表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神雲-kamigumo-  作者: Windy
7/7

bad end

教室の前。


 息を切らせ、胸と足がこんなに痛くなるほど全力で走ったのは初めてかもしれない、翔悟はそう思いながら教室の中を窺った。


 そこには、仲良く友人同士で話をする生徒達の輝かしい姿───はなく。


「何だ、これ……」


 驚きの言葉しか、出なかった。


 翔悟が孝治を見る。


 彼もまた、言葉を失っていた。


 目の前に広がった光景。それは、赤と黒の、グロテスクな世界。


 孝治が来てからこのような事態に陥ったことは確かだ。彼は逃げてきた様子ではなかったし、それに、このアメーバの数を見てみれば到底この場から逃げられることは不可能だろう。


 これでは、他のクラスもといここの生徒教師全員が『喰われた』ことになる。翔悟、孝治以外は。


 絶望感に打ちひしがれている人に目を付けたアメーバが一体、動き出す。


 それに気付いた孝治が、


「おい、逃げるぞ!」


 皆の死体に別れを告げ、再び一目散に走り出した。


 だが。


 何処へ行っても黒、黒、赤。


 行く手を阻むように、黒いアメーバが集団であふれ帰ってきた。目の前に。


 生臭い臭いが鼻を刺激し、嘔吐を誘ってくる。


「うあああああああッ!」


 二人の叫び声が、誰も居なくなってしまった校舎に虚しく響いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