第2話:新しい生活(3)
【SIDE:春見優】
入学して2週間、この間に色々な事が起こった
まずは新マネージャー……
いわゆる同級生のマネージャーの子が倒れて保健室に運ばれた。
初めて部活に所属したとのことだから緊張とかで疲れてたのかな……
意外だったのは彼女を保健室までおぶって運んだのがあの猛だったことだ。
しかもその後も彼女が起きるまで付き添っていたとか……
う~む
なかなかジェントルマンなんだね。
俺は少し猛を見直した。
普段のあいつなら平然とその横を歩いてそうだけどな…
川井遥だっけ?
そのマネージャーの子も大したことなくて良かった良かった!
その2日後「新入部員歓迎試合」と名のついた紅白戦が行われた。
去年までは現3年と2年を合わせても12人だったから紅白戦はできなかったそうだ。
だから今年新入部員5人を加えてやっと歓迎試合ができるようになったらしい。
ん?
あと1人は誰か?
あぁそれならーーーーーーーー
「それは、3年3組担任、晴祥学院体育教師で野球部顧問白澤孝大この私だ!ちなみにキャプテンの白澤孝徳とは父子関係だ!以後よろしくお願する!」
というわけで白澤先生込みの18人で紅白戦を行なった。
ちなみに白澤先生は高校時代どこぞの高校かは知らないけれど、甲子園にも出場したこともあるらしい…
運良く俺は猛と同じチームになることができた。
試合は猛がレギュラーチームを完封するという結果に終わり、猛は一気にチームのエースとなった。
そしてこの俺も猛が完封するのをリードしたことが認められ次の練習試合でスタメンで出ることが決まった。
そして野球部の新マネージャー……と言っても倒れた方じゃないほう
つまり小椋薫が俺の幼なじみだったことが判明した。
その後お互いの親も会いたいということから、一緒に小椋家に行くことになった。
電車で1駅移動してそこから徒歩5分ほどで小椋家に到着した。
二階建ての一軒家で、周りの家もけっこう大きい…
いわゆる高級住宅街だな……
薫が小学校卒業と同時にこの家を買い、引越したらしい。
だから中学は違う学校だったんだな。
1人で納得。
親同士も盛り上がり、また会おうと言ってその日は終わった。
それからは薫と学校でも部活中でもよく話すようになった。
向こうは入学してすぐに俺だと分かったらしく、俺が薫のことに気付いた時は気づくのが遅いと言われた。
まぁ小学校の時から3年も経ってるんだから忘れても仕方ないよね。
3年とは短くも長い時間なんだよ。
とまぁ色々な事があった。
それから1週間後、いつものように部活を終え、白澤先生のミーティングが行われていた。
「1年も部活に慣れてきたと思う。そこで来週に練習試合をする。バッテリー以外のスタメンはまだ白紙だと思ってくれていい。各自意識を持って練習すること!」
やっときた練習試合。
相手は福岡県内の舞ヶ浜高校だそうだ。
バスで1時間ぐらいかな…
周りの1年生もスタメンに選ばれようと騒いでいる。
ミーティングが終わると俺と猛は白澤先生に呼ばれた。
「悪いな、時間とらせて、すぐに終わるから。」
「いいえ、大丈夫です。で…何でしょうか?」
「あぁ次の練習試合は正直言ってお前達のレベルを見るために組んだと言っていい。だから、2人共ベストな状態で試合に臨んでくれ。」
「はい。完封します。」
俺が返事するよりも早く猛がそう言った。
「じゃ来週楽しみにしてるぞ。気をつけて帰るように。」
その後俺達は職員室を出て帰った。
春とは言ってもまだ夜は冷える。
そんな中俺と猛は静かな闘志を燃やしていた。
あけましておめでとうございます。
Froitです。
今年もよろしくお願いします!
と同時にすみません!
センターまで1ヶ月を切ってマジで勉強しなくちゃいけないので、さらに更新が遅くなります。
もしかしたらセンター終わるまで更新できないかも…
どうぞお許しください。