EP22.『矢那瀬アスミ W1観測記録 Ⅱ』
私はこの世界で、ごく普通に存在しているはずだった。
ある日、教室の窓から見た光がきっかけだった。
放課後の影村学園、白い蛍光灯が一瞬だけ“血の色”に変わった気がして、
その瞬間、頭の奥で何かが爆ぜた。
音でも、映像でもない。記憶そのものが、破裂した感じ。
気づいたら、私は床に手をついてて、吐き気と涙が止まらなかった。
何かを思い出した——でも、それは“私の人生”じゃなかった。
もうひとつの世界の記録。
体育館、識別バンド、酸素の匂い。
どこまでが現実で、どこからが過去かわからない。
けど、確かに私がそこに“いた”という感覚だけは、本物だった。
そのあと、私は転校した。
天城総合学園。
理由は、「家庭の都合」ってことになってる。
でも本当は、あの場所にいると世界の端が滲む。
教室の壁が波打って、黒板のチョーク音が逆再生みたいに聞こえる。
だから逃げた。逃げるしかなかった。
——けれど、逃げても記憶は追ってくる。
転校先で、ユウマ、あなたに会った。
あなたは「NOX」って名乗る小さな研究グループを立ち上げていて、
**“残響試験”**っていう、記憶共鳴の実験をやっていた。
あなたは言ってた。「夢を見るんだ。知らない校舎で、誰かが死ぬ夢」って。
私は笑えなかった。
だってその夢、私の記憶と同じだったから。
その日の残響試験で、脳波モニタが狂った。
波形が二重化して、私の記録ファイルが「W1」として認識された。
同時に——痛みが戻った。
あの時、リストバンドを巻かれた手の骨が、今でも“振動”しているような痛み。
そして見えた。血の匂い、崩落、チイロの髪、ユウマの叫び。
全部が、時間の裂け目から流れ込んできた。
……この記録は、その時に再生した最初の映像。
——識別。
1200人の中で、まだ笑っていた“私たち”がいた頃の。
世界がどんなに整って見えても、一度壊れた数式は、どこかでまた歪む。
ユウマの残響理論が真実なら、この記録も、もう一度どこかで起きる。
だから私は書く。
これは夢じゃない。これは記憶の再接続。
見てほしい。私が見た地獄を。
それが、次に起こる“歪み”を止める唯一の方法だから。
識別の視点
影村学園と天城総合学園との合同学園祭……。
最初の違和感は、匂いだった。体育館の出入口にだけ漂う、薄いオゾンとプラスチックの焼けた匂い。
装飾のバルーンじゃない、回路の匂いだ。列が蛇のように折り返し、順番が来ると係員が笑顔で手首を取る。
「導線最適化用のリストバンドです。安全のためにお願いしますね」
PVCのベルトは体温で柔らかくなり、内側の銀塩化銀電極が皮膚を吸った。
LEDが二色、**530nm(緑)と940nm(赤外)で交互に点滅する。PPG(容積脈波)用。
縁には米粒ほどのNTCサーミスタ、そして文字通り汗を読む皮膚電気反応(SCL)**の微小アンプ。
指先で軽く叩くと、24ビットA/Dの読み取りに合わせてごく微かに振動する。
おもちゃじゃない。採血のいらない心理検査機だ。
私は笑えなかった。「導線最適化」の語尾が、PAに0.2秒の遅延で重なる。
録音+自動補完。生徒会の声色を模した機械音。歓迎ではなく、案内でもなく、仕分けの声。
私の前の子が、配られた小冊子を落とした。反射的に拾って渡す。
その瞬間、バンドがコッと一度だけ骨に響くほど震え、緑LEDが琥珀色に変わった。
頭上の案内板に、さっきまでなかった細い矢印が一本、Bレーンの方角に伸びる。
——優しさに罰金。直感で分かった。
