二人纏めて推して行く
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
結婚報告があると、人生の師範としている方が浮かびます。
目の前で、相方がゲームをしている。恋愛シュミレーションゲーム、つまり乙女ゲーと呼ばれるジャンル。攻略法相手が喜びそうな回答を選んで、最終的に付き合うのを目標としたゲーム。彼女はゲーム機片手に静かに笑みを零していた。
「あ、そうそう。人気投票あるんだった」
彼女はゲーム画面から目を離さず、思い付いた様にそう答えた。
「誰に入れるの?」
「勿論、ボス」
『ボス』と言うのは正式な名称じゃない。言わばゲーム内でよく使われる呼称である。彼女は基本的に本当に惚れたキャラを名前で呼ぶ事はない。呼ぶ事さえ恥ずかしがるから。
本日プレイしているのも、そのボスのルート。年齢制限はないけれど、初っ端からかなり飛ばして来る。部屋に連れ込んで早々、壁ドンしてくるのはアンタだけだったよ。
でも彼女にとってはそれさえも好きになる要素らしかった。盲目とはよく言ったもの。
「でも票が一つしか無いんだよね。もう一つあったら、主人公ちゃん入れるのに」
視線は相変わらず熱心に画面に注がれている。推しが独壇場で、画面中央を陣取って居るのに、顔は苦々しかった。
「夢女子なのに、その相手も好きなのか」
「うん。キスしたいとも思うし、それ以上の事をしたいとも思う。そういう事を想像出来るくらいには好き。んー……でも、その相手が私じゃなくても別に良い」
夢女子らしからぬ発言だった。普通、惚れた相手の隣に立つのを夢見るのが、夢女子の性なのに。惚れた相手が他の女子を引き連れて、イチャつくのを見せつけられるのは、かなりの地雷な筈なのに。どうにも彼女はそうではないらしかった。
「可愛んだよね。この二人の絡み。ずっと見てたい。第三者の視点から、お菓子ぼりぼりしながら、『おまんら、ほんまにかーえーなー』とか、によによしたい。そして主人公ちゃんに叱られたい」
先程までの反応は何処へやら。頬が薔薇色に染まり、口元が緩む。どうにも単独でボスを愛している訳ではないらしい。恋人も含めて相乗効果で愛しているらしい。
そんな事があっての一週間後。今度は中の人に彼女が出来たらしい。多分、あの子は絶対気にしない。それでも配慮はしようと思う。そんな事を考えていた矢先、突発的にチャットが届いた。
――恋人出来たって!! この間御共演していた女性声優さんだって!! 可愛すぎて辛いんだが。
矢継ぎ早に、早口で物を言ってるのが想像出来る。チャットなのに。
気にしてないのは予想通り。しかし予想の斜め上を飛んで行った。まさか本人からそのネタの布教を始めるとは。
――あの方マジで凄いよ。共演した女性の方々を軒並み妹にしていくから!! マジで可愛いよ。夫婦になっても近くのファミレスで、どっちが奢るかジャンケンしてそうな可愛さがあるよ。マジで尊いよ。URL貼るね。見なくても良いけど見てね。可愛いから。
結婚報告があると、人生の師範としている方が浮かびます。
(あ、声優さんです。人の為に一生懸命、怒って泣ける方です)
女性共演者を軒並み妹にしていく空気感があるんですよ。なんならお名前とエピをお話しているだけで、
妹だと錯角します⸜(*˙꒳˙*)⸝ してました⸜(*˙꒳˙*)⸝
この兄妹ほんとに可愛いなー!! と思ってました。
有名人で兄妹だと明かすと面倒だから、芸名変えてるのかと思ってました。
それはきっと、恋愛関係になっても変わらないのではないかと。またあの空気感が見たいので、動画漁ってきます。
作者は何時だって、二次元に夢見てますよ。
でも隣に立つのが私でありたい。
とは何故か全く思わない矛盾した生き方をしてます。
それは多分、どう頑張っても隣には立てないから。
立場だけじゃなくて、自分の性格を引っ括めて。
色んな動画を見て常に思うのが、動画や画面越し、こうした呟きでも、人となりの一部は見ることが出来ます。
それもその人本人の特色であるので、嘘ではないと思います。
でも全てじゃありません。絶対に。
面と向かって話さないと、距離が近くないと分からないこともあります。
不祥事、醜い部分も引っ括めて、『愛してる』『結婚したい』と思って欲しいと思ってますよ。