雪山の雪女
行きつけの飲み屋で、極寒の地の雪山に雪女が現れると言う話しを聞きつけた。
南方の奥地は未だ人跡未踏と言われている大陸にハンティングに行った時、上半身が人で下半身が蛇のラミアのメスや上半身が人で下半身が植物のアルラウネなど、魔物をてごめにした事はあるが妖怪の類は無い。
だから雪女をてごめにしようと雪山登山に出かけた。
久しぶりに行きつけの飲み屋に行く。
飲み屋のマスターに雪女に出会えたのかと聞かれたので答えた。
「雪女には出会えなかった、でも雪男に出会えたよ。
お蔭で今、肛門科に通院している。
どういう事かって?
俺はてごめにしてやろうと出かけたんだ!
それなのに……それなのに……雪男に……て、てごめにされたんだよ……」
去年行きつけの飲み屋で極寒の地の雪山に雪女が現れると聞き、雪女をてごめにしてやろうと雪山登山に出かけたら雪男に出くわしててごめにされた。
今度こそ雪女をてごめにするんだと、今年も極寒の地の雪山に雪女を探しに出かける。
雪山を彷徨うこと10日、遂に見つけた。
吹雪で良く見えないが白い髪で出るとこは出ているボンキュッボンの体形だから、雪男じゃ無い。
てごめにしようと後ろから飛び掛かり押し倒す。
アレ? 雪女って着物じゃなかったっけか? なんか凄く毛深いぞ。
振り払われ雪の上に倒れ込み雪女の顔を見上げて間違いに気がついた。
雪女は雪女でも雪男の女性版の雪女だったわ。
雪女は俺の顔を見てニヤリと笑い、逆に飛び掛かって来た。
今年もてごめにされた、逆てごめと言うのだろうか? 雪女にてごめにされるなんて…………。