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ここ、どこ…?
あたり一面薄暗い森で、昼なのか夜なのかもわからない。むしろここはどこ。
えっ、ちょっと待って駅長さーん誰かいませんかー!
うわぁ、ここ本当にすっごいリアルな森ですねー!
…誰でもいいから、もう降参だから、ドッキリでーすって出て来てよ!
という心の声虚しく、あたり一面静かなまま。
「ね、ねぇ。ドッキリでしょう?」
中腰になりあたりを警戒しつつ、そうではないと頭の片隅でわかっているけれどどうしても信じられず声に出して言ってみる。
すると、近くの木からガサリ、と何かが動く気配がした。なるべく音を立てないようにしてその木に近づくと、そこにはなんと怪我をした動物がいた。
ななな!?なにこの動物、キレイ…
その何か、は大きな狼に見えたがその毛が決定的に違っていた。この動物は薄い紫のようなとても綺麗な色をしていて、普通思い浮かべるような黒い毛並みとは程遠かった。
…って見とれてる場合かっ!早く手当しないと!でもどうやって?
途方に暮れていると、突然喉元に刃物を突き立てられた。
いつのまにか、前には見知らぬ男が刃物を私に突きつけていた。
「お前、誰だ。ここで何をしている。」