屋上で告白される
午後の授業が終わり俺は鞄を持ち教室から出ていく、そのまま屋上に向かおうとした所美夏に呼び止められた。
「今から行くの優樹」
俺はああと答え歩き出した、そのまま屋上に着きドアを開けると、まだ誰も居なかった。
「ちょっと早く来すぎたかな」
同じクラスだから、少し遅く来るようにしたが、まだ来てないって事は俺がクラスから出るのを待っていたのかなと考えていると、ドアが開く音がした、俺は振り返り見てみるとそこに居たのは、俺の隣の席の子だった。
「良かった、ちゃんと来てくれた」
その子は安心したように声を出した。
「確か霞菜穂さんだよね、隣の席の」
「覚えてくれてるんですね」
「え、同じクラスの子の名前って覚えるでしょ」
「まさか覚えてないんですか、あの時の事を」
霞さんの声が小さくて俺まで聞こえてこなかった、俺は聞き返そうとすると。
「樟葉優樹君、貴方の事が好きです」
聞き返そうとした所で霞さんが告白してきた。
「私と付き合って下さい」
霞さんは頭を下げ、俺に言ってきた、すると屋上のドアから音がしたが俺には確かめる余裕は無かった。
「君は俺と湊姉さんの関係を知ってるんだよね」
俺は告白の返事をする前に気になっていた事を聞いてみた。
「知ってます、優樹君と湊会長が従姉弟同士で同じ家に住んでることを」
そんな事まで知っていたのか、もしかしたらこの子はストーカーなのだろうか。
「ごめんなさい、こんな事を知ってるなんて気持ち悪いですよね」
「確かにそれは気になっていたんだ、君がどうして俺と湊姉さんの事を知っているのか」
「それは、ずっと前から優樹君の事を知ってたからです」
霞さんはそう答えたが、俺が覚えてるのはこの子は初めて同じクラスになったはずだ、それがどうしてずっと前から俺の事を知ってるんだ。
「それで告白の返事なんですけど」
すると霞さんは告白の返事の事を聞いてきた、確かにこの子は皆が言うところの可愛い部類に入るだろう、だが本当に俺が付き合ってもいいのだろうか。
「君は本当に俺なんかと付き合っていいのかい」
「私が付き合いたいのは優樹君です」
霞さんは俺に言ってきた、この子は本気で俺の事が好きだから告白してきたのに、俺はなんて事を聞いてるんだ、俺は返事の答えを決めて言うことにした。
「告白なんて夢みたいだなと思ってたよ、俺は君と付き合うよ」
俺が言うと霞さんは泣き出してしまった。
「やった優樹君と付き合えるんだ」
霞さんは泣いて喜んでいた、俺は霞さんに近づき霞さんの涙をハンカチで拭いてあげた。
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