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生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
真章前編:Not Game Online

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真編・第10話【三神侵攻防衛戦:終結】

『£▼§◆◇■◆¢¢‡$!』


 《ヘルメス・ユーベル》は笑うように奇妙な声を上げながら、挑発するように出たり消えたりしている。


(時間停止…じゃない、ただの瞬間移動か……でも現れるまでの時間がバラバラ…)


 鈴は冷静に敵を見据え、分析する。


「……皆この世界に来てから新しいスキルを取得してるなぁ、私も負けてられないか、【フルチャージ】」


 鈴は右手に《断鎧の短剣》、左手にハンドガンモードの《KS01》を装備して、【フルチャージ】を発動する。


「とにかく、大人しくしてろッ! 【アイス・エイジ】ッ!」


 そう言って出現した《ヘルメス・ユーベル》を【アイス・エイジ】で拘束した鈴は、さらに続けて【フルチャージ】と【アクセルブースト】をノーボイスで発動して接近する。


(やっぱり声に出さなくても発動できるんだっ)


 苺の動きを見ていてノーボイスのスキル発動が可能ということがわかった鈴はコツを掴んだようで連続で発動したようだ。


「ハッ!」


 そして試せそうなことを試していく、【クイックスラッシュ】と【クイックショット】の“同時発動”だ。こんなことを実戦で試すなんて普通では考えられないが、鈴はなんとなく、出来るとわかっていた。


『¢■→◎※#★!?』


 同時に発動された【クイックスラッシュ】と【クイックショット】で、大幅にHPが減少した《ヘルメス・ユーベル》は【アイス・エイジ】の拘束を瞬間移動で抜ける。


(ここは現実、なら、システム外のことだって出来るッ!)


そう思って鈴は、【フルチャージ】、【オーバーチャージ】、【リミットブレイク・チャージ】をほぼ同時にノーボイスで発動。続けて【サウザンドショット】と【クリンゲル・シックザール】を発動する。【クリンゲル・シックザール】の効果で《ヘルメス・ユーベル》は麻痺状態になり再び動きを制限され、そこに激烈チャージされた【サウザンドショット】が降り注ぐ。


「ッ! まだまだァ!」


 鈴はそう言うと【ヒール】でHPを回復し、さらに【クリンゲル・シックザール】を使用して《ヘルメス・ユーベル》の防御力を低下させる。

 脳を酷使し、鈴の表情が苦しそうになるが、火属性スキル【ブレイズスラッシュ】、水属性スキル【メイルストロムスラッシュ】、風属性スキル【テンペストスラッシュ】、氷属性スキル【グレイシャルスラッシュ】を連続発動して攻撃する。

 《ヘルメス・ユーベル》のHPは一気に減り残り僅かとなる。が、しかし、最後の足掻きなのか、《ヘルメス・ユーベル》は麻痺状態にも関わらず瞬間移動をして、なんと街中に侵入する。


「っ!? まずい!!!」


 そして街中に侵入した《ヘルメス・ユーベル》は光の矢を大量に生成し始める。既に100は越えているだろう。あれを降らされたら一般人の被害が大きく出る。大斗達も離れたところに居るため街に戻る間に攻撃されてしまう。すぐに鈴は【テレポート】を発動して街に戻ると、発砲しながら《ヘルメス・ユーベル》に接近する。


「やめろォォーー!!!」


 そう叫んで【バウンド】を発動して飛び上がった鈴は《ヘルメス・ユーベル》を斬り裂く。だがなんと、《ヘルメス・ユーベル》はHPを回復させていた。


「あの一瞬で!?」


 もう間に合わない、光の矢は空を埋め尽くほど生成されてしまった。被害が出てしまう。だが諦めるわけにはいかない。


「例え脳が焼き切れてもッ! ハァアアアッ!!!」


 鈴は取得しているあらゆるスキルを次々と発動していく。リキャストタイムを頭でカウントダウンし、リキャストタイムが終了したスキルを再び使用する。武器も何度も持ち変える。


「ッ! あああああああッッ!!!」


《ヘルメス・ユーベル》はHPが減る度回復をしていく。その回復スピードは中々に速く、鈴はもっともっと速く動く。だがリキャストタイムが追い付かない。


『§→※£#○#℃§£!!!』


 《ヘルメス・ユーベル》は遂に光の矢を降らせようとする。HPは残り僅かとなってもすぐに回復スキルを発動してしまい元に戻る。


(嫌だ、嫌だ、嫌だッ! 人が目の前で死ぬのを、私のせいで死ぬのを見たくないッ!)


 必死に攻撃するが、もうダメだ。間に合わない。

 《ヘルメス・ユーベル》は矢を降らせ、街全体を攻撃する。矢を1本1本壊していくのも無理な話だ。


「【加速】ッ!!!」


 だが鈴は諦めなかった。【加速】を発動し、斬撃、打撃、射撃、あらゆる攻撃法で光の矢を破壊する。


「ッ! うおおおおおッ!!!」


 物凄いスピードで光の矢を次々と破壊する様を見て、《ヘルメス・ユーベル》も混乱しているようで矢をさらに生成し、鈴を狙って放つがそれも全て弾かれる。


「無理だって決め付けたらそこで終わりだ! 無理かどうかなんてやってみないと誰にもわからないッ!!!」


 そう言い終わると同時に、鈴は最後の矢を破壊した。


「必殺のぉーー! 【クラッシュキック】!!!」


 そのスピードを乗せた【クラッシュキック】を《ヘルメス・ユーベル》の顔面にお見舞いすると身を翻し、鈴はレールガンモードの《KS01》の銃口を《ヘルメス・ユーベル》に向ける。


「【零距離射撃】! 【フルバースト】ッ!」


 ノーボイスで【フルチャージ】等々を発動して、爆発するように放たれたレールガンの弾は雷尾を残しながら《ヘルメス・ユーベル》の頭を貫通した。


『○℃◎■¢§∴£≦……』


 《ヘルメス・ユーベル》のHPは回復する暇もなく0になり、光の粒となり消滅した。

 苺という負傷者が一人出てしまったが街への被害も無しという結果で終わった。

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