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生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
第一章:生まれて初めて

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第15話【解放の鍵】

まさかの第2形態。


修正しました。

 変形、さらに合体し、いわゆる第二形態になった《ベフライウング・シュリュッセル》は長い腕を降り下ろし攻撃してくる。



「ベリー! レーザーも来る!」


「りょ、了解ぃ~!」



 ベリーとバウムはなんとか攻撃を回避したが、さらなる追撃が来ようとしていた。



「どうしよう、攻撃する暇が無いよ!」


「僕がなんとか隙を作るから、ベリーはその間に攻撃を!」


「うん!」



 バウムがそう言うので、ベリーは隙が出来る瞬間に残りHPを削り切るスキルを発動する準備をする。



「よし……【幻手】ッ!」



 バウムは【幻手】を使い、出現した不可視の手に太刀を持たせる。



「【幻手】、【幻手】、【幻手】ッ!」



 そしてバウムはさらに発動して幻手を計四体出し、その全てに太刀を持たせる。

 ただ【幻手】というスキルは、欠点として数が増えるとだんだん姿が見えるようになってくるので、今はベリーにもはっきり見えている状態だ。



「装備して……っと」



 バウムは弓を装備し、構える。



「よしっ……来いッ!」


 その言葉を合図にしたのか、また小さい浮遊物体が何体も出現する。

 浮遊物体たちはバウムに向かってレーザーを放って攻撃し、ボスは腕を降り下ろしながらレーザー砲を撃つという強引な攻撃に出る。



「【クリティカルショット】!」



 だが、それらの攻撃は太刀を持った幻手によって防がれ、雑魚敵は斬られていく。

 そのためバウムはボスだけに集中し、【クリティカルショット】を発動して攻撃する。



「……攻撃の威力は強くて、防御力も強化されてるけど……攻撃モーションはそれしか無いみたいだね!」



 第二形態になったことにより、HPが半分近くまで回復しているが攻撃は遅く、レーザー砲に気をつけていればどうということはない。



「よし、今だ! 【封印】――ッ!」



 バウムは《ベフライウング・シュリュッセル》が攻撃で怯んだ隙に【封印】を発動する。

 【封印】というスキルは、毎秒MPを少しずつ消費する代わりに相手の動きを止めることが出来るスキルだ。

 しかしバウムは【幻手】や【クリティカルショット】を発動したせいでMPをかなり消費していたので、あと少しの時間しか《ベフライウング・シュリュッセル》の動きを止めることが出来ないが……それで充分だった。



「今だよベリー!!」


「うん、ありがとうバウムくん!」



 そう、ベリーの必殺技は充分な時間稼ぎにより、既に準備は完了していたのだから。



「【閻魔】――――ッ!!!」



 そう叫び、太刀を一振り。

 すると、煌々と燃え盛る巨大な炎の斬撃が周囲を焼き尽くす勢いで現れ、真っ直ぐ《ベフライウング・シュリュッセル》に向かう。

 炎は球体の体に直撃した瞬間、その体全てを包み込むように大爆発を起こす。



「「――うわっ!?」」



 その爆発の威力は、ベリーとバウムを部屋の端の方まで吹き飛ばすほどの威力だった。

 充分過ぎるこの火力に、ボロボロとなった《ベフライウング・シュリュッセル》は体の立体物たちを崩す。



『排除……失パイ、ゼン機能ヲ……シャットダウン、シマス……』



 それだけ声を発すると、青白く発光していた光は静かに消え、《ベフライウング・シュリュッセル》は光の粒となって消えていった。



「……ほへぇぁ~、やったぁ~!」


「うん、やったねベリー」


「うん! バウムくんが敵を引き付けてくれたおかげだよ、ありがとう!」


「ッ、こ……こちらこそ、ありがとう……」



 グイッと顔を寄せて、バウムの両手を握って笑顔でそう言ったベリーに、バウムは頬に熱を感じながらお礼を返した。

 そうして、光の粒が舞い上がっていくのを見ていると何やらアイテムがドロップした。



「えっ~と、《解放の鍵》……だってさ、何に使うんだろう?」



 ベリーはドロップした鍵を眺めながら言う。



「うーん……どこかの隠し部屋の鍵とか?」



 そう言って考える二人だが、いくら考えても答えは出ず。

 この鍵の使い道はわからずじまいに終わった――。



* * *



「――フィール! お願い!」


「ん……【加速】……」



 ベルの合図でフィールが【加速】を発動し、敵を一掃する。



「ふぅ~、お疲れさん。てかよ、何かここ敵が多くないか?」



 ソラがそう言うのは無理もない。

 なぜなら、ベリー、バウムと別れてからもうモンスターとの戦闘はこれで六回目だ。

 一回の戦闘で出現するモンスターの数も多く、さすがに疲れてきていた。



「うへぇ、やっぱあの落とし穴が正規ルートなのかなぁ……でもここまで来ちゃったし、突っ走るよ!」



 ベルは拳銃をホルダーに収納すると、ダッシュで階段を登り始めた。



「どのみち……もう、戻れない……」



「あー……そだな。階段はどんどん崩れてるし進むっきゃねぇ! よーっし、走るぞー!」



 そうして三人は崩れかけてる階段を背に、上へ上へと駆け上がって行った。

次回には合流するかな?

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