陸夜は気持ち悪がられる
チャイムが鳴り先生の合図で授業が終わると、美夏がずんずんとこちらまで来た。
「それで優樹さっきの話だけど」
美夏が来ると、俺の隣の席の子が逃げていってしまった、後で謝っておこう。
「俺は美夏が反対しても、放課後は屋上に行くぞ」
「私もさっきの授業で考えたんだ、だから放課後屋上に行きなよ」
陸夜は美夏の後ろで様子を伺っていた。
「それじゃあさっきなんで、反対してたか理由を聞いてもいいか」
「ごめん理由は教えられない」
そんな簡単には教えてくれるわけないか。
「なあなあ、優樹はどの子が怪しいと思う」
美夏と話し終わったと思ったのか、陸夜が近づいてきた。
「なんだよ急に、陸夜は分かるのかよ」
「俺も分からん、だがさっきの授業でこのクラスの女の子を見てたんだが、優樹に似合いそうな子は居なかった」
「陸夜クラスの女の子、全員見てたの気持ち悪い」
美夏が陸夜から少し離れた、確かに今のこいつが言った事は気持ち悪かった。
「そんな目で見ないでくれ、俺は優樹にラブレターを送った子が、気になっただけなんだ」
陸夜が大声で言うとクラスの女の子達が、こちらを見てきた。
「おいそんな大声で言うなよ」
俺は陸夜の口を塞ぐと、陸夜は手で謝る素振りをしたので、俺は陸夜の口を解放した。
「あの、すみません」
すると陸夜の後ろから声がして、陸夜が後ろを見た、俺も横から見ると俺の隣の席の子だった。
「ああ、ごめん邪魔だよな」
陸夜はすぐに横にずれると、隣の席に座った。
「さっきはごめん驚かせたよな」
俺は美夏がこちらに来ていた時の事を謝る。
「なにか驚く事でもあったんですか」
どうやらこの子は、美夏がこちらに来て逃げたんじゃなかったようだ。
「いいや、別になんでもない」
「なあ優樹、昼はどうするんだ」
「それだったら、都ちゃんと食べるつもりだが」
「だったら俺と美夏も一緒でもいいか」
「すまんが、今日は無理だ」
「そうか、なら明日は皆で食べようぜ」
「勝手に決めないでよ」
陸夜が言った事に美夏が言った。
「だったら美夏は一緒に食べないのか」
「食べるけど文句ある」
美夏は陸夜に言うと自分の席に戻った、陸夜と美夏のやり取りはいつもの事なので、俺は次の授業の準備をしていた。
「じゃあまた後でな優樹」
陸夜は言って席に戻った、それから午前最後の授業が始まった。
面白ければブックマーク&評価をお願いします。