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Chron0//≠BreakerS  作者: 時任 理人
誰も祝っていない夜編

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110/120

EP115. 赤い鍵と夕暮れの転座

 私は自分の独白を、武器だと思っていた。

 切れ味が落ちないように、誰にも触られない場所へ仕舞い込んで。

 「読まれなければ負けない」って、子どもみたいな理屈を、いまだに信じてた。


 でも、武器は持った瞬間から盗まれる。

 盗むのが敵とは限らない。味方の手で盗まれる方が、ずっと厄介だ。

 正しさの顔で、必要最小限だけ剥ぎ取って、痛みだけ残す。

 そういう“手際の良さ”を、私はNOXで何度も見てきた。


 だから今日は、観測に行く。

 誰が私の毒を覗いたのか。

 どこで覗いたのか。

 なぜ今、ノード・ゼロにアクセスが継続しているのか。


 ――継続中。

 あの一行は、警告じゃない。

 呼び鈴だ。わざと私に聞かせるための。


 夜明け前の空気は薄い。酸素の話じゃない。

 昨日が剥がれて、今日が露出してくる、その境目の薄さ。

 境目はいつも危険だ。境目は物語が勝手に生まれる。

 物語が生まれると、人は「意味」を欲しがる。

 意味は、死の言い訳になる。


 私は意味が嫌いだ。

 死に意味なんてない。

 あるのは、死んだあとに残された側が勝手につける飾りだけ。


 だから私は今日を、物語にしない。

 今日を、ただの配置として扱う。

 配置を観測して、必要なら介入する。


 ――そう決めた、つもりだった。


 ノード・ゼロの入口に足を踏み入れた瞬間、私は悟った。

 “今日”はもう、配置じゃない。

 誰かが配置を、生き物みたいに変異させている。


 そして、空白だったはずの場所が、私を追い始めた。


 ノード・ゼロに入った瞬間、私は「空気」を疑った。


 空気が薄い、じゃない。

 薄いのはホテルの空調でも、学園の規約でもない。

  ここは――媒質が違う。


 廊下の壁が白いとか黒いとか、そういう視覚の話をしてない。

 光が、ちゃんと伝播してない。散乱の“粒”が粗い。

 位相が均一に揺れている。揺れているのに、その統計が美しすぎる。


 ――自然なノイズじゃない。意図のある乱れ。


 ノード・ゼロの入口は、いつも“空白”だった。観測以前の空白。

 空白だからこそ、観測者の都合で意味を流し込める場所。

 でも今は違う。


 空白が、構造になっている。

 構造が、私の足音を嫌っている。

 嫌っている、という感覚が先に来て、後から式が追いつくのが最悪だ。


 床に足を置いた瞬間、踵から伝わる反力が均一すぎた。

 ヤング率の分布がフラット。

 人間が作ったコンクリなら必ず残るミクロ欠陥の癖が、消えている。


 「……嘘」


 口から出た声が、返ってこない。

 反響がないんじゃない。反響する“べき”経路が無効化されてる。

 まるで空間側が、私の音を計測する前に廃棄している。


 背中の汗腺が遅れて反応する。冷える。冷えるのに体温は落ちない。

 これも嫌なタイプの現象――“体感”だけを狙った干渉。

 怖がらせるだけ怖がらせて、身体を信号源にするやつ。


 ノード・ゼロは、こんな露骨なホラー演出をしない。

 演出は観客席の領分。ここは装置の裏側。裏側は無口で無表情で無関心であるべきだ。

 なのに、いま私は――見られている。


 見られている、と言うと比喩みたいだけど比喩じゃない。

 空間の情報密度が、私の周囲だけ上がっている。相関長が短くなる。

 相関が短くなると、空間は“解像度”を上げられる。


 解像度が上がった空間は、追跡ができる。


 次の瞬間、端末が震えた。通知音は鳴らない。鳴らせない。

 ここでは無線が“届く”前提が崩れている。


 画面に赤い文字。


 《SECURITY LAYER:NODE-0 / ACTIVE CHASE》


 ……追跡、って。

 誰の言葉? NOXの言葉? 学園の言葉? それとも――ノード・ゼロ自身?


