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生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
第四章:ユーベル

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第71話【魚魚魚!】

うん! 魚ッ!

遂に緊急クエストの時間が来た。


『緊急クエストを開始します。』


緊急クエストが開始された瞬間、砂浜からは蟹型のモンスター、そして水中には大量の魚型モンスターが出現した。

プレイヤー達は一斉に海へ飛び込んでいく。


「ちょ、一応街に侵入されたらダメなんだから少しくらい狩りなさいよ!」


アップルはそう言いながら【白狼】を召喚して蟹型モンスターを攻撃する。


「わー、ちっちゃいカニさんも居るよー!」


ベリーはそう言って手に乗るサイズの蟹をソッと指で触れると。


「うきゃあ!? ビリってきたぁ!」


同然その蟹もモンスターだ。触れると微量の電気で攻撃してくる。受け続けると麻痺になってしまうので注意が必要だ。


「水の中で銃って使えるのかな……」


と、ベルはそう心配しながらも蟹型モンスターを倒していく。


「バウム! 後ろにでかい奴が居るぞ!」


「了解! 【旋風】ッ!」


ソラの言葉を聞いて、バウムは【旋風】で近くの敵を攻撃する。

そうして砂浜にいるモンスターは徐々に減っていった。


「【鬼神化】! 【鬼神斬り】ッ!」


「【カウンター】……!」


ベリーとフィールも次々とモンスターを倒し、陸のモンスターは倒しきった。


「よし! ベリー行くよ!」


「うん!」


ベル、そしてベリーは海に飛び込み、水中に居る大量の魚型モンスターのところへ泳ぐ。


「行動がはえぇなぁ……バウム、先行っててくれ」


ソラはそう言ってフィールの元へ向かう。


「うん、アップルさん、僕達も行こう」


「そういえば何気にあなたと話すのもほとんど無かったわね……あと堅苦しいのは無しね!」


そう言ってアップル、そしてバウムも海の中へ行く。


「……っと、もう砂浜には誰も居ねぇな……大丈夫かフィール?」


「う……ん……大丈……夫……」


やはりトラウマはそう簡単に克服できないのか、フィールは少し震えていた。


「んー、よし、時間もまだまだある、俺が付き合ってやるから、取り合えず足だけでも入れてみようぜ?」


ソラはそう提案する。


「い、いい……の?」


「まぁ俺は報酬は別にいらないしな、ちょっと水中でモンスターと戦闘できりゃそれでいいかな」


そもそも報酬が何なのかまだわからない。

一応は街への侵略を防ぐ緊急クエストだ、決して魚乱獲パーティーではない。

そしてフィールのトラウマ克服に付き合うことにしたソラは、フィールの手を握り、海の近くまで誘導して、特訓が始まった。


「ひっ……」


「俺が支えてるから、大丈夫だ、安心しろ」


海水に触れただけでこの反応、ソラは出来るだけフィールを落ち着かせようとする。


「イザとなったらログアウトしちゃえばいいんだ、それに絶対手は離さないから、ちゃんと俺が支えてるからな」


「ほ……本当……?」


フィールの表情はもう泣きそうだった。

ソラも昔はこういった経験があった。トラウマとは中々克服出来るものではない。


「あぁ、大丈夫だ、俺を信じろフィール、俺がお前を守るから、絶対に離さないから」


そうフィールに言い聞かせる。

しかしソラは何故こんなにもフィールのことが心配になるのかわからなかった。

ただここに一人残して行くわけにもいかないという理由だけなのだろうか。


「……わかんねぇな……」


ソラはフィールに聞こえないようにそう小さく呟いた。



***



その頃海の中では。


「海の中でも喋れるんだね!」


ベリーはそう言って軽く泳ぐ。


「呼吸は……一応限度があるみたいね」


と、アップルがHPとMPの下に酸素ゲージが追加されているのに気付いた。


「じゃあやりますかね! 【アクセルブースト】ッ!」


ベルはそう言って【アクセルブースト】を発動。物凄いスピードで泳ぎながらモンスターにナイフで攻撃していった。


「じゃあ私は補助に回るわ、【パワーフィールド】!」


【パワーフィールド】を発動して範囲内のプレイヤーの攻撃力を上げ、ステータスを補助するアップル。


「よぉーし私も! 【鬼神斬り】ッ!」


と、ベリーは【鬼神斬り】でモンスターに攻撃……しようとした。


「あ、あれっ? 発動しないよ!?」


【鬼神斬り】は発動する素振りすらなく、うんともすんとも言わない。


「な、なんでぇ? そ、そうだ! 【閻解】ッ!」


ベリーはさらに【閻解】を発動。

問題なくベリーの姿は黒く染まる。がしかし、どうやらステータスに変化は無いようだ。


「お、おかしいよ! バウム君どうしよう!」


ベリーは近くに居たバウムに助けを求める。


「う、うぅーん……ユニークスキルの不具合なんてあるのかな? ……あ、もしかして」


「も、もしかして!?」


バウムはとあることに気付く。それはとても簡単な事だ。


「【鬼神斬り】も【閻解】も火属性……というより炎で攻撃する感じだから……」


「えっとつまり……?」


「えっと、水の中では炎がパッと出るはずもないし……水中じゃ使えないんじゃないかな?」


そう、【鬼神斬り】は刀で斬るというよりは、刀に纏わせた炎で斬るのだ。

そして【閻解】のスキルは大体が炎によるもの。それでステータスも変化しないというわけだ。


「だから火が出ない……【覇気】とかなら使えるんじゃないかな?」


「そっか! 【覇気】ッ!」


バウムがそう言うので試しに【覇気】を発動すると、近くに居た魚型モンスター達は少し吹き飛ばされ、【覇気】の効果で動かなくなった。


「うぅ……使えるスキルが減っちゃうのかぁ……」


職業《侍》、《武者》が持つ一般的なスキルをベリーは、バウムから教えてもらった【一閃】と【旋風】という初期のスキルしか取得していなかった。

ほとんど【鬼神化】のスキルに頼っていたので、使えないとなるとベリーの攻撃手段が減ってしまうのだ。


「仕方ないよ、取り合えずこの緊急クエストが終わったら何か取得しに行こう、手伝うよ」


「うん……お願いするよバウム君……」


ベリーはそう言って水中で魚を捌いて倒した。

そして、ベリーは気付いていなかった。

《鬼神ノ太刀・烈火》が少し青く輝いていることを。

誰も鬼神が炎以外を使えないとは言ってない。

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