EP35. 雨宿りとスペシメン
——観測と干渉は両立しない。
教科書の一行で片づけられる真理なのに、今日はずっと脚が勝手に干渉側へ傾いていた。
正門のベンチで、アスミは待っていた。
どこか、緊張の温度。
「標本採集」と言えば心は安全圏に居座れるのに、「デート」と呟いた瞬間に統計の外へ弾き出される。
そんな脆いバランスの午後一時。
今日くらいは、せめて誰か一人の手を離さない。
観測臨界を越えた先で、手触りのある世界を確かめたい。
——午後一時。
天城総合学園、正門前。
春の陽射しがアスファルトに溶け、街の空気を金色に染めていた。
待ち合わせ場所のベンチには——アスミがいた。
制服のネクタイを結び直す姿。
それが“気合い”だと気づくのに、時間はかからなかった。
「……ユウマ。遅刻、±0秒ね。さすが」
「観測誤差は許されないタイプだからな」
冗談めかして言うと、アスミがわずかに笑った。
けれどその笑顔の奥に、どこか緊張が残っている。
「……出発前に確認。ミサキから、まだ監視信号、届いてる?」
「……うん。GPS共有ON。心拍ログ自動送信。
“観測恋愛安全保障協定”だってさ」
「協定て……国家レベルの監視じゃん!!」
「彼女、そういうタイプだから……」
ふたり同時に溜め息を吐いた。
画面には、ミサキからの新着メッセージが並ぶ。
ミサキ:「出発確認。安全第一。ユウマ、脈拍安定してる?♡」
ミサキ:「あとアスミちゃん、変なフェロモン出さないでね♡」
ミサキ:「帰ってきたら“手首の色”チェックするから」
……怖い。
優しい言葉に刃が混じっている。
俺たちは、暗黙のうちにスマホを同時にポケットへしまった。
⸻
展示フロアにはクラシックが流れ、観客の足音が床に吸い込まれていく。
空調22℃、湿度55%。
だが僕の心拍は、それを超えていた。
隣を歩くアスミ。
彼女は、ただ立っているだけで絵画の一部みたいだった。
「ねえ、ユウマ。最初の展示、《印象・日の出》——モネのやつ。
あれ、知ってる?」
「もちろん。印象派の原点だろ」
彼女は絵の前で足を止め、指先を顎に添える。
説明パネルの文字より、光の粒を見つめるように。
「モネって、“朝の光”を描いたんじゃなくて、“目が覚める瞬間”を描いたの。
網膜に残る残像、温度、時間の濃度。
つまり、“観測者の内部”を絵にした最初の人」
声は静かで、でも芯がある。
周囲の観客がいなくなるほど、空間が彼女の説明で埋まっていく。
「——“記録”じゃなくて、“再生”。それが芸術の根本だと思う」
そう言って、こちらを見る。
瞳の中に、絵と僕が同時に映っていた。
「……なんか、アスミが話すと、絵より説得力あるな」
「褒めても何も出ない」
「いや、もう充分出てる。存在感とか」
「存在感を単位で語らないの」
「でも、もし僕がモネだったら、確実に君を描いてた」
「っ!? ——な、何言って……!」
耳まで一瞬で赤くなる。
「そ、そういうの、展示室で言わないのっ! 音響反射率、高いんだから!」
「つまり残響するってこと?」
「だからその理系変換やめてぇぇぇっ!」
周囲の空気が一瞬ゆるみ、アスミは慌てて咳払い。
「と、とにかく! 次の作品に行こ!」
⸻
次の部屋。
《記憶の固執》――サルバドール・ダリ。
溶けた時計が砂漠の上で時間を捨てていた。
「ダリは“時間”を嫌った人。
観測って、時間を固定するでしょ? でもダリは、流れる時間そのものを形にした。
……ちょっと、ユウマに似てるかも」
「俺が? 時間を溶かしてるタイプ?」
「ううん、“固定しない観測者”」
その言葉の響きが、どこか優しかった。
「でも……溶ける時間って、怖くない?」
「怖いけど、美しい。……だって、“ずっと一緒にいられる”って錯覚をくれるから」
言ってから気づいたらしく、アスミの肩がピクリと跳ねた。
「い、今のは違う意味でっ」
「うん、違う意味ね」
「確認するなぁぁぁぁ!!」
僕は笑いをこらえきれず、彼女の横顔を盗み見た。
頬が、ダリの夕焼けみたいに紅い。
⸻
三つ目の展示室。
鏡を使った現代アート。
巨大な円形の鏡面が壁一面に設置され、観客自身が作品に映り込む仕組み。
アスミが立ち止まる。
彼女のシルエットが幾重にも反射して、空間が彼女で満たされた。
「……これ、すごいね」
「“観測者が観測される”作品。タイトル《誰が見ている?》」
