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生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
第三章:焼結の魔術師

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第55話【炎焼の帝王】

※炎焼の帝王ですが、ヴルカーンは火山という意味です。

炎焼の帝王……《ヴルカーン・カイザー》との戦闘が始まると、こちらも初見殺しをしてくる。

巨大な揺れが起こったと思ったら、火山が突如噴火し、噴石が落ちてきたのだ。


「【テレポート】! よっ! ほっ! 【絶対回避】!」


しかし《ゲフリーレン・カイザー》との戦闘で、ある程度予想していたベルは難なく避けていく。


『グゴゥッ!!』


《ヴルカーン・カイザー》は咆哮すると、火球を幾つも飛ばしてくる。


「【スピードアップ】!」


火球をこれまた難なく回避していく。

それもそうだ、《ヴルカーン・カイザー》の動きは、《ゲフリーレン・カイザー》とほとんど同じだったのだ。

ほとんど同じ動きなので慣れてしまったベルにとっては避けやすい攻撃ばかりだ。


「【サウザンドシュート】ッ!」


ベルは火球のお返しに【サウザンドシュート】を発動して攻撃する。

が、しかし。


「き、効いてない? いや、ダメージは入ってる……?」


なんと、【サウザンドシュート】が全弾命中したのにも関わらず、HPはほんの僅かしか減っていなかった。

ベルはいくら射撃耐性を持っているとしてもここまで減らないとは思わなかったのだ。


「なら……【シュート】ッ!」


ベルはナイフを【シュート】で、《ヴルカーン・カイザー》の頭へ投げる。

《ヴルカーン・カイザー》はそれを避けようともせず、そのままナイフは命中した。

そしてHPは先程と変わらず全く減っていない。


「ど、どうすれば……」


《ヴルカーン・カイザー》は全身、炎で作られたような見た目のドラゴンで恐らくその炎でダメージを緩和しているのだろう。


『グォォォオッ!!!』


《ヴルカーン・カイザー》は咆哮し、飛び立つと、フィールドの周りを飛行し始めた。


「嫌な予感……ッ!」


ベルがそう言った瞬間、《ヴルカーン・カイザー》は

飛行しながら炎の剣を生成し、ベルに向かって放つ。


「【テレポート】ッ!」


ベルは瞬時に【テレポート】で回避するが、炎の剣は地面に直撃する前にピタリと静止し、【テレポート】したベルに再び向かってくる。


「うそっ!? うぐっ……!」


四方八方から炎の剣が飛んできて、さらにそれは自動的に追尾してくる。

避けても避けてもまた向かってくるのだ。


「ぐっ……! 【絶対回避】ッ!」


ベルは【絶対回避】で避けるが、避けた先へ再び向かってくる。

さらに炎の剣はまだ作り続けられている。

避ける本数もどんどん増えていく。


「ふっ! ……くっ! 避けきれないッ!」


ベルのHPもどんどん減っていく。

直撃は防いでいるが、擦った炎の剣は消えずにまた向かう。

数分で30本もの炎の剣がベルを襲っていた。

そして、《ゲフリーレン・カイザー》戦から休憩していないベルは体力的にも限界だった。


「まだ……全然HP減らしてないのにッ!」


『グォォウッ!』


擦っただけでもかなりHPが減っている、もし直撃したら、必ず体勢が崩れ35本となった炎の剣が一斉に襲ってくるだろう。

そうなればゲームオーバーだ。


「そもそもどう攻撃すれば……!」


フィールドの周囲をグルグルと飛行している《ヴルカーン・カイザー》を銃で攻撃するのはいつもなら容易い事だ、しかしこの状態で撃ったとしても当たるはずがないし、その隙に炎の剣が飛んでくるだろう。


「……待てよ? 【分身】ッ! 【幻惑】ッ!」


ベルは【分身】と【幻惑】を発動すると、炎の剣の挙動がおかしくなり、次々に地面に突き刺さって消えていく。


「よっし! これなら攻撃出来る! ……けど、どうすりゃいいのさ……」


炎の剣は見事回避することに成功したが、普通に攻撃してもダメージ量は極僅かだ。


「ヴルカーン……火山……噴火、噴火? そういえばさっき……」


ふと、足元を見ると、初見殺しに来た噴石がゴロゴロ転がっている。これがただの攻撃なら、数秒で消滅するはずなのだ。


「……これを投げろとでも言うのか?」


嬉しいことにその噴石の大半は野球ボールほどの大きさでとても投げやすかった。


「……【シュート】ッ!」


ベルは噴石を掴み、【シュート】で《ヴルカーン・カイザー》へ投げる。

《ヴルカーン・カイザー》は飛行しているが、ベルにとって炎の剣が脅威では無くなった今、当てるのは容易い事だ。


『グァッ!?』


「おぉ! HPが結構減った!」


噴石が《ヴルカーン・カイザー》の右翼に命中すると、HPは大きく削れた。

ベルが右翼を狙ったのはそれで落下するかと思ったのだが、その素振りはない。


「はーい、私集合ー」


ベルは降り注ぐ炎の剣が自身を避けて地面に突き刺さっていく中、【分身】を集める。

【幻惑】により沢山居るが、現在ベルが【分身】出来るのは精々五人だ。

そしてもちろん、今から行うことは。


「はい! 【シュート】!」


ベル分身体が噴石を持つと、ベル本体がそう指示し、一斉に【シュート】で投げる。

《ヴルカーン・カイザー》は今度は避けようとするが、そのほとんどが【幻惑】、本物の噴石では無いので、ベル本体も合わせて六つの噴石が《ヴルカーン・カイザー》に命中し、大ダメージを与えた。


『グォォゥ……ッ!』


一本目のHPバーを少し残してしまったが、流石に耐えられず落下した《ヴルカーン・カイザー》に落下ダメージが入り、一本目のHPバーを削りきった。


「これで……第2形態!」


そして起き上がった《ヴルカーン・カイザー》はより一層炎の勢いが増し、足元にある石や地面が真っ赤になっていた。


『《ヴルカーン・カイザー》がスキル、【獄炎】を発動しました。』

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