第35話【ムラサメの刃】
累計アクセス数が4万を越えていました!
ありがとうございます!
今回はちょっと短めです。
修正しました。
「さぁさぁ! 準決勝戦に参りましょう! 続いての対戦チームはぁ~……チーム:優勝vsチーム:ムラサメでぇーっす!」
そして両チームが入場する。
「あっ、あの……ボクは何をしたら?」
と、チーム:ムラサメの一人のプレイヤーが言う。どうやら初心者プレイヤーのようだ。
「適当に支援するか、攻撃当たらねぇとこに引っ込んでろ、俺一人でやる」
「え、ロウさん一人でですか?」
「いいからテメェは離れてろ! 邪魔だ!」
ロウ、という男のプレイヤーはそう言って初心者プレイヤーを突き飛ばし、刀を構える。
「あいつらマジかよ! これはやっぱり俺達チーム:優勝の勝ちだな!」
「おう! さっさと倒して次に行こうぜ!」
そうチーム:優勝の二人が言った。
「おいテメェら」
するとロウが言った。
「舐めてると食われるぞ」
「は?」
「ゲームスタァートっ!」
お姉さんが開始の合図をすると、ロウは一瞬で敵の背後に回った。
「なっ、速っ……! ぐっ!?」
ロウはプレイヤーの背中に刀を突き刺す。普通ならこの程度ならまだHPが残る。普通なら。
「全て喰らい尽くす、【村雨】ぇえ!!」
そう叫び、刀により一層力を入れてスキルを発動する。
「ぐぁぁあ! こ、これはっ、く、クソォォオ!」
プレイヤーは最後にそう言って、人魂となった。
開始数秒で行われたこの行為。観客達は動揺せざるを得なかった。
「ふぅ……次はテメェだな?」
「ひっ、ひぃぃい!」
【村雨】という効果がわからないスキルで、仲間が一瞬でやられたプレイヤーは、両手剣を構えながら後ずさる。
「おうおう、情けねぇな? お前らのチーム名は“優勝”だろ? 優勝すんじゃなかったのか?」
「そ、そうだっ! 俺達はこの為に練習してきたんだ! せめてお前だけでもっ!」
「まぁ、アドバイスするとな? もうちょっと周り見ような」
「……は?」
するとプレイヤーは宙に浮き、いつの間にか後ろに居た、謎の黒い化け物に捕食された。
化け物はペッと人魂を吐き出すと、あの初心者プレイヤーの武器に吸収されるように戻っていった。
「どうですかロウさん! 教えられた通り、隙を突いて攻撃出来ました!」
「おう、偉いぞハク、手間が省けた」
「ねっ! ねっ! なでなでしてください!」
「あー、ほら、よくやったぞー」
ロウはなでなでをせがまれ、仕方なくハクの頭を撫でる。
「え、えー、勝者、チーム:ムラサメー! いやぁ驚きですねぇ、あんなスキルあるんですねぇ……お姉さんもNGOやりたくなっちゃいますよ!」
と、お姉さんはちょっと引き気味に言った。
「つーかハクテメェ、一人称変えろって言ったよな? お前一応女だろ?」
「一応じゃなくて、れっきとした女ですよボクは!」
「あー、もういい、早く休憩して決勝に備えるぞ」
「わかってますよー!」
そうして二人は待機室に向かった。
***
「……あのプレイヤー、もしかして……」
「うぇ? ベルあのプレイヤー知ってるの?」
「うん………えっとね、NGOは元々VRMMORPGじゃなかったんだけど、《NewGameOnlin4》で初めてVRMMORPGになったとき……プレイヤーを狩る、PKプレイヤーが居たんだ、それだけなら良いんだけど……そのプレイヤーはフィールドで待ち伏せて、多くのプレイヤーを倒したらしくて、一時期NGOの人口が急激に減ったことがあったの……そしてそのプレイヤーの名前は、“ロウ”」
ベルは、口で苦虫を噛んだような顔をする。恐らくベルもそのプレイヤーに出会ったことがあるのだろう。
「あの【村雨】ってスキル……ベリーが持ってる【鬼神化】とかと同じ、特別なスキル……ユニークスキルだよ、もう片方の化け物も多分同じ感じのスキル」
「……倒せる、かな?」
「わからない……けど、まずはチーム:朧を倒さなきゃ」
「……そうだね! よーし! 絶対優勝するぞぉ!」
そうベリーは意気込み、準決勝戦、チーム:朧との戦いに向かった。