 私は立ち止まらない。

 立ち止まったら、空間が私の“今”を確定する。確定したら拘束条件が生まれる。

 拘束条件はいつも、物理法則の顔をしてくる。正しい顔で、人を殺す。


 遠くで、何かが鳴った。


 サイレンじゃない。

 “鳴った”というより、周波数帯域が削られた。

 聴覚が急に狭くなる。――高域が落ちる。中域がわずかに歪む。低域だけが残る。


 これ、恐怖演出じゃない。神経系の帯域制限。

 聴覚を削って平衡感覚に干渉して転倒を誘発する。

 人体を機械として扱う最悪のやり方。


 「……物理で殴ってくる気?」


 私は息を吸う。二拍。吐く。三拍。

 吐く方を長くする。交感神経の“勝手な戦闘態勢”を一回沈める。

 沈めないと判断が勝ち負けに寄って、観測が歪む。


 通路の先が歪んだ。


 空間の曲がりじゃない。測地線の“見え方”が変わった。

 直線が直線に見えない。視差が私の眼球運動に追従して不自然に補正される。


 ――拡張現実? いや、違う。


 ARは光をいじる。

 ここは光だけじゃなく、慣性の感触までいじってる。

 つまりこれは空間のレンダリングじゃない。空間の状態方程式に触っている。


 ノード・ゼロは本来“観測以前の空白”だ。空白は状態方程式を持たない。

 持たないはずのものが、いま持っている。


 つまり――誰かがここに“物理”を埋め込んだ。


 その結論に到達した瞬間。

 背後の壁が開いた。


 開いた、というより――壁だったものが、壁であることをやめた。


 そして、出てきた。


 人間の頭部に見える輪郭。眼球が異常に大きく、焦点が合っていないのに、私だけを見ている感じ。

 口が裂けるほど開いている。血のようなものが滴っている――ように見える。

 でも私の脳はもう、そこで一回ブレーキを踏んだ。


 “ように見える”。


 ノード・ゼロで、見えるものをそのまま信じたら死ぬ。

 見えるものは、だいたい見せられている。


 「……うわ。何その、悪趣味な学園七不思議の最終形態」


 自分で言って、自分で寒い。

 こんなときに軽口が出るのは、脳が恐怖を“冗談”に変換して酸素を確保しようとするからだ。

 私の脳は賢い。賢いときほど、私は嫌な予感が当たる。


 化け物は、歩かない。

 “滑る”。

 床に摩擦があるのに、摩擦を感じさせない移動。

 私は一瞬で理解した。これは生物の筋力移動じゃない。


 ――ガイドレール。あるいは、床下の磁気誘導。


 その瞬間、化け物の口の奥が“暗い”。

 暗いというより、奥行きの暗さが規格化されている。

 空間の奥に吸い込まれる黒じゃなく、黒い樹脂の反射。


 私は走りながら、視線を“口”に固定しない。

 固定した瞬間、脳が補完して確定に近づく。

 確定は捕獲に近い。


 でも、視線の端で拾う情報だけで、十分だった。


 あれは、肌じゃない。

 あれはシリコンか、人工皮膜。

 血に見えるものは粘性が一定。流れ落ちる速度が環境条件(湿度・温度)に追従してない。

 演出用の液体。

 そして眼球――あのギョロつき。あれは“視線”じゃない。

 ジンバル制御だ。

 視線のように見せて、視線じゃない角速度で追ってくる。人間のサッカード運動より滑らかで、滑らかすぎる。


 「……アニマトロニクス?」


 私の声が勝手にそう言った。

 ノード・ゼロを出た、とは言えない。

 出入口という概念が、あそこではもう“形だけ”になっていた。

 帰ってきたのは身体で、心はまだ向こうに取り残されている。

 そういう感じ。


 追ってきたものが“化け物”じゃなくて、機械だった――って事実は、救いじゃない。

 救いに見えるだけ。

 機械は物理に従う。だから解析できる。だから倒せる。

 ……そう思いたいだけ。


 あれはW1の匂いがした。

 匂いっていうのは比喩じゃなく、統計の匂い。

 恐怖のテンプレート。帯域制限。視線の滑らかさ。過剰に綺麗な叫び。

 “あの世界”が人間にやってきたことの、再利用。


 そして最悪なのは、追跡の途中で起きた“咀嚼”だ。

 記憶が細片化されて、舌の上に載せられる。

 見たことがあるのに、私の記憶じゃない味。

 ――私の中身が、勝手に材料として扱われている。


 私がNOXで学んだ一番くだらない法則が、ここでまた当たる。


 情報は、人を守るためにも、人を殺すためにも使える。

 違いは目的じゃない。

