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生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
第五章:アンファング

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最終話【GAME CLEAR】

…これで終わり?

「……や、やったぁぁぁあああ!!!」


 ベリーがそう喜びの声を上げる。倒したのだ、《ザ・アンステーブル・ユーベルデーモン・A》…“悪魔”を。


「やったねベリー!」


 ベルもそう言って喜ぶ。報酬などはもちろん無かったが、その勝利こそが報酬だ。


「よっしゃあ! 祝勝会だっ! 肉だ肉! あ、魚でもいいぞ!」


「「ソラはただ食べたいだけだったんじゃ……?」」


 ソラに向けて言ったフィールとバウムの声が重なる。


「なわけあるか! 3割くらいは本気で勝ちたかったぞ!」


「……つまりほとんど……祝勝会のため……」


「人間、ご褒美ってのがあるのとないのとじゃ変わるんだぜ? というか、食べたいだけだったらそこの食いしん坊のほうだろ」


 そう言ってソラはベルとなにやら話しているベリーを見る。

 いったい何を話しているのだろうか?


「あっ! そういえば私、お寿司無料券持ってるよ!」


「えぇ、なにそれぇ……」


 お寿司無料券、それは以前、第一階層での《五老人ミニゲーム2》の報酬として、寿司屋の鮨正から貰ったものだ。


「お寿司無料は意外だった」


「「「うん……」」」


 ソラの言葉に、またフィールとバウム、そしてベルの声が重なる。


「ま、とにかく! 祝勝会開いちゃいましょうか!」


「はい! そうですねアップル!」


 アップルとローゼも乗り気だ。


「全く…じゃあロウとハク、あとタケさん達も呼んでやりますかね」


「おー! いいね! じゃあ私先に言って鮨正さんに伝えてくるねー!」


 ベリーはそう言って第一階層寿司屋に向かって走り出す。


「あはは、ほんとに元気だね」


 バウムは走るベリーを見て笑いながらそう言う。


「それが苺だしね、よーし皆! ベリーを追い掛けるよ!」


「「「「「おーー!」」」」」


 そう言って、ベルを含めた六人は、元気に走るベリーに追い付くため、同じように走り出した。



* * *



 数分後、第一階層、寿司屋《鮨正》。


「なんでまたこんな賑やかなんだ?」


「さあ……ベリー達が考えることはボクにはわかりません」


 急に呼ばれたのでダンジョン攻略かなんかだと思えば、行き着いた先が寿司屋だったので半分気付いたロウとハクが店内に入ってそう言った。


「はむはむはむ……あっ、ろうふぁん、ふぁく、いらっはい!」


「ベリー、飲み込んで飲み込んで」


 寿司屋《鮨正》には、ベリー達チーム《ゼラニウム》と、ロウとハク、そしてタケとニャンコ二世とその仲間達、合計して15人ほどが集まっていた。


「やるならもっと早く言って欲しかったが……まぁ問題ない」


 店主である鮨正が弟子達と共に寿司を握りながらそう言う。


「あはは、ほんと、すみませ……ってベリー! それ私の!」


「ふぉえ? はぐはぐ」


「あーもう、鮨正さん! 大トロください!」


「え! 私も!」


「はいはい…飯は逃げねぇからゆっくり食べな」


 鮨正はそう苦笑いしながら言った。


「それにしてもよく倒せたねーベリーちゃん」


「あぁ、まさか乱入してくるとは思わなかったが……あのモンスターは何だったんだ?」


「んー、開発途中のモンスターがサーバーに逃げ出したー! とかじゃない?」


「世界中に展開しているゲームなのに日本だけにか?」


「うぅ、たまたま日本の居心地が良かったんだよ!」


「へいへい、帰ったら報告しようなー」


 八神と三嶋…ニャンコ二世とタケがそう言っていろいろ考えているようだが、今は祝勝会。楽しむことが大切だ。


「第五階層に行ったのか、んでもって”悪魔“ってのが乱入…ってなんだそのイベントは」


「よくわからないけど…とりあえず楽しかったです!」


「なら良かったな、ゲームは楽しまなきゃ意味がない」


「はい! ロウさん! あ、鮨正さん海老ください!」


「よく食うなぁ」


 ロウは既に100貫は食べているベリーを見ながらそう言った。


「うぅ…ロウさん……」


「うぅ…ベリー……」


 ハクとバウムはそう呟いて同じようにうなだれる。


「二人とも……暗い……」


「よく見ろって、そんな感じねぇだろ? まずベリーに」


「そ、そうだけど……」


「ロウとベリーは……なんというか……師弟?」


 確かにあの感じだと“師弟”というほうが合っているだろう。


「それでも隣に居るのはボクですッ!」


 ハクはそう言いながら酒でも飲むかのようにお茶を飲み干す。

 賑やかで楽しい祝勝会、これだけでも“悪魔”と戦った甲斐があっただろう。


「でももうちょっとレベル上げしてれば楽だったねー」


 ふと思い出したかのようにベルがそう言う。


「確かに、俺もそろそろ強化系スキルをゲットしようとしてたんだけどなー、俺の【神技】って味方のステータス強化にも特化してるんだぜ?」


 ソラが持つエクストラスキル、【神技】は攻撃面と強化面が優れている。


「ん……私も、《創造者》の熟練度がもう少しでMAXだった……そしたらモンスターも創れたのに……」


「待ってフィール、それだと私がいる意味が無くなるわ! あ、でも《召喚術師》のレベルが100になるとその場にプレイヤーを召喚したり召喚するモンスターのステータスを弄れるようになるわ! ……まぁ、これはユニークスキルでもなんでもないけど……」


 アップルがフィールに対抗するように言う。


「僕もベリーに負けてられないからね、状態異常とかいろいろ駆使して頑張るよ」


「それは私も、もっと《KS01》を使いこなさなきゃね、まだまだベリー達には負けないよ?」


 バウムとベルもそう言って余裕の表情だ。そう、まだまだ皆は成長の余地があるのだ。いずれは“悪魔”も越えるだろう。


「う……」


 するとベリーがお寿司を食べる手を止め、俯きながらそう呟く。


「う? どうしたのベリー、お寿司が喉にでも詰まっ…」


「生まれて初めて初めてゲームをしたら! パーティーメンバーが最強すぎる件についてっ!」


 まだ余裕そうな皆を見て、ベリーは最強すぎる仲間達に向けてそう言ったのだった。




* * *




「また…また邪魔をするか……八坂ッ!!!」


 男が一人、椅子から勢いよく立ち上がって自身の机に拳を叩き付け、そう叫んだ。

To Be Continued



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



Now Loading……


……

…………

………………



*警告、ここから先は――――GAME OVERだ。

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