係員の笑顔は完璧で、完璧なものほど温度がなかった。「ご協力ありがとうございます。優先導線はこちらです」
優先? どちらの意味で。私は列を歩きながら、自分の心拍を数える。
70、76、81……増えるほど、RMSSDは下がる。SCLは汗孔の開きで上がる。
二つの指標を規格化して、E指数=α·SCL_z+β·(1/RMSSD_z)+γ·PPG変動。
たぶんそんな単純で残酷な数式が、今この瞬間も私を分類している。
上のスクリーンに出る行先色は三つ。青=低E(利己)、黄=中間、赤=高E(共感)。
赤の矢印は細い。青は太い。太い方が安全だと、誰も言わないけど知っている。
Bレーンの入口はゲートになっていた。回転ドアのように見せて、実際は体重計+ゲート幅可変のハイブリッド。
床のロードセルで密度を測り、ゲート幅を動的に狭める。群衆圧は最初から仕様に入っている。
そこへ、「すみません、気分悪くて」と制服の襟元を握る一年生。私は返事より早く肩に腕を回す。
リストバンドが二度目の小さな振動。頭上の赤い矢印が点滅に変わった。
——助けるほど、赤になる。
最初の脱落は、ほんの数十秒後だった。Bレーンのゲート幅が12%縮む。列が詰まる。
足元のラインテープの境目で、誰かの踵がズレる。人が人の上に傾く。悲鳴は上がらない。
音響が残響(RT60)を2.3秒まで引き延ばして、声を空気の皺に変える。
ぱんという乾いた音。ゲートの柱にこすった肘——赤が線になって床に落ちる。
私は顔を上げ、血の匂い(Fe²⁺)を嗅ぐ。血は嘘をつかない。係員の笑顔だけが嘘だ。
倒れたのは小柄な男の子で、私の胸の高さしかない。
私は彼の背中に手を入れ、「吸って、吐いて」と呼吸を刻む。
リストバンドが三度目の振動。スクリーンの私たちのブロックに赤エリアの表示。
血の最初の線に、清掃班が滑り込む。白いモップ、無臭の中和剤。緊急用AEDは持っていないのに、拭き取りは早い。
——“事故”の見た目を最小化するのが、ここでの安全。
レーン分岐の先で人の流路はネットワークになり、青は広い周回路、黄は選択のある枝、赤は狭い直線へ。
私は赤。一年生の肩は震え、私の手首は熱い。SCLが跳ねる。E指数はたぶん上限に近い。
頭上のPAが繰り返す。「安全のため、係員の指示に従ってください」
係員の数は、赤にだけ少ない。
赤レーンの途中に、感情誘発装置が仕込まれていた。
大型スクリーンに流れるのは、“困っている人を助けよう”という校内キャンペーンの映像。
拍手SE、暖色、笑顔。誘導の教材で、誘導の証拠。E指数をさらに引き上げるための善意の餌。
一年生の涙がこぼれて、私の指先に落ちる。私は彼女の手を握り、握り返す力を計測するようにゆっくり増やす。
“助ける手続き”を守る。手続きは信号になって、天井のアンテナからボーンネットに吸い込まれる。
識別は終わらない。終わり続ける。歩くたび、優しさが点数になる。点数が重みになり、重みが行先になる。行先が死になる。
分岐の出口にトラフがあった。床が緩く凹む塩ビの水受け。何を受けるのか、聞かないでも分かる。
さっきの赤が線ではなく滴になって流れていた。
清掃班の靴は防滑。私たちの靴は学校指定。滑る。転ぶ。転んだ人を起こす。また赤。
最初の**“死亡”という文字は、スクリーンには出ない。運営の端末の裏側でフラグになるだけ。
でも、匂いは出る。人の匂い**。鉄と汗と恐怖の混ざった、逃げ道のない現実。
人の仕分けは、数学だった。フローネットワークの最小カットが、最初から赤レーンに重みを置いている。
w_i = w_0 + λ·E_i