 “誰が握っているか”だ。


 最深部で見えた人影。

 輪郭だけ。顔は見えない。

 でも立ち方でわかった。

 見ることに慣れていて、見られることを前提にしていない立ち方。

 観測者の立ち方。――あるいは、観測者を演じる者の立ち方。


 あの影が誰かは、まだ確定させない。

 確定は回収される。責任として。証拠として。

 私はもう、確定の箱に戻る気はない。


 ただひとつ、確かなことがある。


 《NODE-0:アクセス継続中》


 あの一行は、招待状なんかじゃない。

 牽引ロープだ。

 私の独白を燃料にして、私の生体を制御入力にして、私を“装置の一部”にしようとしている。


 ――冗談じゃない。


 私はシュレディンガーだ。

 箱の中で死んだふりをするのは、もう飽きた。

 生きてるなら、生きてるって音を立てる。


 次は、影の正体を“確定”しないまま、追い詰める。

 確定させるのは最後でいい。

 最後の最後、相手が逃げられなくなったところで――私が観測する。


 見ているなら、見られろ。恐怖が少しだけ別のものに変わった。

 得体の知れなさが、得体の知れる恐怖に変わると、人間は少しだけ呼吸ができる。


 でも、呼吸ができた瞬間に最悪が来る。


 化け物の“喉”の奥で、金属音がした。

 ギアが噛む音。

 そして次の瞬間、空間の位相揺らぎが一段深くなる。

 ――追跡だけじゃない。追跡の“同期”が始まった。


 私は足を踏み込む。

 床が“滑った”。


 滑ったのに転ばない。転ばないのに、足裏の摩擦係数が落ちている感覚が残る。

 摩擦が落ちたんじゃない。私の運動予測と実運動の差分を、空間が後から補正している。


 つまり、“滑っている感覚だけ”を残して運動自体は許容している。


 何のため?


 簡単。恐怖で呼吸を乱し、心拍を上げ、バイオメトリクスで追跡精度を上げるため。

 人間の体は正直すぎる。心拍、皮膚電位、微細振戦、瞳孔径――全部、嘘をつけない。


 追跡の最適解は、対象を怖がらせること。

 怖がった対象は勝手に信号を出す。信号は捕捉できる。捕捉できたら次は閉じ込めればいい。


 閉じ込める方法は銃じゃない。境界条件を貼る。


 私は走りながら端末を開く。視界に重ねるようにログを呼び出す。

 位置同期。環境マップ。――使えない。

 センサが飽和してる。ノイズが白色じゃない。ノイズが意思を持っている。


 意思、って言うとオカルトみたいだけど、今はそれが一番正確だ。

 このノイズは私の行動に応じて統計が変わる。

 単なる外乱じゃない。制御入力。


 「……誰が、ここに制御器を置いた?」


 化け物が、声を出した。

 いや、声じゃない。スピーカーの帯域制限音。

 人の叫びに似せた波形。けど上擦り方が綺麗すぎる。

 “恐怖のテンプレート”。

 W1で、何百回も見たやつ。


 その瞬間、私の頭の中で、何かが噛み砕かれた。


 記憶が――咀嚼される。


 胃で消化されるみたいに、過去の映像が勝手に“細片化”して、舌の上に載せられる感覚。

 味がする。

 嫌な味。鉄の味。血の味。

 “見たことがあるのに、私の記憶じゃない”味。


 W1。

 W1残滓のフィードバック。


 私は歯を食いしばる。

 すると、歯の隙間から別の記憶が滲み出る。


 ――暗い廊下。

 ――剥がれた壁。

 ――そして、同じ顔。

 大きすぎる目。裂けた口。

 叫び。叫び。叫び。

 叫びは音じゃなく、バイタルの数値として頭に刺さる。


 「……やめろ」


 口に出したのに、私の声は返ってこない。

 返ってこないのは反響がないからじゃない。

 空間が、私の音を計測する前に廃棄しているからだ。

 つまり――私の“拒否”はログに残らない。

 拒否できない装置ほど、悪趣味なものはない。


 化け物が距離を詰める。

 近づくほど、その顔の“嘘”が見える。

 目の縁の微細な継ぎ目。皮膜のテンション差。

 顎の開閉が、生体の筋肉じゃなく、トルク制御の立ち上がりをしている。


 そして私は決定的なものを見る。

 首の下、闇に沈んでいる部分に――ハーネス。

 配線。

 パルス。

 そして、バッテリーではない、何かの供給ライン。


 「……電源、外部供給。移動は床下誘導。視線はジンバル。音声は帯域加工。……あなた、化け物じゃない。機械だ」


 言った瞬間、笑いそうになった。

 だって、馬鹿みたいじゃない?

