きらきらのお祝い
ある日、テストで百点満点をとったちかちゃん。みんなからは教室いっぱいの拍手をもらいました。
その時、誰もいない所がきらきら光ったのが見えました。みんなの拍手が鳴り止むと、その光は見えなくなりました。ちかちゃんは「ふしぎだなぁ。」と思いました。
家に帰ってきたちかちゃんは、今日もらった百点満点のテストをお父さんとお母さんに見せました。ちかちゃんが百点満点をとれたのは、いつでも優しく教えてくれたお父さんとお母さんの力もあったからです。
「頑張ったな!えらいぞぉ!」
「頑張ったね!すごいわ!」
お父さんとお母さんは、ちかちゃんを抱きしめたり頭をなでたりしてくれました。ちかちゃんも嬉しくて顔が赤くなりました。
ちかちゃんは、今日見たふしぎなきらきらのことを、お父さんとお母さんに聞いてみました。ちかちゃんには分からなくても、お父さんとお母さんなら知ってるかと思ったのです。
すると、お父さんがこう言いました。
「お父さんも見たことがあるぞ。お父さんが仕事でみんなの前で発表をした後、誰もいない所がきらきらと光ったんだ。」
お母さんが続けて言いました。
「それはきっと、妖精の拍手ね。」
「妖精の拍手?」
「妖精の拍手は、きらきらとした光に見えるの。妖精は私達には見えないけれど、いつもどこかで私達を見ているんですって。」
「じゃあ、わたしとお父さんが見たのは?」
「頑張った二人に向けて、妖精が「おめでとう。」って気持ちを込めて、拍手したんじゃないかしら。」
ちかちゃんは、あの時に見た光を思い出してみました。妖精の拍手は、きらきらの光になって、ちかちゃんをお祝いしてくれていたのです。
「あのきらきらがまた見られるように、これからも勉強がんばろうっと!」
「よーし!お父さんもお仕事頑張るぞ!」
「お母さんも何か頑張ってみようかしら。」
次の日、朝早く学校に来たちかちゃん。教室でお世話している植木鉢にお水をあげる当番です。こぼさないようにじょうろを持って、優しくお水をかけてあげました。
すると、ちかちゃんのすぐ隣が、きらきらと光っていました。あの時に見た光です。
「妖精さん、いるの?」
ちかちゃんは思いきって聞いてみました。教室には、友達も先生も誰もいません。でも、声が返ってきました。
「どうして知ってるの?」
「わたしのお母さんが言ってたの。ねぇ、昨日、わたしに拍手をくれたのは、あなた?」
ちかちゃんの耳に、ぱちぱちぱちぱち、と小さな音が聞こえました。きらきらとした光もいっしょに見えます。
「そうだよ。「がんばったね、おめでとう。」って気持ちを込めたの。」
「今、拍手してくれたのは、どうして?」
「お花に優しくお水をかけてくれて「ありがとう」って気持ちだよ。」
「えへへ、どういたしまして。わたしも妖精さんに拍手をあげるね。」
「どうして?」
「素敵なお祝いをくれたから、そのお返し。」
「ふふふっ、ありがとう。」
二人が拍手し合う音が、誰もいない教室に響きます。ちかちゃんは、勉強することも、遊ぶことも、なんでも頑張ろうと思いました。そうしてまた、あのきらきらした光が見られるように。
あなたも、何かを頑張った時、きらきらとした光を見ることがあるかもしれません。
それはもしかしたら、あなたの頑張りをずっと見ていてくれた、妖精からのお祝いかもしれません。
おわり
ひらがなの方がいいかなと思ったので表記はひらがなですが、
ちかちゃんは知花ちゃんのつもりで書いていました。
姿が見えない妖精の拍手が『きらきら』に見えたらいいなと思って書きました。きっと音も可愛らしいのでしょう。ぱちぱち、きらきら。




