、まあ小説書きたいだろうな。動機は物語を書きたいってとこだ

2 「絵の種類」これはジャンルの事ね。恋愛、SF、冒険、純文学

3 「絵の具の種類」文体のこと。一人称とか三人称とかそのあたり。重い軽いも決めちゃう。

4 「絵の大きさ」頭の中やメモで大体書き出してみる。物語が短編、長編なのかの大まかな枠組みは取っておく

5 「下描き」ここでやっと、プロット制作に入る。


とりあえずこの段階までの説明をしよう。


プロットはあらすじではない。


所謂、あらすじというのは映画のコマーシャルフィルムに似ている。

十五秒の枠内で面白そうだと思わせる解説と映像を詰め込んでるわけだ。


ではプロットというのは何かというと、設計図に他ならない。

絵に例えると、下書きである。

下書きが緻密であればあるほど後の仕上げは楽になる。ただ「アソビ」も残しておきたいものだから書き込みはほどほどにする傾向がある。


まず、テーマ性を考える、と言いたいところだが、一般人でそれほど目的を持って文章を書く人はいないので、この際テーマは考えない。何やら一定の主張や思想や理論、論理を世に広めたいだとか思っている人はここが立脚点になるが、普通はないだろう。


だから、まず頭に思い浮かぶのは漠然とした「こんな感じの話」になる。

次にその、「こんな感じの話」を実現するために必要な舞台を設定する。

同時にキャスティングも設定する。何名登場するのか? それは必要なのか? などなど。


この時点でほぼ世界は完成しているとして、自分で面白いか、書きたいと思うかが決定する。

ここで面白くないと思ったら無理して書かないほうがいい。


それから初めてテーマ性に触れる。


そんな頭に描いた物語はなぜ面白いと思うのか、だ。それを考える。

そうすることでテーマらしきものが見えてくる。あくまで「らしきもの」である。


ただ、ここで非常に大事なのは、既存作品をみて感化され、それに似た作品を書く場合、頭に浮かんだ面白さというのは「既存作品の面白さ」であって、今から書かれる物語の面白さではない。

自分も同じようにそれが書けるなどと思ってはいけない。


テーマは社会性でも人間性でも論理性でも構わないが、何らか一本の突き通った軸が必要だ。

しかし物語全体像がそれにとらわれる必要はなく、中心を貫いていさえいれば良い。でなければ拡散性のない偏向した物語になる。普遍性を欠くということだ。


少しここを説明しておくと、人間とは誰しもが同じ思考を持っていないことはご存知のとおりだが、大体は同一のベクトル上にたってものを見ている。だから多少思考が違えど最終的に行き着く場所が同じになることが多い。

人生と同じように、そのベクトル上の「幅」を楽しむのが物語の醍醐味と言える。

簡単に言うと、「人間は死に向かう」というのが大きなテーマで、その過程で「何を為し何を成す」かが物語となる偉人伝などはこういうモノの書き方である。


そうすると、物語の頭とケツが決められる。

このテーマが乗ったベクトルが物語の軸(骨)であり、尺(全長)である。これがなければ肉をどれだけ付ければ良いのかという判断がつかない。仮に出来たとしても後々修正に追われる。必ずそうなる。


尺というのは一人の人生でもよければ、事件の発生から収束まででもいい。とにかくどうやって終わるかを決めておかなければプロットは書けない。


俺がよくやってしまうのは、プロット上で謎や疑惑が浮き出た時に、無責任に放置してその時が来れば何らかのアイデアが浮かぶだろう、などとしてしまうところにある。

それでうまくいく時もあるが、本文執筆時に大抵はそこで詰まる。当然だ。


だからすごーく大事なことだが、当たり前だが、オチやどんでん返しがあるなら最初にバッチリ決めておかなければいけない。


たったこれだけを決めるだけでも膨大な時間を要する。いや、要しなければならない。


というのは、会社で仕事をしたことがある人なら誰でもわかるだろうが、実務なんてのは三割ほどのパワーでしか行っておらず、実はそのための話し合い、準備や環境整備、根回しや、安全の確保などありとあらゆることには七割が費やされているといっていい。職種によっては1:9位の割合ですらある。


だから、ここまで決まれば執筆自身は時間さえあれば楽勝なのである。


これが下書き、プロットの段階である。


と、俺は思っている。



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