僕は、どことなくりうの存在を思い浮かべてしまった。
僕は彼女の隣に立つ。
鏡の中、二人分の姿。
距離20センチ。反射の中では、たった5。
「……なんか、近いね」
「鏡の歪み。焦点距離が短い」
「理屈で逃げるな」
「な、逃げてない!」
「ほら、目合わせてみ」
彼女がほんの少しだけ顔を上げた瞬間、視線が重なった。
鏡の中の僕らは、まるで手を伸ばせば触れ合いそうな距離にいた。
アスミが小さく息を飲む。
声を落とすように言った。
「……こうやって見ると、私、“観測される側”になるの苦手かも」
「なら、僕が代わりに観測する」
「それ、余計にダメ……」
彼女の肩が震え、笑いが混じる。
その横顔に、僕もつられて笑ってしまった。
⸻
展示を一巡し、カフェスペースへ。
白いテーブルに、ティーセットとチーズケーキ。
窓の外には、青空。……だったはずなのに。
パラリ。
ポツリ。
雨が落ち始めた。
気づけば雲は鉛色。外の音がどんどん強くなっていく。
「え、嘘でしょ……?」
アスミがスマホを開く。
「“豪雨警報・運転見合わせ”……」
「……テンプレだな」
「なにそれ……フラグ管理しなさいよっ!」
ガラス越しに雷光が走る。
カフェの客がざわつく。
その中で、僕らだけ取り残されたような静寂が落ちた。
「……どうする?」
「電車は止まってる。バスもたぶんダメ。タクシー呼んでも多分、渋滞」
「……つまり?」
「つまり……」
アスミの唇が小さく震えた。
僕の心臓が跳ねた。
雨音よりも早く、内部の鼓動が聞こえる気がする。
「……僕の部屋、近いけど」
「っ!! ……その言い方ぁぁ!!!」
「いや、言い方っていうか、事実で」
「事実が一番危険なのよ!!!」
テーブルの下、アスミの足先が小さく震えている。
でも、それは恐怖じゃなくて、たぶん期待と緊張の混ざった震えだ。彼女の頬はほんの少し笑っていた。
⸻
外に出る。
傘は一つ。黒。
自然と、二人で肩を寄せる形になる。
夜の街は、街灯の光が雨粒を反射して、無数の白い線を描いていた。
アスミの髪が肩に触れ、シャンプーの香りが微かに混ざる。
「……この距離、近すぎない?」
「傘の半径、有限だから」
「物理で誤魔化さないの」
「観測的には、これが最適解」
「観測じゃなくて恋愛って言いなさいよ……バカ」
小さく呟いた最後の一言は、雨音にかき消された。
僕の脳は急速に計算を始める。
(※ユウマ・脳内演算:確率的に誤解を生む単語を避け、ここは慎重な発言を要す)
「いや、まあ……その……僕の家、近いけど……電車も運転してないんなら……泊まってく?」
「っ!? ま、待って、今のこの流れはつまり“泊めてくれる”っていう前提の発話……?」
「いや、違う違う、別にやましい意味は——」
「い、意味は!? え、やましくないって強調した時点で逆に怪しいでしょ!?!」
アスミの声が跳ねる。
冷静な彼女が、今は完全に混線していた。
「そ、そもそも! 女子を一人で帰らせないっていう倫理的判断は正しいけど! でも! でもでもっ!」
「落ち着けアスミ主任」
「主任は関係ない!!」
彼女は両手で頬を押さえた。
「……心拍、ヤバい……」
「計測する?」
「しない!!!」
そこに落雷と更に強まる雨……。
「……これ、もう完全に帰れないな」
「うううう……観測史上最大の困惑中……!」
⸻
僕の部屋。
1LDK。本棚とモニターと研究資料と、観測機材の数々。
アスミは玄関で立ち尽くしていた。
部屋に着いたころには、二人ともびしょ濡れだった。
アスミのスカートの裾から雫が落ちて、床に小さな水紋を作る。
「……え、まじで入るの……?」
「他にどこ泊まるの?制服もずぶ濡れだしさ」
「……データの整理が終わるまでってことで」
「そういうことにしとこう」
「その……お邪魔します……」
アスミは靴を脱ぎ、部屋に入った瞬間——
「うわ、ひどい!ひどすぎる!……これは、理系男子の巣……!」
彼女の第一声。
「コンセントが“観測点”って書かれてるし、冷蔵庫に“試料”ってラベル貼ってあるし!」
「分類は大事」
「このラベル管理、私のラボより厳密……!」
呆れ半分、笑い半分。
でも、その笑いに救われる。
⸻
「とりあえず、シャワー使っていいよ」
「……っ!? し、シャワーって……! なに、いきなり言ってんのよ!」
「いや、普通に……服も濡れてるし」
「服が濡れてるのは確かにそうだけど……でもその提案は乙女の心拍を破壊するからね!?」
