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生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
第二章:ムラサメの刃

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第44話【船上の戦い】

ブックマークが190件になりました!

ありがとうございます!

第3階層にもプレイヤーが多く見られてきた頃、ベリー達は竜島でモンスターを討伐していた。


「ベリー、バウム! そっち行ったぞ!」


ソラがワイバーンのモンスターの攻撃をガードしていたが、それを抜けてベリーとバウムの所へ向かう。


「バウム君!」


「わかった!」


ベリーとバウムは意志疎通し、同時にスキルを発動する。


「「【一閃】ッ!」」


そしてその間にソラがガードしているモンスターをフィール、そしてベルが片付けていく。


「【パワーフィールド】! 【大蛇】!」


アップルは一定の範囲内の味方の攻撃力を上げるスキル【パワーフィールド】を使用し、レベルアップで手に入れた新たなモンスター、【大蛇】を召喚する。

【大蛇】は一定確率で敵を毒か麻痺状態にする攻撃をするサポート向きのモンスターだ。


「【挑発】!」


そして減ってきたモンスターを【挑発】で補充しそれを狩る……というのをかれこれ一時間やっている。


「【雨ノ矢】!」


「【霧雨ノ矢】!」


「【サウザンドショット】!」


バウム、ベリー、ベルがそれぞれスキルを発動してモンスターを一掃する。


「……ん、レベルアップ」


「お、フィールもか、俺もだ」


フィールとソラが今のでレベルアップしたことを告げる。


「けっこう狩ったね」


バウムはポーションを飲んで言う。全員のレベルは大体60と言ったところだ。

一番レベルが低いベリーも54になり中級者に……なっているといいだろう。


「どうする? 一旦戻る?」


アップルが召喚した【大蛇】を戻して言う。


「そうだね、帰ってベリーに武器強化して貰わなくちゃ」


「あ、僕もお願いしていいかな?」


ベルとバウムが副職業が鍛冶師であるベリーに頼む。


「うんうん! いつでも大歓迎だよ!」


ベル達に重宝されている鍛冶師は人気があまり無く、ベリーの元へ強化しに来る他のプレイヤーも居るほどだ。

NPCが運営している鍛冶屋もあるのだが、高レベルの武器などはプレイヤーが強化したほうが成功率が上がるのだ。

ベリーもみんなの役に立てて喜んでいた。

こういった戦闘にはあまり役に立たない副職業は選ぶ者は少なく、ベル達も戦闘系の副職業、もしくはサポート系の副職業を選んでいた。


ソラの副職業は《狩人》でステータスの攻撃力を上げたり、動物系のモンスターへのダメージが上昇する効果がある。


バウムの副職業は《研究家》でポーションの効果を上げたり、レベルが上がるとMPの消費を抑えることも出来る。


フィールの副職業は《司書》で、これはステータスの変化は無いが本の作成が出来る。モンスター図鑑やアイテム図鑑などだ。

またその場でメモしたい時に簡単にメモを保存する便利機能もある。


アップルの副職業は《調合師》で、素材があればその場ですぐにポーションを作ることが出来る。作ることが出来るポーションの種類は豊富で攻撃力や防御力を上げるポーションも作ることが出来る。


