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生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
第四章:ユーベル

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第83話【真・激流ノ太刀・高霎】

 戦闘が開始された直後、《シーツリヒター・セラフィム》はさらに燃え上がり、翼の羽根によるホーミング攻撃を仕掛ける。


「相手が炎なら! 【鬼神化・激流】ッ!」


 ベリーは【鬼神化・激流】を発動し、水属性モードへと変化する。


「【水流加速】ッ!」


 そしてベリーは炎の羽根を水の流れを利用して加速、俊敏力を上げる【水流加速】を発動してうまく交わしていく。羽根はベリーに避けられると地面に激突して消滅した。


「反撃! 【水刃】ッ!」


 攻撃後の隙を狙い、ベリーは【水刃】を連続で4発放つ。

 だが《シーツリヒター・セラフィム》は2発の【水刃】を避ける。残りの2発は《シーツリヒター・セラフィム》の胸と左脚部に命中してHPを削った。が。


『……プレイヤーの属性を確認、雷属性へ変化します。』


 なんと、《シーツリヒター・セラフィム》はそう言って、燃え盛る炎から、激しい稲妻へと変化する。


「か、かみなり………」


 一瞬ビクッとなってしまうベリーだが、その音は極僅かだったのでそこまで怖くないようだ。しかし雷は雷。それに属性が変わったと言うことは、雷属性の攻撃をしてくるということで……。


『【避雷針】』


 【避雷針】、その言葉通り雷が建物などに落ちないように設置されるものだ。つまりそれがあるところに雷が落ちるということで、それを《シーツリヒター・セラフィム》は、なんということかベリーを【避雷針】の代わりにすることで全ての雷属性攻撃を自動追尾にしたのだ。


「【見切り】、【絶対回避】ッ!!」


 ベリーはすぐさまスキルを発動して雷属性攻撃を避けようとするが、【鬼神化・激流】を解除しなければ水属性は雷属性に弱いのでダメージを受けたらHPがごっそり減ってしまう。

 そして《シーツリヒター・セラフィム》は雷を次々と落としていく。もちろんその雷はベリーのもとへ向かっていく。


「音っ! 音鳴ってるよぉぉおおおお!!!」


 ベリーは泣き喚きながら、【絶対回避】などを発動していることも忘れ一心不乱に猛ダッシュする。


「えっと、えぇっと……! 【一閃】ッ!」


 ベリーは混乱から、向かってくる雷を【一閃】で弾き返そうとする。うまくやればそれも可能だが、混乱しているベリーは【一閃】をうまく使えずに発動してしまう。それによりベリーは雷と刃が当たった反動で体勢を崩してしまうが、残りの雷の追撃を【見切り】と【絶対回避】で避ける。


「はぁ、はぁ……! うぅ……雷嫌だよぉ……ベルぅ、みんなぁ!」


 雷で弱気になってしまったベリーはそう言って涙を溢す。


『……ではここで諦めますか?』


 その《シーツリヒター・セラフィム》の言葉に、ベリーはピクリと反応する。


『クエストをリタイアしますか? リタイアした場合、街へ転送されます。』


 クエストリタイア、しかし諦めてしまうと、またダンジョンを攻略し直さなくてはならないし、何より他の全員が第四階層で待っているかもしれないのだ。


「……ッ! 諦め……ないッ!」


『クエスト続行を確認、攻撃を再開します。』


 《シーツリヒター・セラフィム》はそう言うと雷の剣を生成し、それを空から、地面からとベリーを襲う。


「【静水】ッ!」


 その雷の剣を、ベリーは攻撃を受け流す【静水】を発動し、うまく避けていく。

 【避雷針】の効果は5分、それまで雷属性攻撃を避け続ければ、反撃のチャンスが訪れるかもしれない。


「でも……ッ!」


 攻撃を避けるには、無敵時間がかなり長い、【霧雨ノ舞】がベストなのだろう。だがしかし、ベリーは。


「避けるのは苦手だから、攻めるッ!!」


 そうだ、苺のお爺ちゃんである八坂重郎も昔、こう言っていた。「怯えて機会を伺うより、堂々と、自信を持って攻めていけ」と。


「【真・激流ノ太刀・高霎(たかおかみ)】ッ!!!」


 そう言ってベリーは【真・激流ノ太刀・高霎】を発動する。

 “真”と付くスキルを取得したのはつい最近だ。何をきっかけに、いつどこでスキルを取得したのかはわからない。それが【鬼神化】なのだ。鬼神はある日突然進化する。周りの影響を他よりも強く受け、自身を成長させる。

 そしてそれは、ベリー自身も強く成長する。


「フーッ! まだ、もっと! 溜めるッ!」


 長く、ゆっくり呼吸をし、ベリーは納刀状態で構えた姿勢から動かずに溜める。溜めることで威力が上がるのかはわからないが、ベリーはその刀身から強い気を感じていた。強すぎて刀と、それを押さえ付けている手が震えていた。今にも爆発しそうなほどだ。


『【雷電剣】』


 《シーツリヒター・セラフィム》は構わず攻撃する。ベリーの頭上に巨大な雷の剣が形成された。


「ギリギリまで……ッ!」


 溜めて溜めて、ベリーの防具の《霧雨》も【真・激流ノ太刀・高霎】を溜め込んでいる《鬼神ノ太刀》と同じように青く輝き出す。【鬼神化・激流】により青く染まったベリーの髪も揺れている。


『【審判】により、【雷電剣】の威力を上昇。さらに【通雷】で威力を強化します。』


 《シーツリヒター・セラフィム》は【雷電剣】をさらに強化し、そしてベリーの頭上に形成された【雷電剣】はベリーに向かって落ちていく。そのスピードは決して遅くはない、むしろ速いくらいだった。


「集……中……ッ!」


 まだベリーは粘り溜める。【雷電剣】はもうすぐにでもベリーに直撃してしまうほどの距離まで来てしまっている。しかしベリーそれを感覚で見極める。


「……ッ! ここだぁぁぁぁあッ!!!」


 【雷電剣】がベリーの髪の毛に触れようとした瞬間。ベリーは【真・激流ノ太刀・高霎】を解放し、ベリーはその効果で足を踏み込み、一直線に《シーツリヒター・セラフィム》の胸部へ瞬時に移動する。


「てやァァァアアアッ!!!」


 その勢いで《シーツリヒター・セラフィム》に、“一撃”だけ入れる。大きな水飛沫が上がり、ベリーはそのまま貫通して《シーツリヒター・セラフィム》の背後に立つ。


「はぁ……! はぁ……! ッ……ダメか……」


 ベリーはそう言って息を整える。手応えがあまりない。それもそうだ、相手は雷属性。水属性の攻撃は効果が薄い。しかしそれでも《シーツリヒター・セラフィム》のHPの半分をぶっ飛ばした。


「一旦距離を取ろう……!」


 そう言ってベリーは納刀し、《シーツリヒター・セラフィム》から離れようとした瞬間に、“真”の力を見る。

うまはじメモ☆彡

高霎(タカオカミ)は水の神様の名前だよ!(調べはしたけどあまり自信はない)



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