 “化け物に追われてる”って恐怖が、“機械に追われてる”って恐怖に変わっただけ。

 恐怖の種類が変わっても、死ぬ確率は変わらないのに。


 でも、ここで一つだけ希望が生まれる。


 機械は、物理に従う。

 物理は、嘘をつかない。

 嘘をつくのは、いつも設計者だ。


 私は走りながら、端末に自分のバイタルを一瞬だけオーバーライドする。

 心拍を偽装。皮膚電位を乱数化。呼吸周期を“理想値”に寄せる。

 人間が人間である限り無理なほど、綺麗に。


 綺麗な信号は逆に怪しい。怪しい信号は追跡器の信頼度を落とす。

 信頼度が落ちた追跡器は挙動が荒くなる。

 荒くなれば痕跡が増える。痕跡が増えれば、私は“癖”を読める。


 ――やっと、ゲームのルールが見えてきた。


 化け物が、急に止まった。

 止まった、というより“躊躇した”。

 躊躇するアニマトロニクス。

 ありえない。

 でも今、ありえないが起きている。


 躊躇の原因は一つ。

 私の信号が、装置のモデルから外れた。

 装置は“恐怖の人間”を追うように作られている。

 恐怖の人間が、綺麗すぎる呼吸をしたら――装置は一瞬、判断を迷う。


 私はその隙に、一本道から逸れた。

 逸れた瞬間、空間が怒った。


 位相攪乱が強まる。視界が歪む。聴覚が削られる。摩擦感覚が嘘をつく。

 でもそれでいい。一本道に怒る装置は、“一本道が正解”だと言っているのと同じだから。


 床が“立ち上がった”。

 地面が数センチ、私の足を押し返す。

 地震じゃない。振動でもない。

 私の運動エネルギーを狙った局所的な弾性ポテンシャル。


 脚が一瞬遅れる。

 その遅れに合わせて、背後の機械が再起動する。

 ギア音。

 そして、あの裂けた口が、もっと裂ける。


 ――いや、裂けるんじゃない。開口角が制限値を越える。


 安全設計なら絶対に入れない動き。

 つまりこれは、安全じゃない。

 つまり、W1の遺物だ。

 W1が持っていた、あの倫理の欠落。

 人を驚かせるためなら装置を壊す。装置を壊してでも、人の心拍を上げる。


 「……出所、W1。確定」


 確定した瞬間、記憶の咀嚼がもう一段深くなる。

 W1の廊下。

 W1の床。

 W1の、逃げても逃げても戻ってくる“同じ距離”。

 ループ。

 ループの中で、私は何度も何かを見た。

 見たのに思い出せない。

 思い出せないのに、舌が味を覚えている。


 ……気持ち悪い。

 気持ち悪いのに、泣けない。

 泣いたらバイタルが乱れて追跡が喜ぶ。

 追跡が喜ぶなら、私は泣かない。

 私、性格悪い。――でもそれでいい。生きる方が優先。


 私は冷たい声で呟く。


 「……こっちは科学で殴り返す」


 そして、わざと壁に手を当てて擦った。摩擦音。

 音を出して空間に“私の存在”を固定する。

 固定は危険。だけど固定しないと、誘導のまま最深部へ連れていかれる。


 誘導に抗うにはノイズを入れる。制御器のモデルを崩す。


 私は走りながら、敢えて“転びそうな揺らぎ”を作る。

 足取りを乱す。呼吸を乱さない。

 恐怖のテンプレから外れた“非恐怖行動”。

 追跡器にとって一番扱いづらいのは、怖がらない獲物じゃない。

 怖がってるのに、怖がり方が設計と違う獲物だ。


 化け物が、廊下の中央で首を傾けた。

 傾け方が、やっぱりジンバル。

 哀れになるほど機械的で――だからこそ腹が立つ。

 こんなものに、私の心拍を支配されたくない。


 私は走る。

 走りながら、最深部の“歪み”を読む。


 歪みが強い場所ほど情報密度が高い。

 情報密度が高い場所ほど観測が成立する。

 観測が成立する場所ほど“誰かの都合”が入り込む。


 つまり最深部は――観測が過剰に成立している場所。


 量子的には、波動関数の収束が過剰になる。

 収束が過剰になると履歴が固定される。

