昼休み都ちゃんと屋上に行く
午前最後の授業が終わると、皆は昼休みに入っていた。
「あれ、陸夜今日は購買なのか」
「そうなんだよ、母さんが今日寝坊したみたいでな、だから急いで購買に行ってくるぜ」
陸夜は笑顔で言うが、ここから急いで行っても売れ残ったパンになりそうだな。
「お兄ちゃん迎えに来たよ」
陸夜が行くと、都ちゃんが教室に来た、俺は都ちゃんに貰った弁当を持ち、立ち上がった。
「都ちゃん、あのね教室じゃなくて他の所で、食べてもいいかな」
「私は構わないけど」
都ちゃんから了承をもらい、俺は都ちゃんの手を繋ぎ教室から出た、湊姉さんに言われた通り屋上に来たが、湊姉さんの姿は無い、屋上で食べれる所を探し、フェンス側を背にして俺は都ちゃんの手を離した。
「後で湊姉さんも来るみたいだから、二人で待ってようか」
俺は座り込み都ちゃんに言った。
「そうなんですか、そういえばお兄ちゃん休み時間に、湊さんに呼ばれてたみたいですが」
「多分それは湊姉さんが来た時に、話をすると思うよ」
「そうですか」
都ちゃんと話すと屋上の扉が開いた、湊姉さんが来たのかと思いドアの方を見たが、違う人だった。
「ごめんなさい、誰も居ないと思ってて」
屋上に入ってきた子は俺の隣の席の子だった、その子は来た道を戻ってしまった。
「あの人、お兄ちゃん達のクラスで、見かけたような気がするんですが」
「あの子俺の隣の席の子なんだよ、名前は」
「霞菜穂ちゃんよ」
俺が名前を言おうとした時に、屋上のドアが開き声がした、俺はドアの方を見て湊姉さんが立っていた。
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