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茶色の空
そして、その頃…
―『ネリモノタウン』アステカマンション3206号室―
「たかし、ほんまに旅に出るんか!?」
今叫んだのは僕のかあちゃん。
かあちゃんは僕の背中をガクガク揺らしおる。
「かあちゃん!当たり前やん!僕が旅に出やな世界はまた無に帰すんや!」
僕は叫んだった。
昨日は夜中の3時まで起きてリュックサックに用意したんや。
逃げるわけにはいかん!
「じゃあかあちゃん行ってくるわな」
僕はリュックサックをギュッと握り、右手に持った愛剣「シャイニーエンドテクノロジー」を鞘に入れた。
「ほな、たかし!これ持って行き。」
かあちゃんは財布からミルクキャンデーを5つくれた。
助かるよかあちゃん。
ミルクキャンデーは体力30も回復するんやで!
「ありがとう。じゃあさいなら!」
僕はマンションの扉をぶち破って、駐車場に飛び降りた。
まぁここは1階やさかい、足がちょっと痺れたわ。
そして茶色の空を見上げた。
そう、僕は父ちゃんに『魔封じの箱ティッシュ』を届ける為長い長い旅に出たんや―