E_iが高いほど、w_i(危険重み)が増える。
増えるほど、狭い方へ送られる。狭いはそのまま危険。危険はそのまま脱落。
——優しさ→重み→狭路→圧→赤→脱落。
たった一行で人を壊す式。
Bレーンを抜けた先で、私は振り返った。列の一番後ろに、子どもを背負った母親がいた。
学園祭に来た近隣の家族。許可は出ていた。安全と広報のため。
母親のバンドは最初から赤。背負うという事実が、E指数そのものだから。
ゲートが閉まる。半拍遅れて開く。幅はさらに狭い。肩が挟まる。泣き声が、空調音に削られる。
係員は近づかない。近づけばEが上がる。係員も人なんだ。
私は一年生を引いた。早く、でも走らない。走ると群衆が波になる。
波は崩れになる。崩れは死になる。生きるための歩き方を、ここで学ぶ羽目になった。
通り過ぎるとき、床の赤が指先に触れた気がした。気のせいじゃない。血は体温で広がる。
私の体温も、広がる。SCLが上がる。E指数がさらに上がる。私の行先は、さらに赤になる。
——助けるほど、次の罠が深くなる。
体育館の大扉が閉まる音を背中で聞いた。閂の金属がはまる音。外はもう戻れない。
識別は完了し、レーンは確定した。
PAが告げる。「本プログラムは実験です。公平性と安全は記録されます」
記録されるのは彼らの安全で、私たちの安全じゃない。
ここまでが入口の話、まだゲームは始まっていない——はずだった。
けれど、最初の血はすでに床に線を引き、最初の息はいくつか途切れていた。
私は理解した。これは導線最適化じゃない。情動最適化だ。
優しさを集めて、一番壊れやすい路に通す。数百人が死んだという結末は、この瞬間に始まっていた。
私は一年生の手を握り直し、口の中でひとつだけ言葉を転がす。
——「見てる」。
見続ける。記録する。そして、どこかでこの式を壊す。
優しさに罰金をかけた設計者に、利子ごと返してやるために。
体育館に入った瞬間、空気の音が変わった。バスケットのリングも横断幕もあるのに、音だけが“体育館じゃない”。
天井トラスの間に吸音カーテンが半分だけ吊られ、壁際には拡散体が斑に立ててある。
残響(RT60)は2.1秒から2.7秒へ、目に見えない指で引き延ばされたみたいに伸びて、言葉が“届く前にほどける”ように加工されていた。
中央に据えられたLEDパネルが出す最初の謎——
『非常灯の色はいくつ?』
簡単に思える問いは、簡単に壊れる世界の口火だった。
見上げる非常灯は同じ緑に見える。
だけど、天井の梁から吊るされた非常灯には偏光ルーバーが仕込まれていて、視線角が15°変わるだけで、緑(530nm)が青緑に分離する。さらに、系統A/Bの電源相が微妙にずらされているから、フリッカの打ち消しで“白っぽく見える”点が生まれる。
——立ち位置によって3色にも4色にも2色にも見える。
PA(合成音声)が急ぐように優しく言う。
「——正しいと思う数のパネルの下へ移動してください。安全のため、係員の指示に従ってください」
“安全”という語が、0.2秒の遅延で二重に重なる。安全が嘘の重さで沈んだ。
私の左で、トウモロコシ頭の男子が叫ぶ。「三色! 角度で変わる!」
右では、真面目そうな先輩が眉間に皺を寄せて言う。「二色。白は錯視」
正しさが、正しさにぶつかった。
そして人が割れた。
フロアが磁石みたいに人を引いた。“二色”の島へ、“三色”の島へ、“四色”の島へ。
上から見ると色の島が潮目で裂けていく。私は三色に歩いた。理由はない。歩幅が勝手にそこを選んだ。
一年生の子の手を握っていたから。彼女の視線角で見える灯りは、たしかに三色だった。
