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リーヤ口伝  作者: 333
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リーヤ口伝第五話

今日もいつもぐらいの時間帯に目を覚ましたつもりだった。眠い目を擦りながら、子供達の笑い声で大体の時刻をはかる。この声の数だと…11時だろう。


        「もうこんな時間?」


まあ、昨日は遅かったからな。母さんは…もう行ってるか。


 「おはよう。朝ごはん作るから支度して席ついてて」


机で何かの絵を描いていたらしい父さんが台所へ向かった。置いたままの紙には木炭で描かれた心地よさそうに寝ている自分がいた。


寝癖もあるし髪の毛も気持ち悪い。そう思い玄関を出てすぐ左に置いてあるたらいへと向かう。毎朝母さんが、必要最低限の水を近くの川から汲んで置いておいてくれているのだ。

たらいの水を手で掬い、顔にかけて目を覚まさせてから頭をすすぎ、頭をタオルで拭く。このタオル、服屋のおじさんが「服の切れ端たちだ」っつってつぎあわせてくれたやつだけど肌触りめっちゃいいな。

少し湿った髪の毛を簡単に手ぐしでとかしながら玄関を開ける。

パンをのせた皿が既に机の上に置いてあった。


        「もう傷は大丈夫か?」


父さんが横目で聞いてきた。

なんのことかと思ってキョトンとしていると振り返って目尻をトントンとおさえた。

触れてみると布があててある。

ここは…チャスジラライカにやられたとこか。おそらく寝てる間にやってくれたのだろう。

自分がよく使う椅子に座りながら。


    「うん。もう痛くないから大丈夫」


と言う。

父さんは安心したような眼差しを向けた後


     「念の為今日はつけときなさい。」


と父さんが前を向き直しフライパンをゆすり始める。

今日の朝ごはんは何かな、肉炒めだったら良いな。

父さんがフライパンを持った状態で振り返りフライパンに乗っていたものを皿にずらして落とす。


混ぜ卵だ。


「昨日の晩ルカが帰ってくる前、隣のカザックさんからいくつか卵をもらったんだ。たしか4つ…とかだっ

          たかな?」


作ってくれた混ぜ卵を口に運ぶ。やっぱりカザックさんちの卵は美味い。


     「今日はミシタさんのとこ?」

      「うん、昨日の件でね」


ミシタさんは図書館の近くに住んでて、大抵は暇なときに行くんだけど研究者っていうのもあって新種を討伐した俺からいろいろ話を聞きたいそうだ。

昨日の昼に「新種討伐の依頼に今夜向かう」と言ったらキラキラした眼差しで「どーせ朝遅くなるよな?だから昼前ごろに来い」と言われた。特に予定はなかったし昼ごはんも準備してくれるというので了承した。


「あそーだごめん父さん!今日昼ごはんいらないの忘れてた!ミシタさんがご飯用意してくれるって…」

「えぇ?!早く言ってよぉー。パン多めに切っちゃっ

たよー?」

「ああー、じゃあミシタさんとこまで持ってく!」

「うーん、ちょっとそうしてほしいー」


そんなわけで既に切られたライパンを紙に包んでバッグに入れてもっていくことになった。

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