表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
第三章:焼結の魔術師

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/241

第64話【自分を乗り越え生きてゆく】

『【マジックウェポン・砲撃】、開始』


魔術師、《ヘルツ》は自身の背後に【マジックウェポン】という魔法兵器を設置し、ベルに向けて自動砲撃を開始した。


「遅いッ! 【アクセルブースト】!」


しかしベルはその砲撃を見極め軽やかに避けていき、【アクセルブースト】を発動して《ヘルツ》に急接近する。


『まぁ、これくらいは避けてくれないと詰まらないな……【召喚術】』


だが《ヘルツ》は自身の足下に魔法陣を出現させ、【召喚術】を発動する。


『《ゴブリン》』


「ご、《ゴブリン》?」


《ヘルツ》によって召喚された《ゴブリン》は貧弱な木の棍棒を持っていて、これでどう対抗するのかベルにはわからなかった。


『キャッ?』


『【エンチャント・デスフレイム】』


すると《ヘルツ》は《ゴブリン》に向けて【エンチャント・デスフレイム】を発動する。

《ゴブリン》は極炎に包まれると、うめき声を上げて一瞬で消滅した。


『命を捧げ、顕現せよ! 【フィールドブレイク】!』


「ハァッ!? 【絶対回避】ッ!」


【フィールドブレイク】なんて、名前からしてフィールドを壊しに来ると予測したベルは即座に【絶対回避】を発動するが。


『【スキルキャンセル】』


「う……嘘でしょぉぉぉお!!!」


《ヘルツ》の【スキルキャンセル】により解除され、その次の瞬間に城は崩壊し、ベルは瓦礫の下敷きになってしまう。


「うぐ……耐えたけど……【ヒール】!」


ベルのHPは一瞬で8割ほど消し飛んだが、【ヒール】で即時に6割ほどまで回復する。


「まずい……動けない……」


瓦礫の下敷きになっているので、その重さで持続ダメージが入り回復したHPもジワジワと減っていく。


「エンチャント系も使えるし……さらに【スキルキャンセル】まで……スキルは全部持っているって考えとこう……」


ベルはこの時点で、いや、かなり前からだが《ヘルツ》をモンスターではなく、プレイヤー……人間として見ていた。

発動するスキルの多さもそうだが、本能、設定のまま攻撃する通常のモンスターと比べて、《ヘルツ》は考え、勝つ可能性のあるルートを見付けてその通りに実行している。

何のスキルを発動するか、それをどう対処するかということまで考えているだろう。


『【修復】』


「うぇ? ってうわっ! 浮いて……えぇ!?」


《ヘルツ》は壊した城を【修復】する。

瓦礫は浮き上がり、次々と元の位置へ戻っていく。


『やはり迫力が無いか……初見殺しというのは難しいな』


「城を壊して修復して……よく言うよ……」


ベルは再び《断鎧の短剣》を構える。

ベルはまだ《ヘルツ》に1ダメージだって与えていないのだ。


『まだ始まったばかりだ、もっともっと楽しもうではないか、【ガーディアンズ】』


《ヘルツ》はそう言って《ガーディアン》という全身鎧のモンスターの集団を召喚する。


『【ダブルエンチャント・アイスフレイム】』


さらにその《ガーディアン》達に【ダブルエンチャント・アイスフレイム】を施す。


「数が多いな……それなら! 【分身】! そして【幻惑】ッ!」


ベルも負けじとスキルを発動し、対抗する。


『数が多いなら減らせば良いだろう? 【マジックウェポン・砲撃】、【自動追尾】、開始』


《ヘルツ》はそう言ってまたも魔法兵器を設置し、そして次はなんと自動追尾式らしい。


「わ、私がどんどん撃ち抜かれていく……ってうわ! 危ない危ない……」


【自動追尾】の性能が良く、避けても避けても追い続ける砲撃に、ベルの【分身】が次々と消えていく。


『見つけたぞベル、【フロストショット】!』


すると本物のベルを発見した《ヘルツ》は【フロストショット】という氷の塊を一直線に飛ばすスキルを発動して攻撃する。


「ッ! なんでわかったのさ……!」


ベルはそれをギリギリで身体を仰け反らせ回避する。


『何故って……表情を見ればわかるだろう? 本体以外は全てNPCと変わりないのだからな』


だからと言って、本物の人間と全く同じように見えるNPCを見極めることが出来るだろうか。

そうなると《ヘルツ》は今の一瞬で全ての【幻惑】で増えて見える【分身】を一体一体確認したということになるのだろうか。


「……まずは《ガーディアン》を倒すか! 【クイックショット】ッ!」


ベルはそう言って【クイックショット】を一体の《ガーディアン》に向けて放つ。

が、しかし、ダメージ量は微量だ。


「やっぱ射撃耐性持ってるか……」


射撃耐性を持ち、防御力が高い《ガーディアン》、その数は10体だ。そして恐らく斬撃耐性もあるのだろう。

さらに《ガーディアン》を攻撃している最中に《ヘルツ》がただ見ているだけということも無い。


「これがユニーククエスト……これが、《ヘルツ》……!」


『さぁ、向かってこい、これがお前の試練だ! 乗り越えて見せろ!』


ベルはただ全力で。自分を乗り越える為に、全ての力を持ってこのクエストをクリアする。必ずしてみせる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