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俺の小説の書き方 話を作る 1

今回は小説を書く上で、多分一番楽しい「企画」という作業について。


 何事も計画の段階ほど楽しいものはなく、あれこれ自由闊達な意見が飛び交い、なんなら一連の創作活動の中では最も盛り上がる段階と言えるのではないかと思われる。


 しかしながら、様々な意見が述べられるものの、非実現性、無計画性、無責任性、あとは様々な要素の不足により99パーセントの企画がボツになるというのが現実である。


 小説における企画というのは当然「どんな話にしようか」という思案であり、その入口はニュースで見た時事ネタから街の看板から得たインスピレーションまで様々である。

 

 着眼着想から、話の展開を考えて、なんとなーく終はこんな感じ、というのが一連の流れだとは思うが、だいたい閃くのは誰でも、特に創作物によく目を通している人なら誰でもピキューンと閃くものである。けして閃いたことに喜んではいけない、けして才能が有るわけでも天才でもない。誰でもよくあることなのだ。


この「話を作る思考回路」の最小単位というのが実は「冗談、ジョーク」といった会話の中でなされるちょっとした起承転結で、冗談が上手い人は話もうまいし、創作もできる。


 これ、説明するのは難しいけど、会話の流れというものを一度断ち切って転じてまた流す、という作業で、一瞬相手に驚きを与えて無駄な思考をさせるという一種の会話のレクリエーションなんである。


 会話中の冗談は会話そのものが既に「起と承」をカバーしているので、「転と結」だけを用意しておけば「オチがない」などと大阪の人にブーイングを喰らわずに済む。しかし、物語はそれが長大になったもので、けして腹を抱えて笑えるようなものばかりではないが、「起承」を自身で用意しておかなければ転も結も成り立たないことはわかると思う。


 当たり前のことを書きすぎていて意味がわからないかもしれないが、簡潔に書くとそういう構造であるという程度で捉えて欲しい。


 では自分の頭の中にピキューンとひらめきが起こった時、まず何から始めるだろうか?


 まず、大まかなプロットを書く人から、まず設定書を書く人から、まず年表を書く人から、まず絵におこしてみる人もいるだろう。だが最も多いのはおそらく、書き始めてしまう人だと思う。


 とにかく書いてしまう。緻密な計画書と設定書をおこしてそこから物語を作れる人は経験が豊富か、性格的に失敗したくない(失敗できない)神経質なプロといえると思う。

 実際、設定書を用意して、特に日時、時代をまたぐような場合は時系列表や年表も用意しておいたほうが執筆は格段に早い。

 

 しかしながら、創作が好き故にペンと原稿用紙などを手にとったのだから、そこはまず情熱が優先するというのがやはり自然ではあると思う。


 俺の場合もやはりそうだが、最初はケツすら決めていないで、一枚の絵を思い浮かべて最初の文章を書く。

 一番最初につまづくのが、主人公の名前や周辺事情。これは設定書を書いておけば止まらずにスラスラ書き進められるところだが、ここで一旦立ち止まって考える。

 その辺からだんだん脳内の静止画が動画に移り変わり、どのような動きをするのか、どのような表情を持つのか、どのような事件が起こるのかなどをフラッシュバック形式で頭に思い描いてゆく。


 しかし、その段階になってもまだケツを決めないのが俺の悪い癖で、ひどい時には90パーセント書き上がっているのに決められないことすらある。


 これはひとえに未熟さ故のことだろうが、だいたい回収できない伏線をたくさん張りすぎて困る事の方が多いようにも思う。

 さらに、たどり着きたい結末のためには、何かが足りなかったり、何かが余計だったり、と、少なからず矛盾を生じていることが多い。


 こういうことにならないように最近気をつけるようになったが、やはりすぐに書き始めて、最後の最後にウンウン唸って終われないままエタってる作品が多いのは認める。


だって、設定書いてたら情熱が覚めるような気がするもん。


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