表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
真章前編:Not Game Online

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

132/241

真編・第5話【オリュンポス十二神】

実は特例(?)なので十三神。

 モンスターが生きているのか、それともただのプログラムなのか……そんなのどっちだっていい。……どうでもいい。


 私はただ目の前に現れた脅威を潰すだけ。こんな世界…■が■■■世界なんて、消えてしまえばいい。




 私はもう___。




* * *




「おっはよー!」


 苺がそう言って、いつものように笑顔で起床する。


「おはよう、苺さん」


「苺は元気だねぇ、不思議でならないよ」


 正樹と鈴は、そんな元気な苺を見ながらコーヒーを飲む。


「おはようって…もうお昼よ? さすがに寝過ぎじゃない?」


「うっ……お布団が気持ちよくて…干したばっかりだったし……?」


 苺は言い訳をするように林檎に言う。

 皆は不思議でならない、こんな暗い世界で、いつ死ぬかもわからないというのに、苺は変わらず笑顔でいた。


「なんでそんなに元気なのかなー?」


「それは…こんな世界だけど、皆と一緒だから! 一緒に寝て、一緒に食べる…それが楽しいんだよ!」


 鈴の問いに、苺はそう答えた。苺なりにこの世界の良さを見つけようとしたのだろう。しかし、その時の笑顔はちょっと、ぎこちなかった。


「そういえば、朝に三嶋さんが来たわ」


「えっ、もしかして……」


「その通りよ、バレたわ」


 林檎が、苺が寝ていた時に起こったことを話す。


 朝のことだ、今日もフィールドに出ようかと思っていたその時、三嶋がホームを訪問してきた。内容はこうだ。

 「なんでフィールドに出た」、「死ぬかもしれないんだぞ」、「頼むから街から出ないでくれ」という感じだった。


「そ、それで…皆どうしたの?」


「言ってやったよ、“冗談なんかじゃない”ってな」


 そう言った大斗や、他の皆の目が本気だったのを見て、三嶋はそれ以上何も言わなかった、いや…言えなかったのだ。それもそうだ、高校生と言ってもまだ子供なのに、強い決意を見せ付けられ、自分は何も出来ないくせに、あれこれ口出しする権利はない。


「ん……でも、対抗するために……レベルを100にするにしても…この辺りのモンスターは……経験値が少ない……」


「だよなぁ、高レベルになってくっとレベル1上げるだけでも大きいからなぁ」


 五島文桔がモンスターのレベルを低めに設定するのはほぼあり得ないと言ってもいいだろう。だからレベル上げは必須となるのだが……恐らくこれも対策なのだろう、街を囲むように出現するモンスター達の経験値量は少ない。行動パターンが同じなので楽に倒せるがやはり時間がかかる。


『……ッ! 皆さん、強い反応が《バベルの塔》から来ますッ!』


 突然、ローゼがそう言う。それがモンスターだということは苺達にもすぐにわかった。

 そして、モンスターの接近は街中に知れ渡る。多くの人がそれに恐怖する。苺達はすぐに街の北西門へ向かう。するとそこには、組織の人間と思われる戦闘部隊が武器を構えてモンスターに立ち向かおうとしていた。

 しかし皆脅えているようだ。それもそうだろう、組織の戦闘員と言っても、それは対人限定なのだ。モンスターと戦えるはずもない。かと言ってここを通すわけにもいかない。


「行こう! 皆!」


 苺の言葉に、鈴達は頷いて武器を構える。そんな様子を見ていた人達は、なぜそんなに勇敢に立ち向かえるのか、不思議でならなかった。


『◇●↓◆◎⇒〓⊆⊃⊃○■ッッ!!!!』


 モンスターの名は、《アプロディーテ・ユーベル》…オリュンポス十二神と呼ばれる神だ。身体が機械らしく、全身に金属のようなものが見える。しかしユーベルウィルスにより蝕まれ錆びた身体は、不気味な金属音を発しながら飛行している。

 まだ遠い位置に居るが、ユーベル化特有の強いノイズが混ざった咆哮をすると、《アプロディーテ・ユーベル》は街に侵入しようと翼を変形させ、ジェットのように高速で接近してくる。


「まずい、あのスピードで来られたらッ!」


 音速はあるだろうそのスピードに、鈴は門を破壊して強引に侵入する可能性があることを予測する。

 しかし、苺達の勇敢な姿に背中を押されたのだろうか、一人の男が向かってくる《アプロディーテ・ユーベル》の前に立つ。


「…ッ! ロウさん!」


 苺が嬉しそうな笑顔でそう言った瞬間、ロウは《HS・インフレイム》を後ろに構えて苺に言う。


「おう、リアルネームは六山士狼(むやましろう)だ、今後ともよろしく…なッ!!」


 士狼はそう言うと《HS・インフレイム》の形状を大きくするように変形させ、こちらも同じくジェットのようにブッ飛ぶ。


「墜ちろォォッ!」


 士狼はそう叫びながら《アプロディーテ・ユーベル》の頭を割るように《HS・インフレイム》を振り下ろす。


『●⇒↓◆〓!?』


 頭を思いっ切り叩き斬られた《アプロディーテ・ユーベル》は、火花を散らしながら地面に墜落する。


「…っと、なにボーッと突っ立ってんだ、行くぞ! 【インフェルノ】ッ!」


「はっ! あまりの力技に動揺していた! よーっし! 【真閻解】ッ! 【真・閻解ノ燈太刀・爆炎纏・轟獄(ごうごく)】ッ!」


 そうして墜落した《アプロディーテ・ユーベル》に、士狼の【インフェルノ】と苺の【真・閻解ノ燈太刀・爆炎纏・轟獄】による、爆炎が襲い掛かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