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自己紹介1回目

羽賀先生が立ち去った後教室は、えっどうするよと言う空気に包まれていた。


皆んなが困惑する中ここで動いたのは、小萩君だった。

彼が立ち上がると、みんなの視線は小萩いや、小萩君の頭に集中していた。


「皆んな聞いてくれ。先生から宿題として、自己紹介を命じられた以上やらなければならないと僕は思う。皆んなの前では難しそうだから、隣の人とまずはやって見て後は気になった人と喋ると言う形にしてはどうだろうか?」


(そんな…小萩君ってまるでそれだと私と喋りたいと言ってるみたいじゃん。えっ…怖い)


青井は、内心少し引いていた。


そんな青井の気持ちとは裏腹にクラスの他の人達は、顔を見合わせると、

「あぁ、それなら…」「それなら…」「それならね」

とボロボロと言葉を漏らした後

(あのハゲ回避…できるな)

同時に『よしやろう。』と、声を揃えて言ったのであった。


入学初日からこんなにも息の合うクラスは中々ないだろうと言うぐらい声が揃っていた。


自己紹介の時間が始まった。


小萩君は、青井を見つめると少し顔を赤らめていた。


「小萩君って兄妹とかいるの?」


青井は、とりあえず話題を出して様子を見る。


「ぼっ僕の家には、妹が居ます。はい、青井さんはどうなんですか?」


「私の家は、うーん秘密かな!じゃあ、好きな食べ物って何?」


「え?あっ僕の好きな食べ物は栗です。青井さんは何ですか?」


「んー、私はね。ちょっと秘密かな。じゃあ、好きな音楽のジャンルって何?」


「モチロン!ロックですよ。激しい曲を聴くと、つい踊りたくなりますね。青井さんは?」


「私は、ちょっと他の人に言うのは恥ずかしいから、遠慮するね。なんか習い事やってたりするの?」


「僕は、昔ダンスやってましたよ。まぁ、理由は聞かないで下さい。それよりもっと青井さんのこと、気になってきました。ミステリアスな感じが僕には良いスパイスです」


(まじかよ…こいつに関わられないように、何も喋らなかったのに、逆効果だわ。こうなったら…)


「私の名前は、青井 花です。兄妹は居ません。好きな食べ物は、オクラの花で好きな音楽のジャンルはクラシックです」


このままだとやばいと思った青井は、さっきまでの質問を全て答えた。

ドキドキしながら、小萩君の出方を待つ。


「あっもう時間なんで、皆んな止めますね」

意外にもドライな反応で、1回目の自己紹介の時間を止めた。


(えっ何なの…)


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