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俺の小説の書き方 話を作る 3

話を作る、という話でもう一つ。


 テンプレというものがある。ここ「小説家になろう」でもテンプレという語は多く使われているが、テンプレとはテンプレートの事である。


 かなり大雑把にテンプレを解釈すると、ある一定の枠や流れに沿って登場人物や背景、物語を当てはめてゆく、といった感じで。流れそのものが同じで、人物の名前や土地が違うだけ、なんてパクリとも言えるものも存在する(だろう)


 もしくは人物設定や世界観が同じなどもこのテンプレに属する。


 もっとわかりやすく言えば、勧善懲悪の時代劇なんかは完全にテンプレ化している。イレギュラーはない。火曜サスペンス系も同様、刑事ものもかなりこの傾向が強い。だが日本人の琴線に響くのか、人気は一定を下回ることはなく、延々脈々と観継がれている。

 ただ、物語として純粋に見た時、非常に面白くない。先が見えてしまう。下手をすれば次のシーンの第一声まで予測できる。


 これをいち早く脱したのがアニメというジャンルではあるが、脱したほうは脱したほうで、カオスなことになって自身らで迷走している感もあるため、ここではその話はおいておく。


 今日話をしたいのは、相変わらず昔のままやっとるなー、というお子様向けのアニメ特撮である。まあ、日曜日の朝といえば、スーパー戦隊シリーズと、仮面ライダーシリーズ、それからプリキュアという三本柱にあたるが、このうち、仮面ライダーにおいては、テンプレを能動的に脱する努力をした結果、どうしようもない方向に向いてしまった(これはスポンサーが大きく足を引っ張っているが)悪例といえる。


 特に今季の「仮面ライダー鎧武」本来もっとも不向きなジャンルの脚本を虚渕玄等にやらせるから、見事にどっちつかずのわけ判らん作品に仕上がった。甘くて良かったのだよ。


 だから仮面ライダーシリーズは省く。お題はスーパー戦隊とプリキュアに絞るが、当然ながら、男児向け、女児向けと振り分けることが出来るが、描写に関してはプリキュアのほうがややソフトに描かれるのは当然だろう。全体的に最後の最後までかなりのほほんとした空気が流れている。

 

 基本三十分枠で、起承転結の一話完結で4クール目一杯使って、約五十話を一年で消化する。これだけでもかなり壮大にテンプレなのだが、もはや使命と化しているので仕方あるまい。


 戦隊ものも、様々なアレンジが加えられてはいるが、基本的には五人。後から追加で一人二人増えることはある。序章で事件の発覚から敵との邂逅、肉弾戦の後、巨大ロボット戦、爆発、といった流れである。これを延々最終回間際を避けると、四十五週くらい繰り返す。


 おなじくプリキュアにしてもそうだが、テンプレ率が高いのはこちらの方で、台詞の言い回しや演出の仕方はかなりお約束定型で、工夫といったことはあまりされない。これは視聴層の具合もあり、実写ではなくアニメであるという事も関与しているが、とにかくわかりやすさの方を優先するからであろう。


 で、これが面白いのか、というと、大人としてはまるで面白くない。

たまーにものすごくいい演出と脚本に出会うことがあるが、そう言うのは稀であるが故に感動もひとしおである。


 なら、なぜ、毎週のようにチェックしているのか。

 姪っ子や友人の息子と対等以上に会話できるほど精通しているのか。

 なぜ戦隊のすべての装備とプリキュアの名前まですべて覚えるほど観ているのか、そんなになるまで何故観るのか。


 それは、研究しているからに過ぎない。

 テンプレ中のテンプレ作品、テンプレの王道を行く作品の中で、「今、意図的にハズしたな、脚本レベルではなく、監督レベルで外したな」と思われる点を探している。


 セリフまで定型ゆえの作品だからこそ、違う事を言うと見事に目立つのである。そしてその効果は絶大なのである。

 

 何度か同様の作品を重ねれば、受ける演出、受ける設定というのが見えてくる。その極みに立つのが結局のところ時代劇なのであり、歌舞伎なのであろう。奇をてらってもその場で受けて終わることの方が多い、ならばリスクを背負う事のないテンプレでいいではないか、となる。


 余談だが、ここをうまくオマージュして作品化したのが「サムライフラメンコ」というアニメ作品だが、これはやられた。俺の方が先に考えてたのに……というのはもはや時すでに遅し、自身の遅筆を恨む。


 だが、我々創作者としては、テンプレに甘んじていてはいけないように思う。所詮は読者も居なければファンもいないという立場故に、リスクもそもそもない訳で、奇をてらおうが、マニアックに走ろうが、設定バカになろうが、危ない描写を連発しようが、誰もそれを咎める者などいない。


 それがアマチュアの特権であり、ガレージワークの最大の利点でもある。

ここ最近ではすっかりメジャーになったが、同人やガレキといった分野の発端はそもそも「自分が望む世界なり、自分が望む形」が市販のもの、大手メーカー、スポンサーから提供されていないことに憤りを感じて、「それが欲しい、だから自分で作る」という情熱だけで発展を遂げてきたマーケットで、単純な二次や劣化コピーとは分野が違う。


 ま、そういった人々が現代のオタ文化の下支えをこしらえたのだけどね。


 私的には、小説なり童話なり、物語を書くという事は創作であり、やはり独自性のあるものこそに第一義があると思っている。でなければ書く意味は八割がた喪失するとさえ思っている。


 テンプレを批判するようだが、俺には、似たような話を書くために何時間もかけて、何週間も何カ月もかけて文字を打ちつづける努力はできない。どうせ書くなら自分しか知らない、誰にも想像できない世界や人物を書きこみたい。


もし今、自分が書いている作品が、某所ですでに発表されている作品に酷似していたら、俺は自分の作品を破棄すると思う。もしくは大改編して似ていないように作り変えるだろう。


 ということで、テンプレについてはもう少し話をしたいと思うので、次回に続く。

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