「乙女」
「言うな!!」
言葉とは裏腹に、アスミの頬は真っ赤だった。
結局、タオルを渡して僕は別室に引っ込んだ。
⸻
シャワー音。
水が流れるリズムに、妙な静けさが混ざる。
彼女はフラッシュバックに弱い。——水の音は、トリガーにもなる。
心配でノックしようとしたその瞬間。
「ユウマ!? シャンプーの種類が多すぎるんだけど!? “思考再起動用”って何!?」
「香りで気分を変えるやつ!」
「どんな理屈だそれ!!!」
「“再起動用”と“幸福感ブースト”って、分類が理系の狂気なんだけど……。あと、覗かないで!」
「あっ……ごめん!」
笑い声が混じる。安堵する。
⸻
湯気の音、カップの湯、雨のリズム。
外の嵐とは裏腹に、室内は静かだった。しかし……。
「……ゆ、ユウマっ」
声がして、振り向いた。
そこには、僕のTシャツを着たアスミがいた。
肩が少し余って、裾が太ももまで届いている。
髪は濡れたままタオルで押さえられ、頬が火照って赤い。
「……なんか、ごめん。服、これしか乾いてなくて」
「うん……」
声が出ない。脳がフリーズする。
「こ、これ、サイズが……大きいから……肩ずり落ちるのよ!これは衣服の設計上の誤差であって、別に……っ!」
「うん、誤差……誤差すごい可愛い」
「言葉の使い方間違ってる!!」
アスミは慌てて袖を引き上げ、裾を押さえ、頬をさらに赤くする。
「ま、間違っても見ないでよ!? ほら、視線の干渉は禁止!」
「でも僕、観測者だから」
「今だけ観測者権限剥奪っ!!!」
手に持ったタオルを僕の顔に投げつけてきた。
ふわっと石鹸の匂いがする。
柑橘とシャンプーの中間みたいな香り。
「……っ」
その匂いが、部屋の空気を一瞬で塗り替えた。
アスミはタオルを拾い上げて、そっぽを向く。
「……ほら、乾かして」
「え?」
「髪。……ドライヤー、片手じゃやりにくいから」
言いながらも、声が少し震えている。
僕は黙って頷き、ドライヤーを手に取った。
アスミはソファに座って、背を向ける。
黒髪が、濡れた羽根みたいに肩に張りついている。
「……温度、熱くない?」
「平気。……ていうか、心臓の方が熱い」
「なに?」
「何でもないっ!!!」
髪を乾かす風の音だけが部屋に流れる。
そのあいだ、彼女は小さく身をすくめながら、でも逃げようとはしなかった。
乾ききった髪がふわりと揺れたとき、アスミが振り返る。
目が合う。近い。
「……ありがとう」
「どういたしまして」
「観測者、戻していい」
「再承認、了解」
言葉のテンポが元に戻る。
でも、空気はもう“普通”じゃなかった。
⸻
しばらくして、アスミが毛布を肩に掛けながら言った。
「ユウマ、これ……借りていい?」
「いいよ。似合ってるし」
「っ……そういうの、簡単に言うなぁぁぁ!」
毛布で顔まで隠しながら、彼女はソファに沈んだ。
夜。
リビングに二人。
僕は床に寝袋、アスミはソファに毛布。
距離、1.4メートル。統計的に危険域。
「……眠れない」
「やっぱり、緊張?」
「違う。……ユウマの心拍が近くて、変な意味じゃなくて落ち着かない」
「変な意味じゃない、ね」
「言葉尻拾うな!!」
照れながら毛布を被るアスミ。
天井の照明がゆっくり暗転していく。
「……あのね」
彼女の声が、毛布越しに落ちてくる。
「今日、楽しかった」
「僕も」
少し間を置いて、アスミが小さく言った。
「ねえ……また、行こう?」
返事をする代わりに、僕は手を伸ばして、そっと彼女の手の上に自分の手を重ねた。
彼女は一瞬だけ息を呑み、でも引かない。
「観測と干渉、両立実験」
「今日は成功」
毛布の中で、笑い合う。
それだけで、夜がやわらかく光を持った。
——これが、僕たちの“泊まり実験”の初回ログだ。
有意差は、たぶん∞。
——朝の光が、まるで何かの観測データみたいにゆっくりとカーテンの隙間を這っていた。
オレンジと白のグラデーション。
空気は静かで、時計の秒針の音が世界の唯一のリズムになっている。
目を開けると、視界の先に――アスミがいた。
ソファの上。
毛布にくるまって、寝息がリズムを刻む。
いつものクールな研究者の顔はどこにもなくて、ただ“女の子”だった。
頬に落ちた前髪。唇のわずかな動き。
僕の心拍数は、計測したくないレベルで跳ね上がる。
「……すごい。RT60(残響時間)より心拍回復時間の方が長い……」
