目が見えない君の目にぼくはなる!
ぼくは、盲導犬だ、、、!
初めての訓練で、ぼくはあたふた。
ぼくは、たくさんいる兄弟の中で5番目に産まれてきた男の子だよ。
そこから、一般の家で育ててもらって(パピーウォーカー)と言う人達だよ。
そして、立派な盲導犬として訓練されていく。
そんなぼくが、盲導犬の試験に受かったんだよ!
▽
そんなぼくも、今日から盲導犬として迎えてくれた家族の元へ。
ぼくは、今日から君の家の家族になったんだね、、、!
君の名前は、『三上 千尋』16歳、君は産まれて直ぐに、大きな病気を
してしまって、君の両目はヒカリを失ってしまった...。
でも君は明るく、元気でいい子に育ったんだね、、、!
その分、お父さんやお母さん、おじいちゃんおばあちゃんの愛情をたっぷり
ともらって、本当に素直でいい子に、、、。
だけど君も、、、?
歳を重ねるごとに、上手くいかない事も増えてきて、、、。
自分の部屋に閉じこもってしまう事も増えていったね......。
そんな時に、ぼくが君の家族になって、、、。
最初は、君はぼくの事が嫌いだったのかな、、、?
ぼくに対して、君は素っ気ない態度だったけど、、、?
少しづつ、君はぼくに心を開いていってくれたよね、、、!
ぼくは、それが何よりも嬉しかったんだよ。
あぁ! そうそう!
ぼくが、君の家族になって付けてもらった名前があるよね!
今の名前を付けてくれたのが、君だと聞いてぼくは本当に嬉しかったんだよ!
『グーニー』って名前!
凄く、気に入ってるよ!
産まれてきた時の名前は、【クロ】と言う名前だった、、、!
見たまんま、真っ黒の毛並みだったからかな、、、?
パピーウォーカーのお家で、飼われていた時は、、、?
【バタン】という名前だった! バタバタと駆け回るぼくを見て、、、!
そういう名前になったのかな、、、? ぼくがヤンチャだったからだろうな~!
そして、今の名前は、『グーニー』という名前! いい名前でしょ?
▼
千尋とぼくは、いつも一緒。
寝る時も、何処に行くにも、何をするにも、、、。
ずっとずっと一緒。
『ねえ、グーニー! 今日は、遠いところにある公園に行こうか!』
【ワン!】
僕と千尋は、家を出てバス停でバスを待って、最寄りの駅から3駅先の
ホームで降りて、そこから大きな公園に、、、!
『今日は、とってもあったかいんだね~! グーニーも気持ちいい?』
【ワン!】
『グーニー! 喉が渇いたでしょ? お家から持ってきたグーニーの
お皿に、お水いれるね!』
【ワン!】
『グーニー! おトイレはいいの? ちゃんとした、、、?』
【ワン!】
千尋は、常にぼくに話しかけてくれるんだよ、、、!
『グーニー! お腹空いた、、、?』
【ワン! ワン!】
『グーニー? 元気がないの、、、?』
【・・・グゥーワン!】
『今から一緒に! 病院に行きましょうね!』
【・・・・・・】
僕の異変にも、気づいてくれる、、、!
*
ぼくね、、、?
心に決めている事があるんだよ!
ぼくが、千尋の目になって! どこにでも千尋を連れててあげるんだ、、、!
どんな事があっても、ぼくが千尋を守る!!!
▽
そんなある日、、、。
ぼくと千尋が、何時ものように一人と1匹で散歩していると、、、?
急に、暴走してきた車が千尋めがけて突っ込んできたんだ、、、!
ぼくは、咄嗟に千尋をかばって、、、。
その車にぼくが轢かれた、、、。
千尋は、その場に座り込んでぼくの名前を何度も何度も叫んでいたけど、、、!
もう、ぼくの耳には聞こえていなかったんだ、、、!
ただただ、ぼくは千尋を守れて良かったとホッとしたんだよ!
『・・・でも千尋、ごめんね! ずっと傍にはいれないみたいだ、、、!
もう、ぼくはいないけど、、、? 千尋らしく! 強く生きて行ってね!』
それと、、、?
一つ! ぼくから、千尋にプレゼントを置いていく事にするよ!
じゃ、またね!
・・・そう、ぼくは心の中で想って息を引きとったんだ、、、!
*
『千尋! グーニーがいなくなって! 落ち込んで部屋に閉じこもるのも
わかるけど、、、? たまには、外に出てらっしゃーい!』
『・・・嫌よ!』
『あぁ! 千尋にプレゼントがあるのよ~! きっとグーニーも喜ぶわ~!』
『・・・グーニーが!?』
『えぇ!』
【ピーポーン】
『来たわよ~ はーい! 早く、千尋も来て、、、!』
『・・・えぇ!?』
玄関を開けると、、、?
『新しい盲導犬のワンちゃんを連れてきましたよ!』
『・・・・・・』
『グーニーにそっくりね、、、?』
『・・・ううん。』
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