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生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
第四章:ユーベル

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第73話【激流】

モードチェェェンジッ!

ベリーは新たにスキルを手に入れた、取得条件は不明だが、海に浸かったことが引き金となったのだろう。

《鬼神ノ太刀・閻解》は刀身が青くなり、《鬼神ノ太刀・激流》となる。

驚いたことに《鬼神ノ太刀》は《閻解》、そして《激流》へと切り替えることが出来るようになったようだ。


「【鬼神化・激流】ッ!」


【鬼神化・激流】を発動したベリーは水の渦に包まれると髪が明るい水色になり、防具の《霧雨》も青く染まる。

水を制する鬼神の誕生だ。


「【水刃】ッ!」


ベリーはそう言ってスキルを発動し、いつも通りに刀を振る。

放たれた【水刃】は名の通り水の刃なので、同じ水のこの場所で使うと、その刃は誰にも見えない。

しかし《シュベルトフィッシュ・ノヴァ》は水の動きが変わったのを感知し、避け切れないと判断したのか、せめて急所を外す。

だがそれでベリーに急所、弱点を見抜かれてしまう。


「【鬼水斬り】ッ!」


ベリーは【鬼水斬り】を7連続で発動して《シュベルトフィッシュ・ノヴァ》の弱点である腹を斬る。


『___ッ!!?』


「ベリー! あいつ逃げる気だよ!」


弱点に当たり、HPが一気に削れたことに驚いたのか、《シュベルトフィッシュ・ノヴァ》はまた姿を消し始める。


「逃がさないっ!」


ベリーはそう言って納刀し、構えながら物凄いスピードで泳ぐ。

【鬼神化・激流】により完全に水を克服したようだ。


「【抜刀術】……【激流ノ太刀・水龍】ッ!!」


そしてベリーは難なく追い付き、抜刀時の攻撃力を上昇させる【抜刀術】を発動し、【激流ノ太刀・水龍】を《シュベルトフィッシュ・ノヴァ》の腹に、真下から海面に向けて放った。


「うおぉ!?」


ベルはその衝撃で《シュベルトフィッシュ・ノヴァ》が海面へ飛ばされるのを見て驚きの声を上げる。

しかしまだHPは残っている。


「もう三回ッ!」


そしてベリーは海面を勢いよく飛び出し、空へ向けて飛ばされた《シュベルトフィッシュ・ノヴァ》へ、さらに三連続【激流ノ太刀・水龍】を一気に放つ。


『______ッッ!!!』


しかし、やはり水属性はあまり有効ではないのか、《シュベルトフィッシュ・ノヴァ》はHPゲージを一本耐えて、最後の抵抗か激しく発光する。


「っ、ベル!」


「おっけー! 【バウンド】ッ!」


だがその光も太陽の下ではほぼ無意味となる。ベルは落下するベリーの真下に【バウンド】を発動する。

ベリーはその【バウンド】に足が触れた瞬間に【鬼神化・激流】を解除する。


「【鬼神化・閻解】ッ!」


そして【鬼神化・閻解】に切り替えたベリーは赤黒くなり、空に向かって大きく跳ねる。


「【閻解ノ大太刀】五連ッ!」


ベリーは【閻解ノ大太刀】を五回連続で発動し、《シュベルトフィッシュ・ノヴァ》のHPを削りきった。

そして捌かれた《シュベルトフィッシュ・ノヴァ》は光の粒となって空へ舞い上がった。


「やったぁぁぁ! って落ちるぅぅー!!!」


ベリーは両腕を上げて喜ぶが、そのまま海へ落下する。


「わぷっ!」


水しぶきを上げて海へダイブしたベリーはぷかぷかと浮き上がる。


「だ、大丈夫?」


「ぷはぁ! 大丈夫……!」


ベリーはベルにいつも通りの明るい笑顔を向けて言う。


「全く、無茶するなぁ! このぉ!」


ベルはその笑顔に安心する。

この笑顔が皆をいつも明るくしてくれている。

そして追い掛けてきたアップルとバウムとも合流し、ボスモンスターを倒したからか、魚型モンスター達の動きが鈍くなってくる、この緊急クエストももう終わりが近付いているようだ。



***



その頃、ソラとフィールがいる砂浜では。


「ソラぁ……怖いよぉ………!」


「大丈夫! まだ足の指先くらいだ! 水溜まりみたいなもんだ! 頑張れ!」


ソラはフィールを支えながらそう言って励ます。


「頑張る……頑張る……大丈夫……っ!」


フィールは何度もそう自身に言い聞かせるように言って、少しずつ海へ歩を進める。


「よしいいぞフィール! 膝まで行った!」


ソラがそう言って、自分のことかのように喜んでいると、砂浜の一部の砂が大きく盛り上がる。


「な、なんだ……?」


そしてそこから出てきたのは蟹……のハサミだった。


「……え? ハサミ?」


ソラがそう言った瞬間、地震のかと思うような揺れが起きて砂浜から姿を現したのは見上げるほど巨大な銀色の蟹のモンスターだった。


「ッ! フィール!」


「うん………!」


ソラとフィールはそれぞれ武器を構えて戦闘体勢に入る。

しかし、すぐにあることに気付く。


「こいつ……ダメージを負ってるぞ?」


巨大な銀色の蟹は、瀕死だったのだ。

ソラがそう言って近付こうとした瞬間、白い閃光が走る。


「かっ、雷!?」


それは一瞬雷かと思うほどの光だったが、違うようだ。


「プレイヤー……だった……」


フィールは一瞬だったが、目で捉えることが出来た。

その光の中には人の姿があったのだ。男性か女性かわからないが、武器を持っている……プレイヤーだった。

プレイヤー……?

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