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生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
第二章:ムラサメの刃

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第45話【嵐を切り開く】

強い暴風の中、大量に出現した骸骨のモンスター達を相手にしながらボスの《キャプテン・トートシュリット》を攻撃するのは難しかった。

すぐに片付けてボスへ攻撃するというのも出来ない。


「悪い! 中にもモンスター湧いてて時間かかった!」


ここでソラ達が合流する。


「【白狼】、【大鷲】、【大蛇】!」


「……【創造・槍】トライデント」


アップルは白狼達を召喚し、フィールは槍を創造する。


「【挑発】! 【カウンターシールド】!」


そしてソラが【挑発】をして骸骨のモンスターを集め、【カウンターシールド】を発動する。


『ガロッ!』


骸骨モンスターの1匹がボロボロの剣をソラの盾に攻撃すると、剣は弾かれダメージが入る。


「よし! 皆今だ!」


ソラの合図でまず骸骨のモンスターを片付ける。


「白狼と大鷲は【アイアンクロー】! 大蛇は【毒牙】!」


アップルの指示で白狼達はそれぞれスキルを発動してモンスターに攻撃していく。

そしてベルは副職業の罠師のスキルを発動する。


「【地雷】! 【手榴弾】!」


骸骨モンスターの群れの中に【地雷】を仕掛け、【手榴弾】を投げ込む。

かなり大きな爆発が起きて骸骨モンスターの一部が消えた。


「ベルすごーい!」


「ふふん、罠師のスキルもけっこう取得したからね!」


ベリーは驚いていたが、骸骨モンスターは増え続けている。これではきりがない。


「【幻手】!」


「【エンチャント・ヘルライトニング】……!」


バウムとフィールはボスの足止めをしてくれているが、少々押され気味だ、いつまで持つかわからない。


「アップル! 後ろ気を付けろ!」


ソラがアップルの背後に居た骸骨モンスターに気づいて注意する。


「ッ! 【絶対回避】!」


アップルはギリギリで【絶対回避】を発動して避け、白狼がその骸骨モンスターを倒す。


「だ、ダメだ! このボスどんどん回復してるよ!」


ボスの相手をしていたバウムがそう言う。

確かにさっきから攻撃しているのにも関わらずHPに変動は見られない。


「何か条件がある……? それとも……」


「ベル危ない! やあッ!」


骸骨モンスターに襲われそうになっていたベルを助けるベリー。

するとその行動を見たベルが何かに気付いた。


「……まさか、このボス……」


ベルが咄嗟にボスのHPを確認すると、微量だが回復したのが見えた。しかしそれは一定間隔ではない。


「皆わかったよ! このボスはその骸骨のモンスターを倒すことで回復するんだ!」


無限に湧き続ける骸骨のモンスターは倒されると《キャプテン・トートシュリット》のHPを回復させる。

しかしこれがわかったとしてもこの大量のモンスターをどうにかしなければ思うようにボスにダメージを与えられない。


「ボスが召喚……してるような素振りもないし……ううーん……!」


ベルは頭を悩ませるが全く検討がつかない。

するとベリーがあることに気付く。


「ねぇベル! ソラ君が中にもモンスターが居たって言ってたよね?」


「え? うん、言ってたけど……」


「船の中に何かあるんじゃないかな!」


確かにフィールとアップルが部屋に居たからというだけで中にも大量に湧くはずはない。


「わかった、ちょっと見てくるよ」


「ベル一人で? 大丈夫?」


ベリーは心配そうにベルに聞く。


「……任せてよ! ここでは先輩なんだからさ!」


ベルはそう言って船の中へ走った。



***



「ってうわぁ……外よりも沢山いない?」


船の中の廊下には骸骨モンスターがあちこちに出現していた。


「【分身】! 【幻惑】! そして【クイックショット】!」


ベルは【分身】と【幻惑】でうまく誘導して本体である自分は【クイックショット】で攻撃しながら奥へ走る。


「何かあるとしたら……操縦室か!」


形が変わり、NPCも居なくなったはずの船は今だに動き続けている。

ベルは操縦室に向かい、扉を蹴り開ける。


『キュイ!?』


操縦室にはモンスターが1匹居て手には紫に光る水晶を持っていた。


「あんたが召喚してたんだね……」


ベルはロケットランチャーを構えて言う。


『キュリィ!? キュ! ギギッ!』


「悪いけど私も船酔いしてきたから止めてもらうよッ!」


ベルはそう言ってロケットランチャーのトリガーを引く。

操縦室はもちろん丸焦げになり骸骨モンスターを召喚していたモンスターは跡形も無く消し飛んでいた。


「ふぅ……水晶も砕けたしこれで……」


ベルはそう言ってベリー達のところへ戻ろうとすると、またあの感覚だ。

操縦室の窓から見える海は止まっており、船も全く揺れもしなかった。


「あー、また?」


『ハァ……本来はこういった欠片がいつの間にか消えているというシステムなのだが……どうもバグっているらしい』


ベルの目の前にはあの魔術師が居た。


「あなたってさ、モンスターなの?」


『あぁ、その通りだ』


「モンスターがAI化したってのは知ってるけどここまでとはね……」


『お前も慣れたようだな……まぁボスモンスターくらいだが私達には意思がある、その中で私はここがゲームということを自覚している………という設定なのだろうな』


魔術師はそう言って砕けた水晶の欠片を集める。


「設定ってわかってる時点で凄いよ」


『あぁ、私自身、早くこのバグを直してほしいが……ってもう話してる時間は無いな』


魔術師は付けている腕時計を見て言う。


『とにかくこれはクエストだ、お前だけのな』


「うん、わかってるよ」


『……では、戦える日を楽しみにしているよ、プレイヤーベル』


魔術師はそう言うとパッと消えて周りの時間も動き出す。


「こんな大掛かりなクエスト、私一人でやるってのも骨が折れるけど……やってやるよ!」


ベルはそう言って操縦室を後にした。



***



「皆! 骸骨のモンスターを召喚していたモンスターは倒したよ!」


「よっし! さっさとこいつら片付けるぞ! 【挑発】ッ!」


ソラはベルの言葉を聞いて再び【挑発】を発動して骸骨モンスターを集める。


「【霧雨ノ太刀・三】ッ!」


「【トライデント・フィニッシュ】……!」


ベリーは【霧雨ノ太刀・三】で骸骨モンスター達を斬る。

そしてフィールはスキルを発動すると槍を上に高く投げる。

すると雨のように槍が降り、骸骨モンスター達を貫いていく。

突き刺さった槍は一瞬で雷と化しさらに追い討ちをかける。

こうして骸骨モンスターを一掃し、全員で《キャプテン・トートシュリット》への攻撃を開始する。

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