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披露宴―裏―


紳士との面会を終えた

二人の男は


仕えている「ボス」のところへ結果報告に訪れる



部屋には人間が3人いた



「…てなわけであそこのじいさんはダメだ」


背の低い男が言う



「じいさんなんて言ってはいけませんよ

仮にも最高取締役なのですから」


筋肉質の男が言った


「元だろ

今はただのじいさんだ

…つかそろそろ敬語つかうの止めやがれ」



「あ、悪ぃな

…つーこって ボス

あそこの建物は貰ってきたぜ」



「…てか俺には敬語使えよ」



二人の男の前にある

いかにも高そうな革の椅子に座っている人が言う



「仮にもお前らのボスだぜ?」



「いつかあんたが俺より背 高くなったらな

「渋みが出たらな」




「………ハァ」



まったく反省の色のない部下をみてボスと呼ばれた人はため息をついた




――コンコン――



『ただいま帰りました』



「あ、おかえり

入ってこいよ」


筋肉質の男が白い歯を見せながら言う



「…おい

なんでお前が許可する

……まぁいいけどさ」



カチャッ



部屋に入ってきたのは

サラサラの色素の薄い金髪に蒼い瞳をした男だった

外人らしくスラッとした高い鼻に高い背の男だ



「あのホテル…防犯、耐震、防弾、その他セキュリティ

従業員の身元もしっかりしていてなかなか信用できると思いますよ」



「そうか…」



提出された報告書を見ながらボスは言う



「…本当にやるのですか?

ボス」



「やるさ!

今まで日本人だの若いからだの

いろいろ言われて表舞台に出れなかったんだ」





そうなのだ

世界中に支店を出すスペラーレの社長はもうすぐ23歳になる日本人なのだ





今世界中に社長の影武者は20人ほどいる


アラビアの石油王だったり

アメリカの銃を扱う使う商人だったり

毒に詳しいフランス人だったり…


男だったり女だったり

年齢様々な人種の人がいる



そのため社長の姿が噛み合わないことがあり

信用できないということで

下の企業から批判が出てきているのだ



そこで社長の誕生パーティー&姿を披露しようと

会場を探していたのだ…




「ふぅん…なかなか良いところだな」

「だなぁ…食い物も旨そうだっ」

「今日は見るだけだったもんな」

「あぁ…あいつ…旨そうに食いやがって…」

「…てゆうかさぁ…――」


「俺を置いて話をするな

そして頭の上に腕を置くな!!」



「あ、悪ぃな」

「だってこんなトコにいい肘掛けが…」



「…イラッ…」



「はいはい

悠大も海斗もやめなさい

ボスもボスらしく大人しくしなさい」



ボスがキレる直前

ナイスタイミングで金髪の青年が止めに入った



悠大と呼ばれた背の低い男は

やれやれといった様子で近くのソファーに腰かけた



海斗と言われた筋肉質の男は

ボスから書類をとりあげ悠大の隣に座る



ボスは不満そうに姿勢を正した



「いいじゃねぇかラル

日頃俺らをコキ使ってんだから」



「そうゆう意味ではなく…」



ラル(本名はラフォーレ・ルミナリエと言う)と呼ばれた金髪の青年は

海斗から書類を取り返しボスに渡した








「………よし!

決まった ここでやる」



報告書をスミからスミまで読んだ後

ボスが立ち上がって宣言した



「4月5日

ここで俺の誕生日パーティーをする」



「…やっとか」

「これで俺達もコソコソして仕事しなくてもいいんだなっ」

「了解しました」



三者三様の反応を見せ

パーティーに向けて各自動こうとしたとき




「……じゃあ

服決めなきゃだね」



「!?」



5人目の声に驚いたボスは立ち上がった姿のまま固まった



ボスの椅子のすぐ後ろに

長い黒髪を束ねたダークスーツの男が立っていた



「何?」



「…お、お前いつからそこに?」



「ボスがパーティーやるよ〜って

言ったところからだよ」



(…ぜ、全然気づかなかった…)



どうやら他の三人は初めから気づいていたようだ

(ボスの方を向けば

必然的に視界に入るが)



「…少しは気配読み取れるようになりなよ…

ま、気配消してたし

君には無理だろうけど?」


「うっせぇ

…今に見てろよ」



「はいはい

咲哉もボスをからかってんじゃないよ」



またもラルが止めに入り

ボスはしぶしぶと椅子にすわる



「…で、服

何にするのさ?」



そのままの姿勢で咲哉はボスに聞いた



「うーん…

やっぱ赤かな」



「赤?」



「赤ですか…

あえて白にしては?」



「日本人らしく和服とかはどうだ?」



「和風!

いいね!海斗ナイス!」


「だろ〜?」



「いや

ベタにスーツはどうだ」


「スーツかぁ…

普通に考えるとスーツだよな…」




「演出はどういたしますか?」



「うーん…

難しそうだから頼むわ」



「……了解しました」



ラルは何か言いたげに部屋を出ていった



「お前のパーティーなんだから

演出くらいお前がかんがえろよ」



「……うーん…

白…和服か…

いや…あえて紅のスーツ…」



「聞いてねぇ…」



悠大と海斗はため息をつきながら部屋を出ていった



「じゃ

僕も行くよ

服 早く決めてよね」



「…あえて紅の和服とか…」



「…はぁ」




―――パタンッ―――



1人真剣に考えるボスを残して

今日の会議は終了した


まだやっと土台ができてきた感じです

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