序章
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日曜日の休日、渋谷まで遊びに行った俺は異様な光景を目にする。
それは、渋谷109付近で、ドラゴンやゴブリン、ラビなど、ファンタジーに出てくるモンスターが大量に溢れ返っていたからだ。
そして、現実じゃ有り得ない騎士団達(?)が剣を振り回してはモンスターを退治していた。
周りの人らは、皆、動揺を隠し切れず、転んだり、逃げたりしては呆然としているのもいる。
そんな俺も呆然としていて、体が動かなかった。
うん…突飛すぎてついていけねえぜ。それに叫び声が聞こえると叫びたくなるのも分かるな…。
これが夢だったらいいのになぁ…なんて…
「ぶへぇっ!?」
俺は何かに激しくぶつけられて気が付けば倒れていた。しかも息苦しい……ん?
一瞬、なんだこの柔らかい感触は…と感じてしまったので気になった
俺は目を開けてみると、そこには見知らぬエルフの美少女ががが!!!
……胸でけぇ。
「いったぁ…」
エルフ美少女のおっぱいを凝視してたら強烈なパンチをくらいましたよ、はい。
色んな意味で鼻血が出ました。
俺は鼻を手で押さえながら、起き上がろうとしたが、美少女がどいてくれないので、声を掛けようとした時、美少女は俺に抱き付いて「あぶない!!」と押し倒してきた…どうやら、近辺にいたドラゴンが口から炎を吐きだして俺達を狙っていたらしい。
「大丈夫!?あんた死ぬとこだった…わ…よ」
つい、視線を逸らした時点で、二度目のパンチがきました!!最初より、遥かに痛いです!!
そして、気絶しました。
美少女はきっと、どうしようと慌てているのかも知れない。俺が悪いけど、君の胸もいけないんだ…言い訳だけどな。
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目を覚ますと、俺の腹の上には誰かのマントが掛かっていて、水の垂れる音が聞こえる。しかも、寝ている所が硬いせいで、背中が痛い。
…ってここは地下水道じゃねーか!!
誰かに突っ込みたい一心で激しく起き上がると、そこにはあのエルフ美少女と、さっき闘っていた騎士団がいた。思ったが、あの騎士団は3人いたんだな。速くて全く気付かなかった。
そんなことより俺はあの胸が(ry
「君はこの世界の住人かね?」
……は?
険しい顔で話し掛けてきたのはどーみても隊長らしき奴だよな?白髪のおじさんだし、禿げてるww
俺は「よっこいしょ」と立ち上がって、おじさんに顔を近づけてみた。なんか喧嘩売ってるみてえw
「俺も聞くけど、あんたら現実じゃ存在しない騎士団ってやつか?」
すると一人のオレンジカラーのショートヘアな女が激怒していた。
「失敬な!我々は剣闘団だ!騎士団とやらではない!」
感情が激しいな。少し落ち着けって思うわ。あと、グラディウスとか中二病か?ww
「受け入れ難い気持ちは分かるが、落ち着けって」
冷静な青髪の青年が、女の肩に手を置く。すると女は「すまない」と落ち込んでいる感じだった。
「なぁ、あんたらさ、ここは剣も魔法も無い世界なんだけど、どっから此処に来れたんだ?」
白髪おじさんは眉間に皺を寄せていた。
「それはわしらには理解出来ないのだ。だから、聞いておるというのに」
え?こいつら何か魔法とか使ってワープしてきたとかそーいうんじゃねーの?
それなら東京にドラゴンとか存在しないはず…どういう事だろうか。
そんな事を考えていたら、エルフ美少女が「あの~…」と挙手してきた。
「お話のお取込み中、悪いんですけど、私、貴方にちょっと個人的に
話したい事があるんですけど、いいですかー?」
美少女が俺を指してきた!?何故だ!?しかも個人的にとか意味深だな!!
いやいや、待て待て待て!俺は期待してるとかそーいうんじゃねえからな!!
白髪のおじさんは頷いていて、女と青年はにやけながらヒソヒソと小声で話し合っていた。
おじさんならともかく、そこの男女うぜえなww
はぁ…なんなんだよ…お前ら…。
俺が「いいよ」と言うと、美少女は俺の手を握って、走ってはグラディウスから数メートル離れた辺りで止まった。
しかし、女の子と手を握ってしまうとは…。しかも日本人じゃないのが複雑だわ。
手を離した美少女は俺に振り返って、微笑んでいた。あ…くっ…可愛いな…人間じゃないけど。
「唐突に言わせてもらうぞ。実は私は神様なのだよ♪少年♪」
……うーん。思いあがっているのかな…この人…ははは…。
苦笑いしかできねーよ…冗談かと思ったくらいだ。
「この世界は私がいた異世界と日本を合体させちゃったの。好奇心のつもりだったんだけど
まさか元に戻せるとは思わなくて…許されるとは思わないけど…ごめんね」
頭を下げてきた時点で、どうやら嘘とかついてはいないらしい。
それについては認めるが、今から多少の事は俺から言わせてもらおうかね。
「異世界と日本を一つにするとかふざけんな!!それでも神様かよ!何やってるんだよ!
遊び半分とか自分の立場わかってんのか!?」
俺が怒鳴ると美少女が頭を抱えて「ごめんなさい~」と泣きそうにしている姿に俺はどうでもよくなった。
だって可愛かったんだもん!!畜生!!一瞬だけど、癒されちゃったんだよ!!
…とりあえず話をまとめようか。
「しゃあねえなぁ…一緒に元に戻る方法探ってやるよ。グラディウスらにも説明していいよな?」
「ありがとう!!嬉しい!!」
すると美少女は満面の笑みで俺に抱き付いて…えぇぇぇ!?
おいおい…俺が胸を見た時は嫌がってたくせに、何でこういう時は恥じらいねーのかな…。
まぁ…いっか。