第17話 [無生物テイマー、スキルを集めまくる]
無事にニヤが目覚めた翌日、俺とニヤは森の町の近くにある森の入り口まで来ていた。
今日はここでニヤの戦闘能力を測ったり、魔物や魔獣を倒しまくってスキルの収穫祭を開催しようと考えているのだ。
「ゔー……疲れた……。おんぶ」
「はぁ? 全然歩いてないだろお前」
「ずーっと鎖で縛られ続け、一度は死んだ身。それをこき使おーだなんてー」
「うぐっ……仕方ねぇな……」
「わーい」
病み上がりにこんなことさせるべきではないと思っていたが、体調は超万全だったから連れてきた。だがまぁ、こいつの言ってることは一理も二理もあるから仕方なくおんぶをした。
森の中に入るや否や、ゴブリン二匹が現れる。スキルを使用し、一瞬で討伐した。
「【槍生成】」
『『グギャァアア!!!』』
「【使役】」
△ △ △
《獲得スキル》
【悪食】【糸編み】
(ゴブリン)
▽ ▽ ▽
次に現れたのはスライム。
火で燃やし、難なく討伐。
「【使役】」
「溶けてる〜」
△ △ △
《獲得スキル》
【溶解液】【吸収】
(スライム)
▽ ▽ ▽
次はテテルツリーという木の魔物だった。蔓を使う攻撃をしてきたり、種子を飛ばして体から蔓を生やしてくる厄介な魔物だった。
またも火で燃やしていたが、飛ばしてきた種子が体にめり込んだ。【吸収】で取り除くことができたが、内心ちょっと焦っていた。
「……【使役】」
「冷やっとしたー。ご主人さまつよ」
「このメイドなんもしねぇな。寄生虫か?」
△ △ △
《獲得スキル》
【蔓生成】【蔓術】【種子飛ばし】
(テテルツリー)
▽ ▽ ▽
今度はボーンボアという骨を集めているイノシシだ。さっき手に入れた【蔓術】で突進をできなくし、絞め殺してフィニッシュ。
新スキルも【鑑定】で確認して上手く使いこなせている。
「テイム〜」
「俺のセリフを奪うな。【使役】」
△ △ △
《獲得スキル》
【スタミナ増強】【響骨】
(ボーンボア)
▽ ▽ ▽
樹上に現るはスチールスパイダー。鋼の糸を吐く蜘蛛だが、臆病な性格で逃げ回る。【スタミナ増強】を使って森を走り回ってなんとか二匹の討伐に完了。
スキル使用後、代償なのか息切れが激しかった。
「ぜー……ぜー……」
「早くて楽しかった」
「ぜー……呑気な……」
△ △ △
《獲得スキル》
【鋼糸吐き】【糸術】
(スチールスパイダー)
▽ ▽ ▽
その後も森の中のあらゆる魔物や魔獣を討伐したが、数が多すぎて途中から数えるのが面倒になった。
背中のニヤはいつのまにかイビキをかいて眠ってしまっていた。連れてきた意味がない気がしてきた。
「めちゃくちゃスキル集まったな」
「すー……すー……」
△ △ △
《獲得スキル》
【跳躍】【蹴術】
(キックラビット)
【毒牙】【絞術】
(ポイズンスネーク)
【月下解力】
(ムーンベアー)
【風弾】【風乗り】
(ウィンドバード)
▽ ▽ ▽
これだけ手数が集まればいろんな応用が効くだろうが、まだまだ集める必要がある。念には念を、どんなことが起こるかわからないからな。
【鑑定】で自分のスキルを見返しながら満足げな表情でいると、何やら硬い壁に衝突してしまった。
壁を見ると、緑一色だった。だが、草というにはあまりにも均等な並びをしており、まるで鱗のように見える。
「あれ、これって……」
『グァァア……!』
それが動き出し、としていた翼をバサッと広げてこちらを睨みつける。長い首のてっぺんにある頭、そこにある大きな口からは炎が纏っていた。
これは紛れもなく――ドラゴンだった。
『グォオオオオオオ!!!!』
「なんっっでこんな森にBランク超えの魔物がいんだよ!?」
ドラゴンの瞳は俺たちをロックオンしており、どうやら逃すつもりはないらしい。
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