 履歴が固定されると世界線の自由度が削れる。


 世界線の自由度が削れる場所で、いま何かが起きている。


 それはW1残滓の自然消滅じゃない。

 自然なら、こんな露骨に空間が痛がらない。

 空間が痛がっている。痛がっているように見える。


 だから私は最悪の仮説に触れる。


 誰かが最深部で、収束を人工的に引き起こしている。

 収束には観測者が必要。観測者は人でも装置でもいい。

 観測者がいれば、箱の中の生死は決まる。


 ……シュレディンガー。

 私のコードネームが喉に刺さる。

 私が保留されているのは私の都合じゃない。

 誰かが私を保留にしている。

 そしてノード・ゼロが確定に向かっている。


 確定は回収される。責任として。証拠として。

 そしていま、私の背後にはW1のアニマトロニクス。

 “証拠を作るための装置”みたいに、私を追っている。


 《NODE-0:アクセス継続中》


 あれは招待状じゃない。

 牽引ロープだ。

 私の毒(独白)を燃料にして、私を最深部へ引きずるロープ。


 追跡影が近い。

 背後の空間の温度が落ちる。温度じゃない。有効自由度が落ちる感覚。

 動ける余白が削られていく。


 私は叫びそうになって、叫ばない。

 叫ぶと声紋が取られる。

 声紋は観測の足場になる。


 代わりに、口の端だけで悪態をつく。


 「……ほんっと、趣味悪い。誰よ、これ持ち込んだ変態」


 言った瞬間、背後で“笑い声”が鳴った。

 笑い声に似た波形。

 スピーカーの加工音。

 W1のテンプレートが、私の皮膚の裏を撫でる。


 記憶がまた咀嚼される。

 咀嚼されて、飲み込まされる。

 飲み込んだ瞬間、吐き気がするのに、吐けない。

 吐いたら呼吸が乱れて追跡が喜ぶから。


 私は走る。

 走って、角を曲がる。


 曲がった先で――空間が一瞬、静かになった。


 静か、というより、ノイズが引いた。

 ノイズが引いた瞬間、見えてしまう。


 最深部の方向。

 歪みの中心。

 そこに、光がある。白じゃない。単色に近い。位相が揃っている。

 レーザーみたいな意志のある光。


 そして、その光の前に――人影。


 輪郭だけ。

 顔は見えない。見えるはずがない。

 でも、立ち方でわかる。

 あれは観測者の立ち方だ。

 “見る”ことに慣れた姿勢。

 自分が見られることを前提にしていない立ち方。


 私は、息を止めた。

 止めた瞬間、背後のアニマトロニクスが――止まる。

 止まる。

 私の呼吸と同期している。

 私の生体が、制御入力になっている。


 最悪。


 私は理解する。

 この追跡は、捕獲じゃない。

 誘導でもない。

 同期だ。

 私を“観測装置の一部”にするための同期。


 人影が、こちらに少しだけ首を向けた。

 振り向く、じゃない。

 “気づいた”だけ。

 気づいた気配だけで、空間の位相が揃う。

 世界線の自由度が削られる。


 私は、喉の奥で笑いそうになって、笑わなかった。


 「……やっと、見つけた」


 誰に言ったのか、自分でもわからない。

 相手に? 私に? それとも――保留にした誰かに?


 背後で、ギアが噛む音。

 アニマトロニクスが再加速する音。

 私の記憶が、また咀嚼される前触れ。


 人影の輪郭が、光の中で歪む。

 歪みが、私の眼球運動に追従する。

 空間が私の見方を支配し始める。


 ――確定が始まる。


 私は歯を食いしばり、最後に一度だけ、自分に命令する。


 観測しろ。

 介入は、その後。

 でも、介入の準備は今やれ。


 そして、私は走った。

 走るしかなかった。

 走ることだけが、まだ“私の選択”だったから。


 人影の前で、光が脈打つ。

 ノード・ゼロが、変異体の中心で――何かを産もうとしている。


 