ぼそっと独り言が漏れた瞬間、アスミが小さく眉を動かした。
「ん……ユウマ……主任……」
寝言だった。
寝言で肩書きを混ぜるな。夢の中でもラボか。
——が、次の瞬間。
「……主任の許可なく……寝袋で……距離1.4mは……倫理違反……」
寝言のくせに妙にリアルなクレームだ。
僕は思わず苦笑して、静かに立ち上がった。
台所で湯を沸かし、プリンの残りと角砂糖をテーブルに並べる。
⸻
お湯の音。
目覚めたアスミが、ぼんやりしたまま毛布の中から顔を出した。
「……ここ、どこ……って、あっ、ユウマの部屋……っ!」
一瞬で覚醒。
そして赤面フルスロットル。
「ま、待って待って!! なんで私ソファ!? なんでユウマエプロン!? なにこの朝食!?!?」
「いや普通に朝ごはんだけど」
「普通にって何!? これどう見ても“同棲の朝”の絵面でしょ!!」
「観測上はただの実験延長です」
「延長でこの甘さ!?!?」
混乱の極みのアスミ。
髪が少し乱れていて、それがまた危険なほど可愛い。
本人はまったく自覚していないらしいが。
「落ち着け。ほら、コーヒー。糖分足りてないだろ」
「糖分とか問題じゃなくて……って、あ、いい香り……」
一口飲んだ瞬間、肩から力が抜けていった。
やっぱり現象学的に“カフェインは心の安定剤”らしい。
「……ありがと」
小さく呟いて、マグを両手で包む。
カップの縁越しに見える目は、いつもの研究者の冷たさじゃなくて、やわらかかった。
「……昨日のこと、夢みたいだね」
「夢でもデータは残る」
「そういうとこが好き、って言ったら統計に入る?」
「……どんな統計?」
危険な言葉を軽く笑って流す。
でも胸のどこかで、データでは処理できない“なにか”が確かに動いた。
⸻
「……あのね」
アスミが、マグを置いてこちらを見た。
視線の温度がいつもより高い。
「昨日、“泊まる”って決めたとき、ちょっと自分を試した」
「試す?」
「うん。私がどれだけ“ユウマといたい”のか、ちゃんと自分で確認したかった」
心臓が跳ねる。
アスミは照れ隠しのように続けた。
「で、結果。観測値が予想の三倍。誤差じゃ説明できない。……つまり」
「つまり?」
「その……好き、なんだと思う」
言った瞬間、両手で顔を覆った。
その耳まで真っ赤になっていくのが見える。
僕は、笑うしかなかった。
でも、ちゃんと答えた。
「僕も。観測者としてじゃなくて、人として、アスミが好きだ」
「——っ!!」
アスミは毛布の中に潜り込んだ。
完全に消えた。
小さな声だけが毛布越しに聞こえる。
「観測中止……データ過多……心拍、上限突破……」
しばらくして、毛布の端から黒髪だけがのぞいた。
「……顔、見たら、死ぬ」
「死なない。むしろ生きる」
「うるさいっ!」
⸻
少し時間が経って、ようやく毛布の中から出てきたアスミは、まだ顔が赤いまま、頬を膨らませて言った。
「……ねえ、今日さ、午後からまた“標本採集”しない?」
「デートの続き?」
「ち、違うっ! “相関実験第二回”!」
「はいはい」
「笑うなぁぁぁ!!」
結局、アスミはプリンをもうひとつ食べ、靴を履きながら小声で言った。
「……昨晩の泊まり、観測史上、最高値」
「何の単位?」
「教えない」
ドアの向こう、朝の光が白く広がっていた。
アスミの背中が小さく手を振り、角を曲がって消える。
僕は、テーブルの上のマグを見つめる。
唇の跡がほんの少しだけ残っていた。
次の観測は、きっと、過酷になる。
この世界のどの実験よりも。
朝の光は、どの展示よりも正直だった。
毛布の山からのぞく黒髪、寝言の「主任」、そしてマグの縁の淡い跡。
あの小さな記号たちは、統計処理できないのに、僕の現実を確定させる。
「夢でもデータは残る」と言ったのは僕だ。
けれど今日残ったのは、波形じゃなくて、体温と笑いの間だった。
アスミの「好き」は、残滓じゃない。これから増殖していく“前処理”だ。
そして、ミサキの「壊れそう」は、僕の曖昧さが作った系統誤差だ。
選ぶことは、裏切ることに似ている。
でも、選ばないことは、もっと静かに誰かを傷つける。
僕はようやく、自分の“記録”に“方向”を与える必要があると認めた。
次のNOXでの観測は、もっとも過酷で、同時に、もっとも痛くなる。
それでも——黒い傘の下で学んだ通り、有限の半径のなかで守れるものは、思っていたより多い。




