表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
第二章:ムラサメの刃

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/241

第40話【第三階層、海の街!】

第 三 階 層 へ !

 《ナイトメア・クラウン》を倒し、第三階層に足を踏み入れたベリー達。


「ふぉぉお! 海!?」


「ちょっ、ベリー! 危ないよ!」


 ベリーは海へ真っ先に走っていく。

 第三階層のテーマは海。まるでリゾートに来たかのような、機械の街とは全く違う。

 けっこうな暑さで所々にお店が並び、街の大半を占める海にはNPCやプレイヤーが泳いでいた。

 そして一番目を引くのは少し奥にある巨大な船。


「これなんだろうね?」


「多分乗れる……かもね」


「これに乗るって……長旅になりそうね……」


 ベリーとベル、そしてアップルがそう言っている間にも船ではNPC達が荷物を積んだりと作業をしている。


「しかしまさかこんなところだとはなぁ……見た感じフィールドは海っぽいけど……まさか泳ぐのか?」


「そうかもね、海で戦えるのかは疑問だけど」


 ソラとバウムは街の外と思われる広大な海を眺めて言う。

 そしてソラの言葉にフィールが「およ……ぐ……」とこの世の終わりを見ているかのような表情をしながらポツリと呟いた事は誰の耳にも入らなかった。


「クエストの受注ですか?」


 と、水着を着たNPCのお姉さんが声をかけてくる。


「え? クエスト?」


「はい、ここ海の街はご覧の通り街を仕切る壁などは一切ございません、なのでモンスターが街に入ってきてしまうのを防ぐために討伐クエストをいつでも受注可能にしています。クエストを受けたらあの船で移動するんですよ」


 お姉さんは丁寧に説明する。確かに第一階層や第二階層の街は大きな壁が街を囲んでいて、モンスターの襲撃を抑えているようだった。

 しかしそんなものをこのリゾート地に置くわけにもいかないので定期的にフィールドでモンスターを狩るということだ。

 報酬もかなり良く、討伐数に応じて支払われるようだ。


「スゲーな、船でどこまで行くんだ?」


 ソラの質問にもNPCのお姉さんはしっかり答えていく。


「全てのフィールドに行くことが出来ますよ、ここ第三階層にはここを含めて4つの島があります、海で戦うこともありますが……大半は島に上陸してモンスターと戦って頂きます」


「へぇ、島があるのね……何かクエストがありそうね」


 4つの島と聞いてなにかしらのクエストがあると予想するアップル。


「1つは竜島と呼ばれる島でモンスターが多いです、2つ目は焼結島と呼ばれる島です、ここは神の領域と言われている島で上陸は出来ますが島の中心に進むほど気温が下がっていくらしく、最終的に皮膚が焼けるほど冷たくなる…という伝承です」


「うわぁ……何があるのか気になるけど行きたくないなぁ……」


 焼結島のことを聞いて必ず何かはあるとは思うが人が生きていける環境じゃないので恐らく何かのクエストをクリアすることで道が開けるのだろう。


「そして3つ目が巌流島です」


「巌流島……って、あの……?」


 フィールが島の名前で思い出したのは佐々木小次郎と宮本武蔵の戦いで有名な巌流島だ、恐らく同じものを再現したのだろう。


「ここはモンスターが居らず、観光に最適ですよ」


「唯一行ける島で安全な島ってことか」


 ソラは脳内に島のことをメモしていく。


「それにしても……暑いね……」


 バウムが汗を拭きながら言う。


「今日の気温は34度ですからね」


 NPCのお姉さんも暑そうにしていた。


「ねぇねぇ! 海行かない? 海!」


 ベリーが海を指差しながら提案する。


「そうだねー、ちょっと遊んでいこうか!」


 全員頷き、海へ向かう。海はとても綺麗で、魚も沢山泳いでいた。


「って海に来たは良いけど……水着なんて無いわよ?」


 アップルがそう言う。だが水着は問題なかった。


「あそこで貸し出ししてるってよ、行こうぜ」


 ソラがそう言って指を差した先には『水着! 貸し出し! 無料!』という看板があった。

 少し怪しい雰囲気だったが、特に何もなく、さっさと水着に着替えて海へ向かう。


「さて、まだ女子陣は着替え中か」


「そうみたいだね」


 ソラとバウムは浜辺に座りベリー達を待つ。


「………なんで、俺達ゲーム内で海に来てんだろうな…」


「ま、まぁ…お金もかからないから学生に優しいしね……」


 ソラとバウムはボーッと空を見上げて待ち続けた。



* * *



 一方その頃女子更衣室では……。


「フッフッフ……まさかロウさんと海に来れるなんて!」


「あっ! あなたは!」


ベリー達が水着に着替えようとしていたその時、なんとハクが現れた。


「あれ? あなたは……やけに元気でうるさい赤い人……?」


「ベリーだよっ!」


「えっとつまり……あのプレイヤーも居るんだね……」


 ベルがそう言う。


「まぁただ遊びに来ただけなんですが……邪魔するなら潰しますよ?」


 ハクは着替えながらニッコリと笑った。

 そしてその笑顔に震えるベリーとアップルだった。



* * *



「まさか、こんなとこで会うとはな……」


「むぅ………」


 水着姿をお披露目! する暇も無く、ロウとベリーは睨み合う。

 ベリーは勝負事に関しては負けたらリベンジして勝ちたいのだ、ライバル視という訳でもないが、強者であるロウに勝ちたかった。そしてそれはベルも同じだ。負けたままではいられない。

 だが今はまだ何も成長していない、リベンジしてもまた負けてしまうだろう。


「絶対次は勝つ……!」


「精々足掻くくらいはしてくれよ?」


 リベンジに燃えるベリーだが、フィールに負けたままなのは良いのかとベルは思った。

 しかし仲間となってしまった以上やりづらいし、フィールとも仲良くやっているのでそこは気にしていないのだろう。


「パラソルとブルーシート借りてきたわよー!」


 そう言ってパラソルとブルーシートを置くアップル。


「早く……早く……!」


 するとフィールが【加速】でも使っているのかと思うほど素早くパラソルとブルーシートを広げる。


「私、寝てる……おやすみ……」


 こうして泳ぐことを回避するフィール。


「むぅ……そこまで言うならあの岩まで競争だよ!」


「ハッ! お前なんぞスキルを使わなくても勝てる!」


 と、ベリーとロウはいつの間にか競争し始める。


「邪魔しないって……言ったのにぃ……!」


「ご、ごめん……多分ロウもだけど……走り出したら止まらない」


 ハクは仕方なくフィールの隣に寝転ぶ。


「じゃあ、ロウさんがこっち来たら教えてくださいねー」


「はいはい、ごゆっくり……」


 ベルはすることも無いのでとりあえず海に入ってプカプカ浮き始める。


「残念だったな……バウム……」


「えっ!? な、なななな何が!!?」


「動揺し過ぎだろ」


 パラソルの影に座っていたソラとバウム、そしてアップルはやることも無いのでベルと一緒にプカプカ浮く。


「負けたぁぁぁああ!」


「俺の俊敏力舐めんなよ?」


 という、遠くでベリーとロウの会話が聞こえた。

 こうしてのんびりとした1日を過ごしたベリー達であった。

遅くなりましたすみません……(´  ρ `)

船の出番はもちろんあります。

第三階層は長くなりそうですね(´  ρ `)


以上、最近顔文字にハマっている黒巻でした(^w^)!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