第42話【五老人ミニゲーム4】
五老人ミニゲームもそろそろ終盤ですね!
ベリーは一人、竜島を探索していた。
「スゴーい! あれはドラゴン?!」
空を見上げると、ドラゴン……というよりはワイバーンだろうか、かなりの数が空を舞っていた。
「ふんふーん♪」
ベリーは鼻歌を歌いながら平原を歩く、目指すは竜島の奥地、深林の中だ。
他の皆は副職業の強化をしているのでベリーも自身を強化しに来たのだ。
「【捕食者】! 【剣ノ乱舞】!」
『キュウゥゥー!』
ベリーは道中に居た植物のようなモンスターの大群を倒していく。
「よし! レベルアップだ!」
ベリーはその後奥へ進みながらモンスターを倒していき、経験値を稼いでいった。
***
「…………またやってしまった、ここどこぉ……?」
いつの間にか森に入っていて、また迷子になってしまったベリー。
「えーっと……えーっと………あ、あれぇ~?」
ベリーは来た道を戻ろうとするが、木々が生い茂り、道などなかった。
「ほっほっほ……やっと来たかのぉ……」
「なぜお爺さんがここに!?」
木の枝に立っていたお爺さん。
「なぜって……もうこれで4回目じゃよ? わかるじゃろう?」
「ハッ!? 五老人ミニゲームっ!」
すると『《五老人ミニゲーム4》を開始します』と、もはや強制的にクエストがスタートした。
「今回、わしと勝負するわけじゃが……わしももう年でのぉ、じゃからお主にモンスターの討伐をしてもらおう」
「は、はいっ!」
「ここよりもう少し奥に行くと古い神殿がある、そこに住まう竜を倒してくれ」
「わかりました! では行ってきます!」
「気を付けてのぉ~」
お爺さんに見送られながら、ベリーはさらに奥へ進み、少し歩くと例の神殿が見えてきた。
「よし、【霧雨】! 【絶対回避】! 【開放の術】!」
ベリーはあらかじめスキルを発動し、神殿へ進む。
神殿はボロボロになっていて、天井は崩れ、壁には苔が生えていた。
すると、その崩れた天井の部分からドラゴンが首を出した。
そしてベリーを見つけると翼を動かし、神殿から出てくる。
「で……でっかい……!」
ドラゴンは大きく、その辺の木よりも少し大きかった。
『クエスト、《五老人ミニゲーム4:獄竜タルタロスの討伐》を開始します』
HPバーは2本あり、最初は鱗に色が無かった《タルタロス》だが、クエストが始まった途端真っ赤になり、口から獄炎を吐いた。
「ッ! 【霧雨ノ太刀・二】ッ!」
ベリーはあらかじめ発動していた【絶対回避】で獄炎を回避し、【霧雨ノ太刀・二】を発動する。
【霧雨ノ太刀・二】の効果で徐々に《タルタロス》のHPは削れていく。
『ゴォォ……!』
《タルタロス》は低く唸ると、神殿を破壊し、翼を大きく広げて威嚇する。
「【霧雨ノ太刀・二】ッ! 【剣ノ乱舞】ッ!」
ベリーはさらに【霧雨ノ太刀・二】を発動し、《タルタロス》に継続的にダメージを与えていく。
そして【剣ノ乱舞】で前足を攻撃する。
『ゴゥッ!』
《タルタロス》は短く咆哮すると、空を飛び、火球を5発飛ばしてくる。
「うわっ!? あちっ! 状態異常!?」
火球が当たり、ダメージを受けるベリーに、火傷の状態異常が付属されさらにダメージを受けていく。
「【捕食者】! というか降りてきなさい! 【霧雨ノ太刀・一】ッ!」
ベリーは【捕食者】を発動し、《タルタロス》のHPとMPを吸収し、【霧雨ノ太刀・一】を空を舞う《タルタロス》に放つ。
『グォォッ!?』
【霧雨ノ太刀・一】は《タルタロス》の左翼に命中し、《タルタロス》は地面に落下する。
「霧雨解除! 【鬼神化】! 連続発動【鬼神斬り】ッ!」
ベリーは瞬時に《タルタロス》の頭に近づき、【鬼神斬り】を15発放ったところで止め、【覇気】を3回発動する。
『グッ……! ガッ、アアァ!』
さらに動けなくなった《タルタロス》にMPポーションを飲んでMPが回復したベリーは【閻魔】をチャージする。
『グォォオオオオ!!!』
少しして動けるようになった《タルタロス》は大きく咆哮すると、こちらも口を開き獄炎を溜める。
「さぁ来い! 【閻魔】ッ!」
『ゴォォオオオッ!!!』
両者の炎がぶつかり、辺りの木々が焼けていく。
「うぐっ、ダメだ……頭痛が……っ!」
しかしベリーは頭痛によりどんどん《タルタロス》に押されていく。
『ゴォッ!』
すると『タルタロス』は翼をバサリと一度羽ばたくと、結晶のような赤い尖ったものを出現させ、ベリーに放つ。
「うあっ!?」
その衝撃でベリーは後方に飛ばされ、【閻魔】が解除されてしまった。
それはつまり、《タルタロス》の獄炎をモロに受けてしまうといえことだった。
「き、【霧雨ノ舞】っ! ……あ、あれ?」
ベリーは【霧雨ノ舞】を発動しようとしたが、なぜか発動しない、それもそのはずだ、何故なら【閻魔】でMPはほぼ無くなっており、【捕食者】の効果も切れていた。
これにはベリーも負けたと思った……だが、獄炎がベリーに触れようとしたその瞬間、驚くべきことが起こったのだ。
「こ、これは……刀が炎を吸収してる!?」
ベリーの刀、《鬼神ノ太刀・烈火》が獄炎を吸収したのだ。
そしてベリーの前に文字が現れる。
「えっ? ……『《鬼神ノ太刀》の進化条件を満たしました、これより進化に移ります』っ!?」
文字を読み上げて驚きの声をあげるベリー。武器が進化するなど微塵も思っていなかった。




