リーヤ口伝第四話
「はいよ、チャスジラライカの死体8つ」
「わ、こんな爪してるんすね。引っかかれたら痛そー」
「早めに済ましてくれると助かるんだが?」
「はいはい、わかったっすよ。
えーと?一体あたりの報酬が銀貨5枚だからー…?」
「銀貨40枚だ」
「相変わらず計算早いっすねー。じゃ、銀貨取ってくるんでその辺で腰掛けて待っててっすー」
この人は散々任務報酬の計
算をやってるだろうという
のにどうしてこうも計算が
遅いんだ...
少しして大きめのトレーに銀貨を乗せて奥から戻ってきた。
「こちら銀貨40っす…。」
流石に40枚の銀貨は重いようで引き攣った笑顔を浮かべている。
「あい、ドーモ」
淡々と袋に銀貨を詰めていく。確かに、ちょっと重いな。
「にしても最近、ドウクツオオアゴラライカの変異種が多いっすねー」
「ああ、確かにあの2週間前のあの調査から変異種が不自然なほどに増えているな」
「こんなぽんぽん変異種が出てくるなんて普通あり得ないっすよ〜何もなけりゃいいんですけどね...」
夜、俺を含む、ギルドから招集された5人が俺の顔馴染みである、戦士レイトルをリーダーとして暗い森の中を進んでいた。
目標の洞窟の前にまで来たとき、急に魔力が俺たちを包み込んだと思ったら、黒い毛の犬のような魔物が中から飛び出してきた。
なんだこいつ‥?毛は黒だけど…、たぎらせてる魔力のせいか、艶があるみてぇ……。
半分見惚れて、半分困惑していると、レイトルが、
「総員、臨戦態勢!」
その声にハッとし、すぐさま相手の情報を得ようと目を凝らす。
そいつもその声に反応するように気を逆立てて威嚇してきた。
膨大な魔力、発達した顎、太くしなやかで長い尻尾、見つけられない目。
続く膠着状態。それを破ったのはライトルの声だった。
「ルカ、一回弓頼んだ…。」
一度俺の弓で様子を見てみよう、と言う意味だろう。確かに、一度試してみないとわからないこともある。
背中に抱えた矢筒から出し番っていた矢を、そいつに向けて放つ。いつもより良い感触だったので当たりそうだとおもっていたが、いとも簡単にかわされてしまった。
こちらが攻撃をするや否やそいつは俺に向かって牙を見せて突っ込んでくる。
そこをライトルが仕留めようとしたがすんでのところでかわされた。
まじかよ。味方の俺でも気づかなかった攻撃だってのにあいつ避けんのかよ。
すぐにやつが森に紛れる。だが音は遠ざかりはしない。
「やつが襲ってきたら俺が掴んで逃げれなくさせるから一斉攻撃を仕掛けてくれ。一人で突っ込むよりはマ
シなはずだ。」
そんな役任せられるか、と言いたかったが信頼し任せたその覚悟を無下にする訳にもいかず渋々頷いた。
いつでも矢を放てるよう麻痺毒を塗った毒矢を構える。
で、運良くライトルのとこに向かってきてくれて結構すぐ倒せたんだよな。
洞窟の奥の方に魔結晶の跡もあったし、そっから魔力補給してたんだろうな。
そこから変異種が多く出始めてきて大変にはなったけど、あれの報告書出したらみんな昇級したし今となっちゃ感謝してる面もあるかな。
………眠い。早く帰って寝よう。




