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生まれて初めてゲームをしたらパーティーメンバーが最強すぎる件について!  作者: ゆーしゃエホーマキ
第四章:ユーベル

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第98話【完全復活! でも今日は厄日みたいですっ!】

「ふんっ……!」


 そう苺は勢いよく教室の扉を開く。


「完全復活っ! 皆様おはようございますっ!」


 そう言って教室に入ってきた苺。病室で目を覚ましてから数日後に退院し、学校へ復帰してきたのだ。クラスメイト達も心配だったのか苺に声を掛けていく。


「おはよ、苺、なんか今日はキリッとしてるね?」


「うん、皆に心配かけた分、今日はしっかりしようと思って!」


 苺がしっかりする、ということは鈴の負担が減るということになる。しかしこれまで「今日は頑張る!」、「今日こそはちゃんと!」という日があったが、性格上キリッとシャキッとすることは苺と真反対なので難しいのだ。


「うん、頑張ってー、っと、そろそろ授業が始まるね」


「あ、ほんとだ」


 授業の時間が近付き、苺は自分の席に座り鞄から持ち物を取り出す。


「よーし席に着けー、授業始めるぞー」


「あっ! 筆箱忘れた!」


 先生が授業を始めようとした瞬間、苺はそう言って立ち上がる。


「うぅ、今日はしっかりしようとしたのにぃー!」


「あはは……ほら、私の貸すから」


「いつもありがとね鈴ぅ……!」


「はいはい、早く座ろうねー」


 筆箱を忘れるのは日常茶飯事だ。忘れてこないほうが珍しい。

 しかし苺は一時間目から失敗してうつ向いたままだった。



* * *



「お昼だぁー!!」


「元気だねぇいつも以上に……私はちょっと寝不足で眠いよ」


 そう言う鈴の目の下にはよく見ると隈が出来ていた。


「何かやってたの?」


「ん、あぁクエストとべんきょー」


「寝不足は身体に悪いからダメだよ?」


「あはは、説得力あるなぁー、はむっ」


 鈴はそう笑いながらサンドイッチをかじる。


「私も食べ……はっ!? お、お弁当忘れてきた!!?」


 なんとなんと苺ともあろうものがお弁当を忘れてしまったようだ。これには鈴もびっくりする。何故なら、苺は“食事”に関しては絶対に間違えることはないのだ。


「苺がそれを忘れるなんて……こりゃ雨でも降るかねぇ、ほら私のをお食べ」


「あ、ありがとう鈴……! でも雨なんて降らないよー! だって今日の降水確率5%だった……よ……?」


 苺がそう言った瞬間、目に入った窓の外の空は一気に曇り、雨粒が一斉に落ちてきて土砂降りとなる。


「ご、5%とは……?」


「な、なんでぇ!?」


 本当に降ってきた、それどころかかなりの大雨だ。


「今日は厄日かもねー」


「うー、そうなのかなぁ……サンドイッチおいひい……」


 苺はそう言って、鈴から貰ったサンドイッチを食べるのであった。



* * *



 そして帰宅後の《NGO5》内、第四階層、雪原フィールドでは。


「なんでぇぇ! なんでぇぇぇえええ!!!」


「ちょっ、ベリー!?」


 ベリーは《アイスウルフ》の群れに追われていた。およそ30匹程度に。


「と、とにかく倒すわよ! 【白狼】、【黒狼】!」


 アップルはそう言って【白狼】を発動して《白狼》を召喚、そして新たに取得した【黒狼】を発動して《黒狼》を召喚する。


「ってこれクエストじゃねぇか!」


「ん……ほんとだ……」


 ソラがよく見てみると、ベリーが引き連れてきた《アイスウルフ》の群れは討伐クエストのものだった。しかしそれは数体で決して30などという数ではない。

 つまり、運悪く道中次々とクエストが開始されていき、どんどんモンスターが増えていったのだ。


「や、やるしかありません!」


「そうだね、待っててベリー! 【アクセルブースト】ッ!」


 ローゼの言葉に、ベルはそう言って【アクセルブースト】を発動し、《アイスウルフ》の群れに突っ込んでいった。


「うっしゃ! 俺達お得意のゴリ押しだ! 行くぞバウム、フィール!」


「了解!」


「ん……」


 そしてベルに続いてアップルの《白狼》と《黒狼》、ソラ、バウム、フィールが突撃する。


「ご、ごめんなさいねローゼ、このパーティー、作戦とかあんまり考えないから」


「いえいえ、賑やかで楽しいですよアップルさん! じゃあ私も行ってきますね! 【フルーク】!」


 ローゼはそう笑顔で言って、【フルーク】を発動して飛翔する。


「……もうなんでもありねこのパーティー……じゃあ私も、召喚! 【ニーズヘッグ】!」


 アップルはそう言って、戦闘に貢献するべく強力なモンスター、《ニーズヘッグ》を召喚する。

 上空の召喚陣の穴からズズッと顔を出した《ニーズヘッグ》はそのまま地上に落下する。


「ど、ドラゴンも召喚出来るようになったのアップル……?」


「ええ、皆に負けてられないから頑張ったわ!」


 そう言ったアップルの背後は《ニーズヘッグ》の落下の衝撃で雪が大きく舞い上がった。


『グオオオオオオッ!!!』


 「《白狼》、《黒狼》! 《ニーズヘッグ》の援護、《ニーズヘッグ》はまとめてぶっ飛ばしちゃいなさい!」


『ヴァン!』


『ヴァン!』


『グオオオオオオオオオオッ!!!』


 三匹は元気よく返事をすると《アイスウルフ》の群れを蹴散らしていく。


「うひゃー凄い眺めだ」


 ベルはいつの間にか【テレポート】を発動し、《ニーズヘッグ》の背中に乗って呑気にそんなことを言う。


「よーし私もお返ししちゃうぞー! 【鬼神化・閻解】ッ!」


 ベリーはそう言って【鬼神化・閻解】を発動する。するとそこで気付く。


「あ、あれ、【真閻解】のリキャスト……まだ終わってない!?」


 そう、ベリーが言う通り【真閻解】のリキャストタイムはまだ10分もあったのだ。この日はちょうど【真閻解】を発動してから一週間後、つまり【真閻解】のリキャストタイムは一週間もあるということになる。


「と、とりあえず、【閻魔】ッ!」


 驚くベリーだが、一先ずは目の前の《アイスウルフ》を倒すため、【閻魔】を発動して攻撃した。

アップルにちょっとだけだけどライトが!(出番が少ないことに自覚あり)

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