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披露宴ー前章ー


「……ここか」


三人の男が見上げる先には

いかにも高級なホテルが建っている



「……さて

良くも悪くも今夜人生が変わる日だ」


一人の男が笑い

二人の男は笑わなかった

50階建てのビルは一等地に建っており

すぐそこに首都・ロンドンの夜景を一望することができる




それは銀髪の髪をしっかりと整え

素人が見ても高級だとわかるスーツ、腕時計をし

隣に屈強な男達を従えた

いかにも「英国紳士」の初老の男性だった



「このようなもてなしをしていただき、ありがとうございます。」

長い机を挟み、紳士の反対にいる20代初めの若い男が言った

金髪に茶色の目をした

いかにもフランス人といった風貌のなかなかのイケメンである



少し後ろには、同年代くらいの黒スーツを着た黒髪の長身で均整のとれた筋肉質な男と

同じ格好をした少し小さめの細身の男が立っている


「喜んでいただき幸いです」


紳士は嬉しそうに目を細めた


机の上には一皿何万とする高級料理の乗っていた皿が並んでいる


「当店自慢の5つ星のシェフによるフルコースです

あなた様の口にあったようで何よりです」



「こんなに美味しいものは久々に食べましたよと、シェフにお伝えください」

青年はナフキンを慣れた手つきでほどく



紳士は軽く微笑んだ後

「ではデザートに苺とブルーベリーのムースと

わが社の新作ワインを頂いてください」


すると紳士の隣にいた男達が赤黒い紫がかった液体の入った瓶と

ムースの乗ったワゴンを持ってきた



「ブドウから作ったのですが

熟成期間を新しく変えてみたのです

あなた様に評価していただきたく今日用意しました」

ワインがグラスに注がれる

すると葡萄の深い香りに部屋が包まれていく


「いい香りですね…

今日の土産に貰って帰ってもいいですか?」


「もちろんですよ

さっ 一口召し上がってください」


そう言う紳士の目は少しギラついていた


…………コクッ

青年は香りを少し楽しんだのち1、2口 口に含み飲み込んだ




「…………」

「…………」




「………………」

「………………」


紳士の額に汗が浮いている


「……どうかしましたか?」


青年が聞くと紳士は


「っ…いえっ

お味はいかがですか?」

汗を拭きながら紳士は問う


ワインを運んできた男達もどこか焦っているように見える


「香りはいいですね」


青年はにっこりと素敵に微笑み

「ただ…」






―――パキュンッッ―――






「――――っ!?」





机に手をつけていた紳士の指の間に穴が空き、小さく煙がのぼっている





「毒特有の苦味が取れると甘みが出て美味しくなると思いますよ」

青年は余裕そうに不敵に笑った



紳士を――被害にあったのは机だが――撃ったのは男の横に立っている

背の低い男だ



「………」


無言で銃を紳士の眉間へ向けている


「…では、僕はもう帰ります」


青年は席を立ち、

帰り支度をはじめた




「………っあの…」


驚いていた紳士が震えながら男に話かけると

青年は何かに気づいたように


「…あ、

このホテル、設備も内装も食事もサービスもいいですね」


と、いきなりホテルについて褒めだした



「……え、あぁ

ありがとうございます」

紳士は驚きながらも頭を下げる



「……ですが、

悪いところが一つあります」


青年はゆっくりと紳士を指差した



「あなたが…僕を殺そうとしたところですかね」



「……あ、あのっ…」

紳士は汗をにじませながら男に食い下がる



「毒!?

なんのことですかな?

何かの間違いでは?

もう一口飲んでみてください」



青年は首を横に振りながら


「もう結構」

「……?」



「別に僕はこんなことされても

こんな良いホテルを潰そうなんて考えていませんよ」



「……え?」


紳士はどこか安堵したように青年をみる


青年は正面を向き紳士と相対すると


「…ただし、

社長である僕に対してこの行為は許せない行為だ…


よって、じいさん

あんたはクビだ」



紳士は目を見開きながら


「っ!?

クビ!?何を言っているんだ!!

このホテルは私の経営している物だ!!

私が人生かけて造り上げた物だ

キサマなどにやらん!!」


さっきまでの温厚な態度はどこに行ったのか

怒りを露にしながら立ち上がった



「キサマが死ねば

スペラーレは私の物だ!!」


――ジャキッ――


紳士の後ろの男達が銃を取り出し―――




「………………え?」


放つことは出来なかった


男達が不振に思い銃を見ると



――ピキッ――



「!?」


銃にヒビが入っている



―――ヒュッー――


何処からか風を切る音が聞こえ…



「―――ぐはっー」



「!?」

さっきまで銃を構えていた男達が床に倒れてている



「…ご安心を

別に殺そうとしているわけではありません」


青年の後ろの筋肉質の男が言った



どうやら彼が男達に何かしたようだが

息も乱れていなく

その姿を目視できた者はいなかったようだ




「そういうことで

このホテル、いただきますね」



と、青年は聞こえているのかわからない放心状態の紳士へ語りかけ


にっこりと微笑むと


何か思い付いたように後ろの男達を見て



「今日の報酬は?」



と手を差し出した



「…………」



男達は目配せをし

持っていた鞄を青年に渡した


青年は中身を確認すると


「え~

2千万かよ~

俺は毒飲まされて危うく死にかけたんだぜ?」



「死んでねぇだろ」



「ちぇっ…ケチぃな…

ま、でもこれで愛しい女神達にに鞄でも買ってやるか~」



青年は文句を言いながらも鞄を受け取り

何の事だか全くわかっていない紳士に向かって



「あ、そうだ

俺なんか殺したってスペラーレは手に入らねぇぜ?」


「…………?」



衝撃の事実を告げた




「だって俺ボスじゃねぇもん」




「!? なんだって!?

…じゃあキサマは一体…」



さっきまでボスを名乗った青年は言う


「俺?

俺は只の愛する女神達に金を貢ぐ

毒にちょっと詳しい

ただのフランス人さ」



「………なんと」


紳士の目は完璧に力を失った



男達が扉に近づき

手をかけ音も立てずに開ける



「…先日

ある毒の業者から連絡があってな

じいさんが即効性の毒を買ったと聞いたんだ」



背の低い男が言う


「気になって監視させてたら今日使うみたいじゃないか

…さすがにボスを危険にあわせたく無いんでね」


「…そゆこと

もし今日毒なんて食べさせてなかったらもっと偉くなれたのにな」




最後に青年が皮肉を言って


「じゃあな

まいどあり」



―――バタンッ――



扉が閉められた




…なんか勢いで書いたからすごい出来に



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