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生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
第三章:焼結の魔術師

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第67話【ボスとの再戦】

『クォォォッ!!!』


《ヘルツ》によって召喚された《ブリッツェン・アインホルン》は、鋭く嘶き、ベルに雷を落としていく。


「【クイックヒール】! 【サウザンドシュート】ッ!」


ベルは回復していないHPを【クイックヒール】で回復し、【サウザンドシュート】を《ブリッツェン・アインホルン》の角目掛けて発動する。


「確かにHPは結構減ってるけど……ッ!」


《ブリッツェン・アインホルン》のHPは大きく削れ、一瞬怯むがさらに雷をいくつも落とす。

前とは攻撃速度が大違いだ。


『さて、【召喚術】』


そんなベルを見て、《ヘルツ》はさらにモンスターを召喚する。


「ちょっ、待ってくれないの!?」


『全力だからな』


と、《ブリッツェン・アインホルン》を召喚したときと同じセリフを言った《ヘルツ》は巨大な魔法陣から、以前倒した《キャプテン・トートシュリット》を召喚する。


「やっぱりそいつなのかぁぁ!」


《キャプテン・トートシュリット》が現れた瞬間、優しく降っていた雪が暴風によってベルの頬に強く当たる。


『アアアァァァァ~……ッ!』


「二体同時に相手……やってやろうじゃないか!」


ベルは目の前にボスモンスターが《ヘルツ》も含めて三体も居ると言うのに怯むことなく、むしろやる気に満ちていた。


「【分身】ッ! 【クイックスラッシュ】ッ!」


ベルは【分身】で《キャプテン・トートシュリット》と《ブリッツェン・アインホルン》の相手をし、【クイックスラッシュ】でそれぞれの弱点を攻撃する。


「よしっ! いい感じに削れてる!」


『アアァァッ!』


《キャプテン・トートシュリット》は風を操りながら剣でベルの【分身】を攻撃しているが、当たることはそうそう無い。

それに今回は回復もしないようなのでこのまま行けば驚異ではない。

《ブリッツェン・アインホルン》も突進や蹴り、そして落雷などよ攻撃しかやってこないので落雷にさえ注意していれば問題はない。


『【メテオ】、【サウザンド・アイスシュート】』


「ッ! 【絶対回避】ッ!」


しかし問題は《ヘルツ》の遠距離攻撃だ。

今度は【メテオ】を単発で放ち、そして【サウザンド・アイスシュート】、鋭い氷の塊を大量に降らせる。

ベルは【絶対回避】を発動し、【メテオ】を回避するが、【サウザンド・アイスシュート】をいくつか受けてしまい、ダメージを負う。


「地味に痛い……【クイックヒール】ッ!」


ベルはすぐに回復をするが、それが隙となり、《ブリッツェン・アインホルン》の落雷を喰らってしまう。


『やはり数が多すぎたかな? まぁボス三体を一人で相手しろというのが無理な話か』


「む、無理じゃないし! ちょー余裕だしっ!」


悔しくなり、そう言って立ち上がるベル。


『そうかそうか、余裕か! ならもう少し難易度を上げよう』


《ヘルツ》はそう言って笑うと、宝杖を一振りする。

すると《キャプテン・トートシュリット》と《ブリッツェン・アインホルン》はその背後に現れた魔法陣に吸収される。


「な、何をする気なのかな……?」


『すぐにわかるさ、【禁忌魔術】』


《ヘルツ》の【禁忌魔術】が発動されると、二つの魔法陣は互いに重なり合い、さらに大きな魔法陣に進化する。


「ま……まさか……そんなのありですか!?」


『全力だからな……これを言うのも三回目か』


合わさった魔法陣から顔を出したのは、《キャプテン・トートシュリット》を思わせる骨。

しかしその骨格は《ブリッツェン・アインホルン》だった。


『名はそうだな……《トートシュリット・アインホルン》でいいか』


『クォォォオオオオオ……ッ!!!』


禍々しい黒い骨の一角獣は、大きな身体に雷と風を纏い、スカスカの身体の中は黒い(もや)の塊が詰まっていて、それが身体の至る所から溢れていた。

さらに靄は少しずつフィールドに広がっていき、ベルの足元が黒い靄に覆われるとズッシリ重く感じるようになる。


「足重いしなんか視界が悪いし! この靄嫌いだ!」


黒い靄は触れたプレイヤーを鈍足状態にし、さらに若干の盲目状態にもする。その効果は本体に近付くほど強力になっていく。


『モンスターの融合は初めてだったが……問題ないようだな』


「くぅ~! 上で見物してぇ! 【テレポート】ッ!」


ベルはそう言って《トートシュリット・アインホルン》に【テレポート】で接近する。


「【クイックスラッシュ】ッ!」


《トートシュリット・アインホルン》の左足に【クイックスラッシュ】で攻撃するが、それは強く弾かれる。


「かったァァ!!?」


骨が恐ろしく硬いのだ、しかしベルの装備しているナイフ、《断鎧の短剣》は相手の装備などの防御力を無視してダメージを与える効果がある。それが弾かれたとなると、防御力が凄まじいという訳でもない。

そうなると纏っている雷と風によるものなのだろうか。


「【スラッシュ】ッ!」


ベルは《トートシュリット・アインホルン》が纏っている雷と風に向けて単発攻撃をしてみる。

するとナイフは同じように弾かれた。


「これをどう解除するか……」


解除するとなると敵の特定の部位を破壊するという方法くらいだが、《トートシュリット・アインホルン》の場合、やはり角なのだろう。


「……せいッ!」


ベルは試しに角に向けてナイフを振るが、そこもやはり硬い。


『クォォオッ!』


「っと危なッ!」


《トートシュリット・アインホルン》が角を向けて突進し攻撃するのをギリギリで避けるベル。


「どうしようかなぁ! もうっ!」


全身硬く弾かれる。それに《ヘルツ》も攻撃してくるだろう。

そんな状況でどう《トートシュリット・アインホルン》を討伐しろと言うのだろうか。

合体しましたね。

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