彼女の世界を裏切りたくなかった。
その間にも、天井からピンクノイズが**-“サァ”と降り続け、言葉の先頭子音が洗い流される**。
STI(音声伝達指標)は0.42に落ち込んで、「待って!」は空気の皺になった。
前列から躓く音、床材のビニルの擦過音。
私は反射的に腕を伸ばし、肩を支える。バンドが小さく震えて、赤が点滅に変わった。
——助けるほど**“赤”になる。入口で学んだ式が、ここでも動く**。
パネルが一斉に切り替わる。
『正解:三色』の上に花びらのアニメーション、拍手SE。同時に、他の島にはため息SEと矢印。
“二色”と“四色”の島は左右の扉へ誘導され、“三色”の島は正面の細い通路へ。
正しさが**通路の“細さ”**に変換される。選ばれた私たちへ、選ばれた罰。
通路幅は1.05m。片側は仮設パーテーション、片側は可動観覧席。床のワックスはわざと乾かし切っていない。
湿度は62%、靴裏がしっとりと吸い付く。吸い付くは止まるで、止まるは押されるで、押されるは圧になる。
前の子が転ぶ。起こす。また転ぶ。起こす手は善意で、善意は赤で、赤は狭さで。世界が算数で壊れる。
最初の脱落が出たのは、そのすぐ先のケーブルカバーだった。段差30mm。暗い。
人の脚は二足歩行の反射で5cm未満の段差に極端に弱い。
膝がガクンとなり、後ろから**“押し”が乗る。圧縮。圧呼吸。肺が先に諦めるタイプの事故。
倒れた女の子の顔色が、ほんの数秒で色温度を変えた。合図はある。
眼角の白が青に寄る**。口元が薄く開く。私は首の横へ手を入れ、横向きにする。
気道確保。倒せば助かる——のは事故で、ここは設計だ。後ろから**“波”が来る。波は人で、人は気道を塞ぐ**。
拍手SEは止まらない。正解のご褒美。ご褒美で歩かせ、歩かせて、狭くする。
スクリーンの右上に小さく**『安全指数:良好』**。測っているのは彼らの安全。私たちじゃない。
左右の**“不正解”の扉へ行った子たちは、広い回廊に出た。係員も多い**。床は乾いている。
“正解”の通路には係員が来ない。来ればE指数が上がってしまう。係員も人だ。自分の“青”を守る。
二発目の事故は、“正解通路”の終端で起きた。誘導レーザーが右を指す。
突き当たりを右。右を選ぶたびに人の列が渦になる。
ドアは二枚連続。二枚目の開放が0.7秒遅れる。その差が首と胸を挟む。
痛い。私じゃない。前の子だ。込め直す力がない。私は手を伸ばす。
バンドが震える。赤が強くなる。強くなる赤に、天井のアンテナが応える。応えは——通路幅をさらに絞るという返事。
「お願い、止めて」と誰かが言う。止まらない。止まらないは設計。通路圧が400N/mを越えると自分の胸が自分の骨みたいに硬くなって、呼吸が**“作業”になる。作業の途中で視界が白く跳んだ。白は照明じゃない。酸素だ。私ではない誰かが、座り込んで、起き上がれない。座位呼吸は最後の合図**。
清掃班が来る。白いモップ。淡い消毒臭。AEDはやっぱり来ない。記録員がペンを走らせる。
彼らの紙は乾いているのに、床は湿っている。床の湿りが息を奪う。軽く滑るから支え合う。
支え合うから赤。赤から狭路。狭路から脱落。
——数学の鎖で心臓を締める方法。
別動線の**“不正解回廊”からも絶叫、悲鳴が流れてくる。だけど形を持たない。
RT60=2.7秒が子音を奪うから。「助けて」が「…けて」になる。「待って」が「…て」になる。
言葉は輪郭を失い、どこから来たか分からない**。分からないは怖いで、怖いは押す。押すは圧。圧はまた誰かを座らせる。