 中心に近づくほど、空間が“静か”になる。


 静か、という言葉は正しくない。

 ノイズが引いているわけじゃない。ノイズが揃っていく。

 バラバラだった位相が、同じテンポで呼吸を始める。

 それは安心じゃなくて、むしろ不気味だ。


 整いは、だいたい誰かの意図だ。

 自然はここまで綺麗に揃わない。


 私の背後で、あのW1由来のアニマトロニクスが、まだ“息”をしている。

 息、じゃない。ギアとサーボの微振動。

 でも、その振動が徐々に遠ざかっていく感覚がある。

 距離が開く、というより――私の方が空間から外されていくみたいな。


 中心の光は、単色のまま脈打っている。

 レーザーみたいな意志のある光。

 そこに立っていた人影は、輪郭だけ。顔が見えないのに、視線だけが刺さる。


 刺さる。

 刺さっているのに、抜けない。


 「……逃げないでよ」


 声に出したつもりだった。

 でも音になったかどうか、わからない。

 ノード・ゼロは、音を返さない。返さないのに、私の心拍だけは返ってくる。


 ――吸う、二拍。吐く、三拍。

 吐く方を長く。

 私は自分の身体を“測定機”に戻す。感情を測定値に落として、外に置く。


 あと三歩。


 足を出した瞬間、床の反力が変わった。

 均一だったはずのヤング率が、急に“普通”になる。

 ミクロ欠陥の癖が戻る。

 戻る、というより――戻した。


 空間が、私に「ここまで」と言った。


 次の瞬間、目の前の人影が、消えた。


 消えた、というより、影である必要がなくなったみたいに。

 像が溶けるんじゃない。光が消えるんじゃない。

 ただ、“そこに立っている”という前提だけが外れる。


 私は一瞬、足を止めた。

 止めた瞬間、背中に冷たい汗が噴き出す。


 そして――世界が、ぱちん、と切り替わった。


 あの歪みは消えた。

 あの位相揺らぎも消えた。

 空気が空気に戻り、床が床に戻り、音が音として戻ってくる。


 ノード・ゼロ。

 いつもの、無口で無表情で無関心なノード・ゼロ。


 「……は?」


 私は間抜けな声を出した。

 正確には、出してしまった。

 取り繕う余裕がないときの私の語彙は、驚くほど貧しい。


 目の前に、――人がいる。


 ユウマ。

 チイロ先輩。

 ミサキ。

 ミナト。

 トウタ。

 レイカ。

 NOXのメンバーが、揃っている。


 揃っているのに、誰も“戦闘態勢”じゃない。

 さっきまでの地獄を知っている顔をしていない。

 それが一番、私の心臓を殴った。


 「……え?」


 私の声が、今度はちゃんと返った。

 返るってことは、空間が“私を廃棄”してないってことだ。

 廃棄してないのに、私は今さっきまで廃棄されていた。


 矛盾。

 矛盾は観測点がズレているサイン。

 ズレてるのは空間か、私か。


 ユウマが一歩寄る。

 その足音が、いつも通りの速度で、いつも通りの重さで鳴る。

 私はそれだけで、泣きそうになるのを必死で堪えた。

 泣いたら“弱い”。弱いと判断される。判断されたら、また箱に戻される。


 「アスミ? どうした」


 ユウマの声は低く、乾いている。

 さっき電話で聞いた声と同じ――のはずなのに。

 “同じ”という確信が持てない。

 喉の奥に、あの違和感がまだ残っている。


 チイロ先輩が、私の顔を覗き込む。

 覗き込む距離感が、妙に近い。

 近いのに、怖くない。

 怖くないのが、怖い。


 「おーい、アスミ、顔色やば。吐く?吐くならここじゃなくて……

  いやここノードゼロだから逆にどこでも同じか? いや同じって何だよ。……ねえ、大丈夫?」


 チイロ先輩は冗談の形で心配する。

 冗談が酸素になる。酸素は助かる。

 でも酸素は、痛みを麻酔する。麻酔は出血を止めない。


 私は喉を鳴らして、言葉を探す。

 探すのに、言葉が出ない。

 出ないのが悔しくて、口から出たのは最悪の一言だった。


 「……さっきまで、追われてた」


 全員の顔が一瞬、止まる。

 止まった瞬間、私は理解する。


 ――この人たちは、追われてない。

 追われてたのは、私だけ。


 「追われてた?」


 ミサキが眉を寄せる。

 その寄せ方が理性的で、理性的すぎて、私は少し腹が立つ。

 腹が立つのは、私が今、理性で守られてないからだ。


 ユウマが私の肩に手を置こうとして、止めた。

 止めたのは配慮。触れたら崩れそうだから。

 その配慮が、痛い。


 「何に」


 ユウマが短く聞く。

 短い質問は、事実の抽出。

 私が壊れてないかの確認。


 私は答えたい。

 でも答えた瞬間、あの顔が脳内に立ち上がる。

 巨大な目。裂けた口。

 叫びの帯域。ギアの音。

 そして“咀嚼”。


 「……W1の、アニマトロニクス。悪趣味な顔のやつ」


 言った瞬間、トウタが顔をしかめる。

 「うっわ、よりによってW1産の“恐怖テンプレ”かよ!」


 その言い方に、私は一瞬だけ笑いそうになった。

 笑いそうになって、笑えない。

 笑うと泣くが出てくるから。


 ユウマが私の視線の先を見る。

 私が見ているはずの“中心”を、確かめるみたいに。


 「……今は何もない」


 「そう。ない。だからおかしい」


 私は言い切った。

 おかしいと断言できるうちは、私はまだ私だ。


 そしてそこで、私は気づく。


 ここに、見慣れないものがある。


 ノード・ゼロの一角に、臨時設置みたいなPCモニター。

 ケーブルが床を這っている。

 その這い方が雑。

