2章-1、魔法学の授業
魔法実習の時間。
魔法学は席が自由で、みんな好きなところに友達と座っている。
先に言っておくが、わたしは友達がいない訳じゃない。
ただ少々目立つ格好(ピアス、赤メッシュ)(なお校則違反)をしているため、周りの子まで変な目で見られたくないから、あまりつるまない様にしている。
そのためわたしは独りでいることが多い。
だから「見た目だけ陽キャ」とか「恥さらしの村八分」とか陰口言われるんだろうけど。
まあそんなことは気にしない。
みんな魔法ができるわたしを妬んでいるだけだ。
そんなこんなあり、魔法学のときはいつも最前ドセン。
だって誰も目に入らないし、最前なんて真面目ちゃんしかいないから悪口言われたり、邪魔されたりもしないし。
…先生は気に食わないけど。
実習室はパッと見、理科の実験室のようなところだ。
様々な器具が壁際の棚に収納されている。
ここで一応、魔法学の説明をしておく。
魔法、と言っても実際は「様々な条件等が揃ったときに起こる奇跡」と言った方がいい。
例えば夏のゲリラ豪雨。あれは上昇気流とかなんか色々な条件が揃って起きる(適当)。それを「今から雨が降る」と予言し、更にそれをコントロールする、というのが、現代の魔法の最先端だ。
別に魔法は天気に限ったことではないんだけど、いちばん一般ピーポーが真似できるのが気象魔法なんだよね。
なんか本場の魔法使いは、それこそ「瞬間移動」とか「違うものに姿を変える」とかできるらしいんだけど、まだ詳しく解明されていない部分が多すぎて、実用化されてないんだって。
まあ魔法なんて実際「イメージする力」で能力が決まるところがあるって先生も言ってたし、きっと本場は妄想力が違うのだろう。
妄想を科学では証明できないだろうしなあ…というのはわたしの自論だけど。
妄想力には自信がある(そのおかげで魔法ができると思ってる)し、そのせいで黒歴史産んできた人間に勝てると思うなよぉ!?
と、勝手に競争心(?)を燃やしていると、先生がやってきた。
「…高橋ぃ」
げ、始まった。と思った時にはもう遅かった。