俺は霞さんと一緒に帰る
霞さんが泣き止むまでハンカチで霞さんの涙を拭いていると、霞さんの涙が止まっていた。
「ありがとうございます、もう大丈夫です」
霞さんがこちらに顔を向けて言ってきたので、俺はハンカチを持ちながら霞さんの顔を見た。
「それでなんですけど今日は一緒に帰ってもいいでしょうか」
霞さんが言うと俺は霞さんの顔を見ていた、こんな子が俺の彼女になったなんて夢を見ているみたいだ。
「あの、優樹くん」
俺が霞さんの顔を見ていると、彼女が俺に声をかけてきた。
「あ、ごめん一緒に帰ろうか」
俺は屋上から出ていこうとすると霞さんが俺の腕に抱きついてきた、俺は緊張して振りほどいてしまった、霞さんは屋上の床に倒れてしまい、俺はすぐに霞さんに手を差し出した。
「ごめん少しビックリして」
「いえ私が急に抱きついたりしたから」
霞さんは俺の手を取って立ち上がり、霞さんは俺の手を離さなかったので、俺はどうしたらいいか迷っていた。
「あの、このまま手を繋いだままでもいいですか」
俺が迷っていると霞さんが聞いてきた。
「俺はいいよ、それじゃあ行こうか」
俺は霞さんの手を繋いだまま屋上のドアを開けて階段を降りた、霞さんとは同じクラスなので下駄箱が一緒だ、そのまま階段を降りて下駄箱に着くと俺はそのまま靴に履き替えたが、霞さんは手を繋いだまま止まっていた。
「ちょっと待ってねすぐに準備するから」
霞さんが片手で下駄箱を開けると、そこから大量の紙が散らばった
「やっぱり今日も入ってたか」
霞さんは床に散らばった大量の紙を取るため一度繋いでた手を離した、俺も取るのを手伝うため床に座り込み一枚の紙を取り裏を見てみると、そこには男の名前が書いてあった。
「霞さんこれって」
俺は霞さんに見せようと紙を渡そうとしたがすぐに彼女が奪っていった。
「えっとなんだか私この学校で告白されることが多くて、全部断ってはいるんだけど毎日これだけの手紙が入ってるんだ」
そうか霞さんはこの学校の人気者だったんだな。
「これで全部みたいだね、それじゃあ帰ろう」
霞さんは床の手紙を全て取り鞄に入れると立ち上がって下駄箱に入ってる靴を出して履き替えていた、靴に履き替えると霞さんは俺の手を繋いでいた。
「そういえば霞さんの家ってどっちなの」
学校から出ると分かれ道があるので俺は聞いてみた。
「私の家はあっちだけど」
霞さんの家は俺の家と一緒の方向だった、これで反対側だったらどちらかが遠回りになってしまうので、俺は少しでも多く一緒に居たかったので嬉しかった。
「俺もそっちなんだよ」
「もしかしたら私達の家って意外に近いかもしれないね」
「俺の家はここから十分位だけど霞さんの家はどれぐらいなの」
「わたしの家はここから五分位なんだ」
霞さんから聞くとどうやら俺達の家は本当に少しの距離だった。
「まさかそんなに近かったとは」
俺は少し驚くと俺の前に見覚えがある背中が見えた。
「あれって優樹くんの友達の陸夜君じゃない」
「ああ、あいつ今日は部活休みだったのかな」
昨日は全部の部活は休みだったが、今日は部活をやっている所とやらない所があるので多分そうだろう。
「声かけなくていいの」
霞さんが陸夜に声をかけなくていいのかと聞いてきた。
「多分からかわれるから、今日はいいかな」
「そっか、あっ私の家ここだよ」
すると霞さんの家に着いたのか突然霞さんが止まってしまったため、俺は引っ張られる形になってしまった。
「そっかここが霞さんの家なんだね」
俺は霞さんの家を見ると繋いでいた手が離れた。
「それじゃあまた明日ね優樹くん」
霞さんは俺に言ってきて家の入り口に入るとこちらに振り返ってきた。
「また明日霞さん」
俺は霞さんに手を振り言うと、霞さんは家に入らずこちらに近づいてきた。
「そうだ明日から私の事は菜穂って呼んで」
俺は驚くと霞さんは顔を赤くして家に入っていった、俺はそのままそこで立ち止まると誰かに呼ばれた。
「お兄ちゃん立ち止まってなにしてるの」
俺が横を向くとそこには買い物袋を持った都ちゃんが立っていた。
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