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生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
真章後編:君ありて幸福

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真編・第105話【遂に終わらせる時が来ました】

最終決戦です。

 ……苺がそこに足を踏み入れると、背後の扉が勝手に閉まる。もう後へ引くことは出来ない。


「ここは……」


 《バベルの塔・第100階層》、最上階であるその場所は薄暗く、青い光が断続的に駆け巡る。


『マップ整理完了……現在地はAフロアと呼ばれる場所らしいです。右の通路を進むとBフロア……生活スペースのようですね。さらに奥へ進めばコンピュータールームであるCフロア。そしてその先が……実験室、Dフロア……』


「実験……五島さんが居そうな場所は?」


『CとDが怪しいですが……これは、ちょっと表示させますね』


 そう言うとローゼは苺の視界に第100階層のマップを表示させる。部屋全体は円形…ドーナツ型になっており、ローゼが言った通り4つのフロアで作られていた。しかし、空白となっている真ん中を苺は凝視する。


『《禁足地》でのこともあります。恐らくマップに表示されない空白地帯……どこかに道があるはずです』


「じゃあ探してみよっか、ローゼは一応周りの警戒をお願い」


『了解です、ベリーもお気をつけて!』


 しかし、探すと言っても親切に隠し扉を置くとは思えない。苺はとりあえず全フロアを回ることにする。


「ここがBフロア……あ、これ……理乃ちゃん?」


 生活スペースであるBフロア。中はガランとしており、部屋の端っこにデスクとベッドがあるだけだった。しかし、苺はベッドの上から1枚の写真を見つける。そこには金髪の男性と黒いロングヘアーの女性……そして幼い理乃が写っていた。


『ライさんの私物…ですね』


「うん、理乃ちゃんに持っていってあげよっか」


 苺はその写真をデータ化して、ローゼに預ける。次のコンピュータールームであるCフロアも同じくガランと殺風景で、巨大なモニターに《クインテットタウン》がリアルタイムで映っていた。


「防壁も壊れてないし、みんな大丈夫だよね」


『はい。ですがこの先のDフロアに行く道が……このスイッチでしょうか』


 ローゼがそう呟くと、一部の壁が開き、ガラス越しにDフロアが見えるようになる。


「__ッ!? これ、紅いのって全部……血?」


『ベリー、微量ですがDフロアにユーベルウィルスがあるようです。入るなら、気をつけて』


「…………」


 苺は布で口元を覆うと、《鬼神ノ太刀・真閻》を抜刀してガラスを破ってDフロアに入り込む。複数ある血がベッタリ付いたカプセルはあまり視界に入れないようにして、周りを見渡す。


「……モニターがある」


 近くにあった起動中のモニターのマウスに手を触れ、ファイルを1つ開く。その中身は重郎が苺に託したデータと同じ、世界融合について書かれていた。


『ベリー、一番下のもの……つい最近に作られています』


 日付は今日だった。中を開くと、一部が文字化けした文章がズラリと並んでいた。


「……人を取り……神……創る?」


 読めることの出来たのはそこだけで、他はローゼでも解読が出来なかった。


『データがほとんど壊れているようです。時間があれば直すことも出来ると思いますが……』


「今はそれより、中心部へ行かなきゃね」


 そのファイルの1つからヒントは得た。中心部へ行くためのテレポーターが設置されているらしい。それらしきものを見つけ、その前に苺は立つ。これを踏めば、その先に五島……偽神が居る。


「すぅぅ……はぁ……最終決戦だよ、五島さん」


 苺はそう言って、青く光る円の内側へ……

 神の領域へ侵入した____






▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼






「待っていた」


「……ッ」


 士狼、林檎、鈴が死ぬことになってしまった元凶を前に、苺は一瞬我を失いかけるが唇を噛んでなんとか踏み止まる。


「終わりにしましょう、五島さん! 世界を、槙奈ちゃんを解放してくださいっ!」


「少し残念だ。戦う覚悟があって来たのかと思ったら……真っ先に話し合いを始めるとは」


「正直、今にも斬りかかりそうですッ。だって……あなたは鈴を、みんなを……!」


「フン、最初から話をする気は無い。オレを許せないというのなら殺す覚悟で来るがいい……! オレはここまで来たお前を……希望だとか言うふざけたものを、この絶対的な力を持って捻じ曲げるッ! 完全に成長したお前さえ勝てないと思い知らせれば、全人類はオレの管理下に着くしかないのだからなァッ!!」


 すると、五島は光の粒となって消え去る。


『__ベリーッ!!!』


「わかってるッ!!」


 刹那、予測した未来が見える。苺はその場から離れ、抜刀する。ここからは全てをありえると仮定して動かなければならない。何故ならば相手は__


『八坂苺、殺ス……ッ! 殺して、オレはッ! オレは◆ァァ▼▲ァァァァ!!!!!』


 先程まで苺が立っていた場所に、虚無から“偽神”が出現する。床が綺麗に削れていた。もし動いていなければ苺の身体も削られ、消えていただろう。


『五島文桔の反応消滅! 同時に超エネルギー体、《エクス・システム》の反応を感知……!』


「まさか、取り込んで!?」


『アアアアアアアアアアッッ!!!!』


 真っ白な肉体に、両肘から突き出た噴出口……異形と言える頭も真っ白で、顔の倍ある曲がりくねった巨大な角がのっぺらぼうな顔から突き破るように生え、目の部分から炎のようにユーベルウィルスが揺らめく。心臓部には金に光り輝くものが埋め込まれていた。__偽神降臨だ。


『オレだけが管理出来る世界を! 何者にも干渉されない世界で……オレはまた始めるのだッ!!!』


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