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生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
第三章:焼結の魔術師

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第56話【獄炎の帝王へ挑む者】

書いていたらデータを消してしまい、必死に思い出しながら書きました。


【獄炎】により、火力が増した《ヴルカーン・カイザー》は炎の剣を数十本空中に生成し、突進しながらそれを放つ。


「熱い……熱気が凄いなこりゃ……!」


ベルは炎の剣を避け、突進してきた《ヴルカーン・カイザー》に避けながら一発、左前足に撃ち込む。


「っと、ダメージ無しか……」


しかし銃弾はその熱で一瞬で熔けてしまったのか、全くダメージは無かった。


『グゴォォウッ!』


《ヴルカーン・カイザー》はベルを目で捉えると、炎のブレスを吐き、ベルを攻撃する。


「【絶対回避】ッ!」


ベルは【絶対回避】で避けるが、炎の勢いが強すぎて避けきれずにダメージを負う。


「【クイックヒール】………熱い、凄く熱いよ……」


フィールドの地面は焼けて熱くなり、ベルも汗が止まらなかった。


「……でも、こんな熱さ……! ベリーに比べたらッ!」


そう言って、ナイフを抜く。


「【アクセルブースト】ッ! 【クイックスラッシュ】ッ!! 」


ベルはスキルを発動し、一瞬で《ヴルカーン・カイザー》の後ろへ移動していた。

その瞬間にベルは、【クイックスラッシュ】で左前足から左翼、そして尻尾をナイフで斬っていた。


「ベリーに比べたら、生温いね」


ナイフが炎で熔けてしまうのでは無いかと思っていたが、そんなことは無かった。

しかしもちろん、普通のナイフでは熔けてしまう。

ベルが持つこの青白く光るナイフは、ベルの奥の手。

射撃、そして普通のナイフでは通らない攻撃、そして噴石も第2形態になった時に消えてしまった。

なのでベルは、ならば奥の手で早く終わらせてしまおうと考えた。


「《断鎧の短剣》……あらゆるモノを断ち切る……ッ!」


《断鎧の短剣》は、ベルが《NewGameOnlin5》を始めたばかりの頃に、とあるモンスターを運良く倒した際に、これまた運良くレアドロップした武器だ。

しかしこのナイフは装備条件というものがあり、一定の俊敏力と、レベル60からではないと装備出来ないのだ。

つまり最近になってようやく使えるようになった奥の手だ。


「……【スピードアップ】、【クイックブースト】、【オーバードライブ】……ッ!」


そしてベルは、ロウの行動を真似て俊敏力を強化する。


「すぅ………フッッ!!!」


息を吸い、短く吐くと、一瞬で《ヴルカーン・カイザー》の背後へ移動していた。

ベルはその一瞬で、左前足から左翼、そして尻尾を斬っていた。


「ハッッ!!!」


さらにベルは、またも一瞬で移動し、20連撃を繰り出した。

スキルは使っていない。


『グォォオオオオ!!!』


《ヴルカーン・カイザー》は咆哮し、炎の剣を生成し、さらにブレスを吐き攻撃した。

しかしその瞬間にベルは攻撃を避けながら、30連撃の攻撃。

さらに【地雷】や【グレネード】を残していた。

それらが爆発し、さらに追い討ちをかける。


「弱点発見ッ!」


さらに《ヴルカーン・カイザー》の内部にある心臓を発見したベルは、それを狙って突撃する。


「【クイックヒール】! 【クイックヒール】! 【クイックヒール】ッ!」


ベルは【クイックヒール】で回復しながら心臓を何度も何度も何度も攻撃する。


「あなたもお食べ! 【バーストグレネード】ッ!」


ベルは《ゲフリーレン・カイザー》の時と同じようにグレネードを投げ込み、爆発させる。


『グォォ………』


「まだ倒れないか……【フルチャージ】、【オーバーチャージ】……【リミットブレイク・チャージ】」


ベルは、武器やスキルの威力を強化する【フルチャージ】、そしてそれの上位互換【オーバーチャージ】、さらにさらに強化する【リミットブレイク・チャージ】を発動する。

最後はナイフで決めたいところだが、これだけ強化しても残りのHPを削りきるのは難しいだろう。

だからベルは、取得していた魔法スキルを発動することにした。

魔法スキルの大半は、《魔法使い》、《魔導師》が持つ“杖”が無いと使えないものばかりだが、杖無し……つまり素手で発動することが出来る魔法スキルもある。


「これで終わり……【アイス・エイジ】ッ!」


ベルは、《ヴルカーン・カイザー》に向かって腕を伸ばし、氷属性の魔法スキル、【アイス・エイジ】を発動する。

【アイス・エイジ】は普通、微量のダメージしか与えずに相手を一定時間拘束するスキルなのだが、【フルチャージ】などでありったけ強化された【アイス・エイジ】は、フィールド全体を凍り付かせ、《ヴルカーン・カイザー》を氷漬けにした。


「ふぅ~…………さっむっ!」


《ヴルカーン・カイザー》の炎で焼けて熱くなった地面は凍り付き、温度は急激に下がり、ベルの息が白くなっていた。


「っと、【シュート】」


ベルは【シュート】で氷漬けになった《ヴルカーン・カイザー》へナイフを投げる。

刺さった衝撃で、氷が割れて、氷漬けになってしまった《ヴルカーン・カイザー》は、そのままバラバラに崩れた。


「……ありがとう」


ベルは《断鎧の短剣》を拾い、お礼を言ってから仕舞った。

《ヴルカーン・カイザー》は光の粒となって消え、フィールドには氷の塊だけが残っていた。


「ドロップアイテムは……また名無しのやつと……あれ? これだけ?」


アイテムを確認すると、またもバグっているのか《   》と、また《テレポーター》があるかと思っていたが、それもなかった。


『お見事、としか言いようがないね、ベル。正直これを突破できるとは思ってなかったよ』


「そりゃどうも、で? このあとはどうすればいいのかな?」


ベルは空中に現れた魔術師にそう聞く。


『今ここで戦ってもいいが……ちゃんと舞台は用意されているんだ、そこでやろうじゃないか』


「舞台ねぇ……」


『わかっているだろう? ダンジョンだよ、この《焼結島》の地下にはダンジョンが広がっているんだよ』


そう言われ、嫌そうな顔をするベル。

普通ダンジョンはパーティーを組んで挑むものなのだ。しかも《焼結島》のモンスターのレベルからして絶対に一人で行くものじゃない。


「……一人で?」


『ユニーククエストだからな』


「マジで?」


『マジだ』


そう言われてベルは低く唸ると、諦めて承諾した。


「わかった、じゃあ真っ直ぐボス部屋に向かうとするよ」


『あぁ、待っているよベル。そこで会おうじゃないか』


そう言うと魔術師は闇となって消えた。


「誰か連れてくるべきだったかなぁ……」


そう言いつつ、ベルはそのダンジョンを探して歩き始めた。

果たしてベル一人でダンジョンへ行くのか。

それとも誰か参戦してくるのか……。

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