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第19話 [ガットら五人、山賊に殺される]

 ストレスで食べ物が胃を通らず、浴びせられた罵詈雑言と嘲笑の視線であの時の面影がほぼ無くなったガットら。

 それでも、もう一度あの華やかな冒険者ライフを取り戻さんと山賊を殺しに山に入っていた。


「ガットさん……もうそろそろ休憩しましょうよ……」

「黙れ……。休憩なんかしてたら魔獣に食い殺されちまうだろうが……っ!」


 忘れていた初心を取り戻していたガットだが、時すでに遅し。なぜ新米冒険者に優しくできなかったのか。

 悔やまれる過去は拭えず、流れ落ちる汗を拭う。それしかできなかった。


 山を登り続けること数時間、とうとう限界がきて木陰で一休みすることになった。木にもたれかかり、革袋に入れていた水で喉を潤す。

 その時、ガサッと茂みから音が聞こえてきた。


「うぃ〜、ご足労おかけしたなぁ冒険者さんたち〜。ひっく」

「っ!? 誰だ!」


 茂みから出てきたのは、ヒョロッとした体つきでボサボサの髪を伸ばした男だった。その後ろには、漆黒の鎧を持っている騎士の姿がある。

 フラフラ歩きながら近づき、ドカッと目の前に座った。


「お前さんたちをな、俺ん部下のテイマーに観察してもらってたんだ。目的は山賊《俺ら》の殺害ってかァ! 魔物をビクビク怯えながら俺たちを殺すって意気込んでて笑えてきたぜェ!!! 酒が進む進むゥ〜〜!!!」

「っ……テメェ……!!」

「おぉっと待ちなァ、お前さんら。俺たちゃお前さんらにいい提案をしようと思ってたんだ〜よっとォ」


 頭に重りでも付いているかのようにグワングワンと前後左右に動かしながら話を進める。

 ガットらは今すぐにても殺したい気持ちだったが、後ろの騎士が持つ禍々しいオーラに気押されて動けなかったのだ。


「見るからに一攫千金やらなんやらを目指してるように見えるぅ。そこで、だ。俺ん仲間にならねぇかぁ? なぁんせこっちにゃ最強の騎士もいる! 俺ん役職も最強クラス! いい待遇だゼェ〜? フッカフカのベッドもあるしぃ」

「お、俺、は……」


 山賊の言葉は、五人の傷ついた心にズケズケと入り込んでいく。まるで毒のように、それは彼らを犯していっていたのだ。

 揺れ動く心の中、元盗賊の冒険者が言い放った。


「な、仲間にしてくれ! お願いだ!」


 彼の言葉はドミノの初めを押したかのように、他の冒険者たちも堕ちてゆく。


「ぼ、僕も!」

「俺も頼む! もう懲り懲りなんだ!」

「あんたらについてけば成功する気がする! 仲間にしてくれ!」


 取り残されたガット。紅蓮の拳か、山賊か。

 天秤にかけられた究極の選択だった。しかし、山賊の最後の一声は心の奥深くに突き刺さってしまった。


「もう一度名声を取り戻せるぜ〜」

「…………っ。わかった。俺も山賊になるぜ……!!!」

「くひ、よォく言ったッ! 今から俺たちゃ家族だァーーッ!!」


 ――ドンッ、ドンドンドンドンッッ!!


 銃声が響き渡った。

 直後、冒険者のこめかみから血が吹き出してバタバタと倒れてゆく。なんとか意識を保っていたガットは困惑しかなかった。


「ぇ、は……? なん、で……」

「あれぇ言ってなかったかぁ? 俺の役職は『死霊術師ネクロマンサー』。つまりだ、仲間になるイコール死んで手駒になるっつーことよ! 地面と言う名のフカフカのベッドもあるしよぉ〜?」

「ふざ、け…………」


 とうとう倒れ、五人は死亡した。

 山賊は顔を抑え、抑えきれないほどの大笑いをした。


「ダッハッハ! あ〜たまんねぇぜ! こんなにも良いカモがいるなんてよぉ〜ヒック。うちの調理師捕まっちまったが、これで許そう。

 死体がなきゃ戦えねぇが、こっちにゃ最高戦力の騎士様がいるからなァ!」


 漆黒の鎧を持つ騎士は、何も言わず、何も感じていない様子だった。

【作者からのお願い】


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