 雑なのに、妙に“正規”の取り回しになっている。

 つまり――急いで設置したけど、設置した人間は手慣れている。


 嫌な匂い。


 私はモニターの方へ歩き出す。

 歩いた瞬間、ユウマが声をかける。


 「アスミ、待て」


 止める声。

 止める声は優しさの顔をした制約条件。

 私は止まりたくなくて、止まってしまう自分に腹が立つ。


 「……あれ、何」


 「ログ確認用だ」


 「誰の?」


 一拍。

 ユウマが答えない。

 答えないことが答えになる。


 ――私の、だ。


 私は唇の裏を噛む。

 痛みは思考を“今”に固定する。

 固定しないと、私は怒りで暴走する。


 「閲覧履歴、見たい」


 私は言った。

 言い方は淡々と。

 淡々としてるほど、本気。


 チイロ先輩が言う。

 「いや、それ今やる? いや、やるか。うん、やるよね君。そういう人だもんね」


 「黙って」


 「はい、黙ります。怖い」


 黙りますと言いながら黙ってないのがチイロ先輩らしい。

 その“らしさ”に、私は一瞬だけ救われた。

 救われたせいで、次の痛みが倍になる予感がした。


 私はモニターに近づく。

 画面は暗い。待機。

 キーボードが置かれている。

 その配置が、私の手の届きやすい角度に調整されている。


 ――つまり、私が触るのを待っている。


 嫌な予感が、確信に変わる。

 確信は冷たい。冷たい確信は、優しい嘘よりずっとマシだ。


 「……触るよ」


 誰に言ったのかわからない。

 でも言った。言わないと、自分の行動が他人の許可みたいになるから。


 私はキーボードに指を置いた。


 指紋認証が走る。

 走り方が速い。速すぎる。

 通常の認証プロトコルじゃない。

 キャッシュされた生体情報。

 つまり、過去に私の生体がここに“登録”されている。


 「は?」


 背中が冷える。

 冷えるのに体温は落ちない。

 また、あの感覚。体感だけを狙った干渉。


 画面が点いた。

 一瞬、私の独白ログ。

 そして閲覧履歴タブ。


 ――あった。

 ノード・ゼロ。

 継続中。

 さっき見たやつと同じ。


 私は手を伸ばす。

 履歴の詳細を開こうとした。


 その瞬間。


 画面が、真っ赤になった。


 赤いエラー文字。

 文字が流れる。

 流れ方が“警告”じゃない。投射だ。

 画面から目に入るというより、目の奥に直接書き込まれる。


 《ERROR / ACCESS VIOLATION》

 《NEURAL INTERFACE DETECTED》

 《WARNING : ZAGI》


 『ZAGI』


 その四文字が表示された瞬間、世界が裏返った。


 ノイズが来る。

 音じゃない。光でもない。

 でも確実に“信号”だ。

 私の脳神経の伝導路を、最短距離でジャックしてくる信号。


 私は理解するより先に、倒れかけた。

 膝が折れる。

 胃がひっくり返る。

 吐き気が喉まで上がる。

 でも吐けない。吐いたら死ぬ気がする。理由はない。直感だけ。


 「アスミ!」


 ユウマの声が遠い。

 遠いのに、耳の奥で直接鳴っている。

 音が空気を通らずに届いてくる。

 骨伝導? いや違う。

 神経そのものに届いている。


 痛い。


 痛い、という言葉が足りない。

 痛みが“点”じゃない。

 痛みが“面”でもない。

 痛みが“回路”だ。

 脳の配線図の上を、赤熱した針がなぞっていく。


 視界が白く飛ぶ。

 フラッシュ。

 フラッシュの裏に、別のフラッシュ。

 映像が重なる。

 私の記憶じゃない。

 でも私の神経が「知ってる」と言う。


 ――W1の廊下。

 ――剥がれた壁。

 ――裂けた口。

 ――叫び。

 ――叫び。

 ――叫び。


 叫びが音じゃなく、数値として刺さってくる。

 心拍。皮膚電位。瞳孔径。筋電。

 私の身体が勝手に、他人の恐怖を再生している。


 「……やめ……っ」


 声にならない。

 声になる前に、喉の筋肉が痙攣して、空気だけが漏れる。


 『ZAGI』


 画面の赤が、私の視神経を焼く。

 焼く、という比喩じゃない。

 視覚情報の入力ゲインが無限大に近づいて、脳が処理できずに“痛み”として出力している。

 脳は賢い。賢いからこそ、処理できないものを痛みとして捨てる。


 私は吐き気と痛みの中で、最後にひとつだけ理解する。


 これは警告じゃない。

 これは――鍵だ。


 私が触った瞬間に起動する。

 私の脳を鍵にして、どこかを開ける。

 あるいは、どこかへ飛ばす。


 「アスミ! 目を――!」


 チイロ先輩の声が混ざる。

 混ざるのに、音の層が分離してる。

 現実の声と、ノイズの声が、別々のチャネルで聞こえる。


 私は最後に見た。


 画面の赤の奥に、ほんの一瞬だけ――

 黒い影。

 文字じゃない。コードでもない。

 人の“手”の痕跡。


 そして、世界が途切れた。



 気づくと、私は――椅子に座っていた。


 固い椅子。木の匂い。

 床のワックスの匂い。

 古いチョークの粉の匂い。


 教室。


 夕暮れ時の教室。

 窓の外がオレンジ色で、机の影が長い。

 カーテンが揺れている。

 揺れ方が自然で、自然すぎて、逆に怖い。


 「……は?」


 また、間抜けな声。

 最近の私、語彙が死んでる。


 黒板には、うっすら文字が残っている。

 誰かが消しきれなかった数式。

 見覚えのある記号――でも、どこで見た?