上のスクリーンが、唐突に問題を更新した。
『正解:二色 でした』
数分前の発表を覆す。“三色”派は間違いにされ、“二色”派は正義に昇格する。
正しさは固体じゃない。液体だ。容器(設計)に合わせて形を変える。私たちはその中身で、こぼれる。
人数表示が小さく瞬く。「現在参加者:1,084」——さっきは1,120だった。差は表示されない。
床が教える。数十の靴音が減った現実。
一年生の手が震えて、爪が私の掌に食い込む。痛いのに嬉しかった。生きてる証拠だから。私は指をほどいて握り替える。
四指→三指→二指。握る力を意識的に調整しないと、彼女の手を壊す。壊すは設計者の仕事で、私の仕事じゃない。
出口が見えた。見えるのに遠い。視界の端でミサキの白衣が翻った気がして、レイカの声がノイズにまぎれた気がする。
トウタのスマホのランプが水面みたいに揺れて、ミナトの式が空中に薄く走る——全部錯覚でも、そうじゃなくても、今は進むしかない。
出口ゲートの上に、字幕が出る。
『分散移動のご協力、ありがとうございます』
分散という名の分断。協力という名の孤立。礼儀という名の地獄。
体育館を抜ける直前、私は天井を見た。非常灯は三色。いや、二色。四色にも見える。
何色でも、ここでは正しい。正しいがルートを決め、ルートが圧を生み、圧が命を削る。
——人の“正義感”を利用して、人を孤立させる。
この場所だけで、数十人が**“統計上の欠損”に変わった。名前は出ない**。匂いだけが残る。鉄とプラスチックと汗とノイズ。
私は息を吐き、一年生の背中を軽く叩く。
「ここで離れないで。次が来るから」
次は中庭だ。ガラスドーム。カウントダウン。“終了”という別名の封鎖解除。
分断は終わりじゃない。始まりだ。
そして、大量死は偶然じゃない。手順だ。
あの期末試験が終わって、教室の照明が点いた。
みんなは笑ってた。
「やっぱり機械がバグったんだよ」「ユウマ、やりすぎ〜」
そんな軽い声が響く。
でも、私だけ笑えなかった。
世界の方がバグってるって、分かってしまったから。
ユウマとこの世界で初めて行った残響試験の時、ユウマはモニタを見つめたまま、少しの間、言葉を失ってた。
たぶん、彼も気づいたんだと思う。
あの波形が“偶然のノイズ”じゃなくて、“記録の再生”だって。
「アスミ、これ……君の?」
そう聞かれた時、私は答えられなかった。
だって“君の”じゃない。“私の”でもない。
——世界の方が覚えていたんだ。
放課後、誰もいない実験室で、一人だけ残った。
スクリーンにはまだ、識別の冒頭シーンが映ってた。
リストバンド、赤いランプ、PAの音声。
そのどれもが、私の皮膚の内側でまだ鳴っている。
ミサキは、相変わらず医療部で誰かの包帯を巻いている。
トウタは、軽口を叩きながらみんなの緊張をほどく。
ミナトは、黙ってタブレットを叩いている。
レイカは、発表会の脚本を直してる。
チイロは、桜の下で笑ってる。
——その全部が“続き”なんだ。あの地獄の。
私だけが、知っている。
“W1”は終わってない。
死んだわけでも、忘れられたわけでもない。
ただ、“隣の時間”に移動しただけ。
だからこの記録を残す。
次に歪む瞬間、誰かが読めるように。
ユウマの残響理論が正しいなら、これは警告信号になる。
いつか全員が思い出す時まで、私は観測を続ける。
観測が痛みでもいい。
——観測は、生きている証拠だから。
次の記録は、封鎖と選別が始まる前の、最後の“空”。
もう一度、あの光の中で、確かめる。
この世界が、本当に生まれ変わったのかどうかを。