副職業はこれ以外にも数多く存在し、《盗賊》や《料理人》といったものもある。


「いやー、やっぱり船旅は気持ちがいいねぇー」


「そうだね! 風が気持ちいいよー!」


そんなこんなで船に乗り込み街へ戻るまで少々時間があるので風に当たっているベルとベリー。


「ってあれ? 他の皆は?」


ベリーがベルにそう聞く。


「アップルとフィールは何か船酔いとかで寝てるよ、ソラとバウム君はそっち」


ベルがそう言って指差した方向にはソラとバウムが何やら話していた。


「何話してるんだろうね?」


「うーん……わからないと言っておこう」


「わかるってこと!?」


ソラとバウムが話していたことはもちろんベリーの事で……。


「バウム、成長したな……ベリーとあんなコンビネーション……」


「う、うん、自分でもビックリしてる……っていうかなんで泣きそうなの」


ソラは涙腺を押さえて涙を堪える。


「それはそうと、だ」


そう言ってソラは海を見る。釣られてバウムも海面を見た。


「……波が高くなってる」


「あぁ、それに風も強くなってきてる……」


そして先程まで青空だったが一変し黒い曇り空になっていた。


「ね、ねぇベル……? 他の乗客は?」


「え……?」


ベリーに言われてベルは辺りを見回すと、NPCが居なくなっており、船の形もどんどん不気味に変化していった。


「これは……ソラ、バウム! クエストが発生してるッ!」


「あぁわかってる! 俺ちょっとフィールとアップル起こしてくるわ!」


突如発生したクエストにソラはフィールの元へ行き、ベリー、ベル、バウムは武器を構えて集まる。


「……クラーケンとかかな?」


と、バウムが出現するだろうモンスターを予測する。


「いや、この船の感じ……多分……」


そしてベルは船の形状から察してモンスターを予測する。

すると周りに次々と骸骨のモンスターが大量に現れてくる。


「やっぱり、これ幽霊船だ!」


この街から竜島などへ行く船は稀にイベントが発生する。海賊に襲われたり、嵐に襲われたりといろいろあるが……今回のは沈没した船の船員達が襲いかかる最もめんどくさい、鈴の言う通り船が幽霊船となってしまうイベントだ。


『アアアァァー…………』


《キャプテン・トートシュリット》という名の一際大きい骸骨のモンスターはまさに船長と言うべき姿だった。


「レベル60……同じくらいか……【絶対回避】」


ベルはそう言うと【絶対回避】を発動し、スナイパーライフルを構える。


「前衛任せた!」


「「了解ッ!」」


ひとまずソラとフィール、アップルが来るまで持ちこたえる事を優先し、うまく攻撃を交わすことにした。


「【霧雨ノ舞】! 【捕食者】!」


「【幻手】! 【トリプルアロー】!」


ベリーとバウムはスキルを発動して交互に少しずつ攻撃していく。


「【ビームショット】!」


ベルは《キャプテン・トートシュリット》の弱点を探すように【ビームショット】であちこちを撃っていく。


『アアァ……【ストームフィールド】……』


《キャプテン・トートシュリット》はその攻撃を抗うようにスキルを発動し、暴風を巻き起こす。


「くっ……! 風が強すぎてうまく狙えない!」


風は立っているのもギリギリなほど強力で、さらにHPが少しずつ減ってきていた。


「なんとか持たせる! 【霧雨ノ太刀・一】ッ!」


ベリーは【霧雨ノ太刀・一】を発動して《キャプテン・トートシュリット》の右足を攻撃する。


『アアァァァァ…………!』


「うぐっ! こ、これは!?」


攻撃したからなのか、ベリーは“呪い”という状態異常を受けてしまった。


「ベリー下がって! 【幻手】!」


するとバウムが前に出て【幻手】をまた発動して2匹に増やす。


「呪いなんてどうやって解くのぉ!?」


ベリーは状態異常を回復するポーションを飲んだのだが、呪いが消えることは無かった。


「まずいなぁ……戦闘の後だからポーションも少ないし……あぁもう! 早く戻ってきて!」


ベルは武器をサブマシンガンに変えて骸骨のモンスター達を攻撃しながら叫んだ。



***



その頃ソラ達は船内にも出現した骸骨のモンスターを倒しながら進んでいた。


「くそ! 狭すぎる!」


「こんな狭さじゃ召喚も出来ないっ!」


船内は狭く、とても【白狼】などモンスターを召喚できなかった。


「【創造・槍】……ゲイボルグ!」


フィールはなるべく大きな動きをしないように槍を創造し骸骨のモンスター達を突いて攻撃する。



___そして嵐はさらに吹き荒れる。

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