 私は立ち上がろうとして、ふらついた。

 体が重い。

 重いのに、ノード・ゼロの重さじゃない。

 “現実”の重さ。


 私は窓の外を見る。

 校舎の影。

 校庭。

 夕陽。

 遠くで聞こえる部活の声。

 笑い声。


 その笑い声が、胸の奥を刺した。


 ――こんな音、さっきまでの世界にはなかった。

 さっきまで、私は確かにノード・ゼロにいた。

 ユウマがいた。チイロ先輩がいた。

 赤いエラーが出て、ZAGIが出て、痛みが来て――


 私は額を押さえる。

 押さえても痛みは残っている。

 残っているのに、痛みの“意味”が変わっている。


 ここは、どこ?


 私は端末を探す。

 胸ポケット。

 ない。

 手のひら。

 ない。

 机の上。

 見知らぬ筆箱と、見知らぬノート。


 見知らぬ、という言葉が怖い。

 怖いのに、懐かしい。


 懐かしいのは、最悪だ。

 懐かしさは、脳が勝手に「ここが正しい」と錯覚する入口になる。

 正しい錯覚は、逃げ道を塞ぐ。


 私は息を吸う。二拍。吐く。三拍。

 吐く方を長く。

 自分に命令する。


 観測しろ。

 介入は、その後。


 でも、介入の準備は――今やれ。


 夕暮れの教室で、私は自分の座標を探し始めた。

 まだ、この瞬間が何なのか、私はわかっていない。


 ただひとつだけ、確かなことがある。


 『ZAGI』は、私をここへ投げた。


 そして――投げた誰かは、私が「ここで何を観測するか」を見ている。


 教室の窓ガラスに映る私の顔は、いつもより少しだけ青白かった。

 青白いのに、目だけが変に冴えている。


 私は小さく呟く。


 「……冗談じゃない」


 夕陽が、机の上の影をさらに伸ばした。

 伸びた影が、まるで“次のページ”みたいに、私の足元へ差し出される。


 目を閉じても、赤が残っている。


 『ZAGI』

 あの四文字が、網膜の裏でまだ点滅している。

 ただのエラーコードじゃない。

 あれは“条件分岐”だ。

 私が触った瞬間に発火する、私専用のトリガー。


 痛みはもう引いている。

 でも、完全には消えていない。

 神経の奥に、微細な残響がある。

 誰かが私の脳に触れた痕跡。

 触れた、というより――通った。


 私は、通路にされた。


 ノード・ゼロの中心で、私は観測者だったはずだ。

 追跡されて、同期されかけて、それでも観測を選んだ。

 なのに最後は、観測装置の一部に組み込まれた。


 笑える。


 シュレディンガー。

 箱の中で保留にされた私が、今度は“世界線の中間ノード”として使われるなんて。


 ……冗談じゃない。


 夕暮れの教室。

 あの光の色は、本物だった。

 あれはレンダリングじゃない。

 空間の位相も、反響も、空気の粘性も、全部“自然”だった。


 自然すぎる、というのが一番怖い。


 自然は、疑わない。

 疑わないと、人はそこに居着く。

 居着いた瞬間、前の世界が“夢”になる。


 私は夢を夢にしない。

 あれは夢じゃない。

 赤いエラーも、ギアの音も、ユウマの焦った声も、全部現実だ。


 もしここが別の世界線だとしても、私はまだ観測を続ける。


 わかっていることは三つ。


 一つ。

 『ZAGI』は私の神経を直接叩いた。

 外部入力じゃない。内部侵入。


 二つ。

 ノード・ゼロの“中心”で何かが収束していた。

 観測が過剰に成立し、誰かが縫い留めようとしていた。


 三つ。

 私は、そこに“必要”とされた。


 必要とされるのは嫌いだ。

 必要という言葉は、使い捨ての前振りに似ているから。


 でも――


 必要なら、使われる前に、逆に使う。


 ZAGIが何かは、まだ確定させない。

 確定は回収される。

 私はまだ、回収される側に立たない。


 夕暮れの教室で、私は息を整えた。


 吸う、二拍。

 吐く、三拍。


 呼吸が安定している限り、私は私だ。


 ここがどの世界線でもいい。

 ここがW1でも、W2でも、W0でも、あるいは名前のない枝でも。


 私は観測する。

 介入は、その後。


 ――ただし今度は、私の脳を鍵にするなら、代償を払ってもらう。


 ZAGI。


 次に会うときは、私があなたを読む番。


 そう決めて、私は黒板に残った数式へ視線を戻した。


 物語じゃない。

 これは、配置だ。


 そして私はまだ、盤面から消えていない。


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