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第2の人生

真っ暗だ。

目を開けているのか、閉じているのかすらもわからなくなるぐらい真っ暗。

どっちが上でどっちが下かすらもわからない。

むしろ、足元に地面すら無いのだから上下を決めること自体が無理なのかもしれない。

だからといって暴れるわけでもなく、ただ水の上を漂うようにその場に在り続ける。


確かさっきまでコンサートの真っただ中だったはずだ。

学校の文化祭で芸能プロダクションの人の目に留まり、あれよあれよという間に国民的アイドルグループとかいうものにされてしまっていた。


もともと隠れオタクでできれば家から出たくない系男子だったはずなのに、本人以上に周りが乗り気で気が付けばテレビに映っており、生放送だ、コンサートだ、握手会だ、雑誌の撮影だ、ドラマだなんだと、一般的な学生であればまず起こりえないぐらい目まぐるしく時間が過ぎて行っていた。

そして、俺の好きなゲームはほとんど手をつけれなくなり、アニメなんかは撮り貯めて見れていないデータが TB(数テラバイト)にも及ぶ。


そんなことを考えながらどれほどそんな状態が続いていたかも分からないが

ふと瞬きをしたその先にほんの僅かな光の粒が見え隠れし

瞬きをするたびに光は大きくなりあたりを照らし始めていく。


「見つけた…」


光の中心から声が聞こえたかと思うと強烈な光が放たれ、俺は目を開けていられず強く瞼を閉じてそれに耐える。

しばらく経ってから目を開けると、そこは先程までとうって変わって真っ白い世界。

そして、目の前にはマリア様とでもいいたくなるような女性が立っている。


「市ヶ谷一樹…ですね。私の名はユミル。神と呼ばれる存在です。」

「………」


夢を見ているのだろうか。

足首にまで届きそうな黒髪ストレートに、金色の瞳、今までお目にかかった事のないようなナイスバディ。

ぁあ、でも、よく小説とかアニメとかで見るよな、これ異世界に行ってください的な事を言われるんだ。


「先程の照明の落下事故で市ヶ谷様、貴方はお亡くなりになりました。」

「………」


あ、なんか思ったより重かった…てか、俺照明の下敷きになって死んだの?


「しかし、貴方様の魂はとても特殊な光を持っております。ぜひその力を持って異世界を救ってはくれませんでしょうか。」

「………って、結局異世界かよ!?」

「っ!?」


それまで黙っていた俺がついツッコミを入れてしまうと自称神様はビクリと胸…じゃなく肩を揺らし怯えた表情を浮かべている。


「えっと、ゴメンナサイっ!」


自称神様は間髪入れずに謝ってくる。特に謝って欲しかったわけでもないのだが。


「その、大変申し訳無いのだけど救ってほしい世界があるんです!貴方にはこの世界の人では持ち得ない力が魂に刻まれています。その力を持って救って頂きたいのです。

救っていただきたい世界は、市ヶ谷様の世界とは違い、魔法が発達しております。反対に機械と言ったものはほとんど発達しておりません。

そんな世界に現れた新たな魔王は絶大な魔法力だけでなく、魔法を動力とした機械などを放つなど、今の世界の人では対応し得ない存在なのです。」


祈るように胸の下で組まれた手は、おそらく本人からは見えていないのではないだろうか。故に手によって持ち上げられた胸は男なら誰でも視線が惹きつけられてしまうだろう。


「もちろん行くと言っていただければ(わたし)からの祝福を授けさせていただきます。何かご希望はありませんか?私の力で叶えられる範囲となってしまいますが出来る限りの対応をさせていただきたいと思います。」


行かないとは言っていないのだが、与えてくれるものは貰っておこうと思案に暮れる。


「ちなみに、経験値上昇、自然治癒、全属性適応、言語習得は取得した状態で送らせていただきます。

日常を送る分には支障なく過ごしていただけると思います。もちろん今までの記憶などもそのままにさせていただきます。」

「…俺が、今まで集めた物とかはどうなって……」

「申し訳無いのですが、現状ではすべてをあちらの世界へ持って行っていただくことはできかねます。

ただし、等価交換としてなら市ヶ谷様の世界の物を、あちらに送ることは可能です。」


目を伏せ申し訳無さそうに首を左右に振られれば、言葉の先を失って思わず盛大なため息をついてしまう。

が、続く言葉に一縷の光を見つけ、期待を隠せぬ表情で女神様に近寄ると両手を己の手で包み込むように握りしめ、この数年間何度となく浮かべてきた笑みを浮かべる。


「なら、現地通貨で俺がいた世界のものを取り寄せれるようにしてください。」

「わ、分かりました。ただし、すべてのものが送れるわけではありませんのでご了承ください?」


おそらくは電気機械的な物の事を言っているのだろうと納得して了承すると、スルリと掴まれた手から抜け出し一歩身を引き、何もない空間から1本の杖を顕現させると杖の先に光の珠を作り、その光を俺の体へと向ける。

光の珠は杖の先から離れると、音もなく俺の胸元まで移動し体に吸収されるかのように吸い込まれていく。


「望みの力を授けました。『オーダー』と唱えて頂ければ使用することが可能です。ただし、使えるのは1日1度きりですので使いどころを見誤らないようお気をつけ下さい。

それでは、カズキ・イチガヤに新たな息吹を!彼の者の進む先に栄光あれ!!」


高々と掲げられた杖の先から先ほどとは異なり、目を開いていられないほどの光が迸る。

とっさに目を閉じ強い光を避けるも、何も起こる気配がなく恐る恐る目を開けてみるとそこは……



見たことの無い、森の中だった。






登場人物が少なくて場所移動が無いと…文字数が増えない。

え、あ、うん…自分の文章力のなさですね、ハイ…orz

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